ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Sabaton 『The Last Stand』 (2016)

The Last Stand

本国では大人気なものの日本ではイマイチ・・・。しかし昨年のLOUD PARK 15での素晴らしいパフォーマンスにより一気に注目度を増加させることに成功したウォーメタルバンド(?)、Sabatonの最新作です。

 

SIGHの川嶋さんがヘドバンVol.11において「Sabatonのアルバムはある意味全部同じだから、どれか一つ気に入ればみんな楽しめる。」「Sabatonファンが彼らに求めるもの全てが詰まっている。」と語っていましたが、まさにその通りとしか言いようのない作品です。戦争を題材にした歌詞を漢クサくも華やかさすら感じられる非常にキャッチーなメロディーに乗せ、ミドル~アップテンポ中心に展開していく・・・という従来の作品から何のブレもない内容。そしてそれが非常に高いクオリティーでまとまっているのだから素晴らしい!

 

まあそのために「どれも同じに聞こえる」「金太郎飴でマンネリ」なんて意見もありそうなのは否定できませんが、変に新機軸を取り入れて元々持っていた魅力が失われるのは本末転倒なので彼らはこれで良いのでしょう。バンド側もそれを認識しているのか、ヴォーカルのヨアキムはインタビューにおいて「キャッチーさの少ないハードな楽曲はファンは求めていないようなので、アルバム中1~2曲くらいにしている。」と発言してました。

 

僕たち日本人が本作を聴く上で無視できないのはやはりM9「Shiroyama」でしょう。日本最後の内戦であり士族反乱でも最大規模の(From Wikipedia西南戦争における城山の戦いをモチーフにした楽曲。SamuraiやらBushidoといった単語が飛び出す勇壮な楽曲に軟弱な僕も思わず心のガッツポーズ(笑)。彼らの楽曲「Ghost Division」を彷彿させる力強くもキャッチーなシンセの音色がインパクト大の名曲です。サビの"It's the last stand of the Samurai"なんて熱すぎて最高です。

 

楽曲はどれも粒ぞろいで、イントロのバグパイプに導かれる、ひと際ポップなメロディーが心地よい(もちろん彼ららしい漢クサさは微塵も薄れてない)M3「Blood of Bannockburn」、ドラムがすべて銃声で構成されている(言われるまで気づきませんでした・・・/汗)という驚くべき楽曲M5「The Lost Battalion」、本作の中でも特に勢いを感じさせる、サビの荘厳な漢コーラスと間奏の「オイ!オイ!」シンガロングパートがライヴ映え間違いなしのM8「Hill 3234」などなどSabaton以外の何者でもない名曲佳曲満載。

 

そんな中僕のお気に入りは前述の「Shiroyama」の他に、M6「Rorke's Drift」と本編ラストを締めくくるM11「The Last Battle」です。何がいいかってギターソロ!前者の2:07~辺りのテクニカルなシュレッドとメロディアスなツインリードを絡めたソロは思わず拳を振り上げたくなりますし、後者の1:53~辺りのこの上なく切なくもアツいメロディーの哀愁はまさに戦場に佇む男の姿が脳裏に浮かぶよう(笑)。最高なだけにもうちょっと長く聴いてたかったな。

 

とにかく熱くパワフル、しかし意外にもゴリゴリ加減はそれほどでもなく時にポップさすら感じられるほどフックにみちたメロディー、どの曲も濃厚なのにほとんどの曲が3分台と短くまとまっているため聴き疲れしないなど、非常にバランスのとれた良作ですね。正統派パワーメタルファンはもちろんマストでしょう!あまりにもへヴィなのはちょっと・・・というメロディアスハードのファンもイケるかも。

 

ただやっぱり彼らの魅力が一番伝わるのはCDではなくライヴでしょう!去年のLOUD PARKはアリーナの割と前の方で観たのですが、もうヤバいくらい最高でした(観てた人ならわかりますよね?)。本作もライヴ映えしそうな楽曲ばかりですので一刻も早く全身で浴びたい。

 

Shiroyama Official Lyric Video (オススメ!)

 

 

The Lost Battalion Official Lyric Video