ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Brymir 『Slayer of Gods』 (2016)

Slayer of Gods

 

フィンランド出身のシンフォニックデスメタルバンドの2ndアルバム。本作が日本デビューとなるようです。

 

実を言うと僕は本作を買う予定はありませんでした。というかそもそもこのバンドの存在すら知らなかったのです。では何故僕が本作を聴いたかというと理由は簡単です。

 

「帯の文句に釣られたから」(笑)

 

新星堂HR/HMコーナーで何気なく目に留まった先にはやれシンフォニックだの、ロディアだの、ファストだの、ドラマティックだの、グロリアスに疾走だの・・・。

 

こんなの惹かれるに決まってるじゃないですか!メチャメチャ気になるのに視聴機には入ってなかったもんですから我慢できずにレジに直行(笑)

 

たまにやっちゃうんですよね。「おっ!何か良さげだぞ!」と思って全然知りもしないバンドの音源買っちゃうの。皆さんも経験あります?まんまとレコード会社の戦略に乗せられ、また散財してしまった自分にゲンナリしつつもせっかく買ったので期待半分不安半分で聴いてみました・・・

 

結論から言うと十分に買って正解の良作でした。良かった良かった。個人的には歌舞伎メタルバンドWHISPEREDから和の要素を取り除き、シンフォサウンドを大幅に増強したような印象を受けましたね。

 

美しく壮大なオーケストレーションが全編にわたってフィーチャーされ劇的さを演出する楽曲は文句なしのドラマティックさ。イントロに続くM2「For Those Who Died」は彼らの音楽性をわかりやすく示した名曲です。ブラストビートと共にリードギターオーケストレーションがユニゾンするパートで掴みはバッチリ。ラストのサビで半音上がるところは完全にツボです。ツインギターソロもいい!

 

その後も劇的なシンフォニックサウンドとバックで流れる美しいクワイアが、アルバム全編にわたって楽曲を彩る様は一流のシンフォニックメタルバンドに負けない完成度を誇っていると思います。タイトルトラックのM8「Slayer of Gods」は特にそれが顕著です。8分半ある大作ですがサウンドの豪華さに聴き入ることができるためそこまでダレなかったです。後半のピアノメインになる静かなパートが儚くてたまらん。

 

もちろんいくら美しいといえどデスメタルとしてのアグレッション、ブルータリティはしかと保たれています。暴れながら音色に酔いしれることのできるサウンドです。全曲同じ方向性を向いているためやや一本調子な感はあるかもしれませんが、この手のバンドは変に散漫になるより一つのスタイルを貫き通す方がいいと思うので個人的に不満はありません。またこういった壮大さが売りの楽曲はあまり長いと聴き疲れを覚えてしまいますが、本作はほとんどが3~4分台でまとまっているためあまり冗長さを感じさせないのもポイント。僕は基本的に長い曲・アルバムが苦手なので助かります。

 

そんな良曲ぞろいの本作において僕が最も耳引かれたのがM9「Stormsoul」(曲名からしてカッコイイ)です。オーケストラルヒットを用いた緊迫感のあるイントロで「オオッ!」と思い、その後のブルータルな疾走パートで「ウオオオーーッ!!」と興奮(笑)。ブラックメタルばりの高速リフも飛び出しアツい!「グロリアスに疾走する美醜の交響曲」という帯の文句がピッタリ当てはまる名曲です。

 

いや~予想以上に良くてビックリ。今まで衝動買いして後悔したことは結構多かったですが、今回は数少ない成功例でした。満足です。

 

日本盤ボーナストラックは2曲あり、フォークメタルの強烈な民謡クサさと彼らのシンフォニックデスサウンドが絶妙にマッチした名曲(3:00~あたりで聴ける「ウァア゛ッ」というシャウトと共にザクザクのリフで急に疾走するところがメチャクチャカッコイイ)と、最後の余韻を味わうのに相応しい壮麗なアウトロとなっておりオススメなので、懐に余裕があるのなら国内盤を是非!

 

M2「For Those Who Died」 MV

 

本作のトレーラー