日本が世界に誇るジャパニーズメタルの至宝・LOUDNESS。
僕が生まれるずっと前から結成し、メンバーの死、音楽性の迷走ゆえの人気の低下など紆余曲折ありつつも未だに現役で活動を続ける伝説の大ベテランバンドで僕なんかが今更語るまでもない存在です。
本作は彼らの1st～3rdという最初期の音源から自らピックアップし、今の自分たちの演奏で収録し直したリレコーディング・ベストアルバムです。完全生産限定盤にはファン投票で人気の高かった楽曲を集めたCDと、渋谷公会堂で行われた『THUNDER IN THE EAST』完全再現ライヴの模様が収められたDVDが付属しておりそちらも魅力的ではあったのですが、昔のオリジナルアルバムはすでに持ってるし、CD付属のDVDはそんなに見返すことないし、何より学生の身分では高いし・・・といろんな理由があり通常盤を購入しました。
っていうか、通常盤のみボーナストラックというジャニーズみたいな売り方はやめてほしいです（笑）。そういえばLast AllianceやPay money To my Painも同じようなことやったことありましたね・・・。
そんなことは置いといて肝心の中身ですが、一聴してみた感想としては「良くも悪くもしっかり綺麗にまとまっている」という印象を受けました。
どっしりとへヴィかつ非常にタイトにまとまった演奏は風格のようなものを感じますし、十分攻撃的なサウンドを奏でていると思います（高崎さんのギターは特に）。ただやっぱり昔のようなガムシャラな勢いや荒々しさ、衝動のようなものはやや薄れてしまっているかな～と。まあこれは年齢とキャリアを重ねているため当たり前といえば当たり前ですが。
しかしだからといってSONATA ARCTICAやSECRET SPHEREのリレコーディングのようにオリジナルより気の抜けた感じで終わっちゃうような残念アルバムでは決してありません！上記したようにサウンドのへヴィさはかなりのものがあるので迫力不足に聴こえるようなことはまったくなく、高崎さんのフラッシーなギターソロもところどころで冴えわたっています。そして何より50過ぎとは思えない二井原さんのヴォーカルの凄まじいこと！！二井原さん以外の何物でもない個性的なシャウトが全編にわたって炸裂しています。M3「Loudness」やM7「Lonely Player」（この曲はギターソロもメチャクチャカッコイイ）なんて出だしから強烈です。シビれますね～。
ここまでへヴィでタイトなサウンドによって、音質が良くなく薄目のサウンドだった楽曲が生まれ変われるのであれば90年代の陰鬱なヘヴィロック路線時代もムダではなかったのかもしれないですね（？）
選曲も人気の高い楽曲をバランスよく取り入れた良いものであると思いますが、ただ一つ納得がいかないのはアルバムのオープニングを飾る楽曲がなぜよりにもよって、へヴィでスローな「Street Woman」なのか・・・。幕開けとなる楽曲ならば1stシングルの「Burning Love」や「The Law of Devil's Land」といった疾走ナンバーの方が相応しいと思うのですが・・・。LOUD PARK 15のSOLDIER OF FORTUNEのセットリストを見た時も思いましたが、彼らはオープニングはゆっくりの方が好きなんでしょうか。こればっかりはホントにわからん。
まああえて不満も漏らしましたが、LOUDNESSがデビュー35周年をむかえて今なお現役であるということを証明するには十分な作品であることは間違いないと思います。よほど原曲に思い入れが無い限りオールドファンも満足するでしょう・・・・・・といっても若造の意見なのでホントに100％満足するかはわかりません（無責任でスミマセン）
