今やすっかりエクストリームメタル大国となったスウェーデン（ヘドバン・スピンオフ ヘドバン的「新しいメタルの歩き方」で「今、エクストリームメタルが最も熱い国は？」という問いに川嶋未来さんがスウェーデンと答えてた）から登場した5人組へヴィメタルバンドの5thアルバム。
彼らの音楽性は一言で表すのはちょっと難しいです。非常にメロディアスなのですが「メロディアスハード」と形容するにはいささかメタリックすぎるし、かといって「メロディックパワー（スピード）メタル」というにはその言葉を聞いてイメージするような突進力には欠ける印象。一応↑では「へヴィメタルバンド」としました。まあ細かいジャンルわけなどどうでもいいですね。
このバンドを知ったキッカケは、僕が良く参考にしている複数のメタルレビューサイトで軒並み高い評価を得ており、どんなもんかとYouTubeで本作収録曲M1「The Human Paradox」を聴き・・・
「何だコレ！？メチャクチャカッケエエエエーー！！！」
と衝撃を受けたことです。
すぐさま新星堂にてCDを購入、ワクワクしながら聴いてみると僕の高い期待に100％応える渾身の傑作であることがわかりました。チクショウ！何でこんなバンドを今の今まで誰も教えてくれなかったんだよ！！（笑）
何が良いかって言うと、ヴォーカルと演奏と曲！つまり全部！
本作はとにかくメロディーが素晴らしい。ポップになりすぎなず、かといって不愛想さは感じさせない非常に普遍的でキャッチーな歌メロが僕のツボを突いて突いて突きまくるのです。どこか厳かなヴォーカルから、徐々にリスナーに迫ってくるような緊迫感に満ちたサビが続くM5『Keys to Paradise』、弾むようなアグレッシヴなギターリフからしてカッコよく、これまたサビの壮大なメロディーが半端じゃない解放感を与えてくれるM7『The Beast Inside』、イントロの劇的なツインリードからして名曲の予感しかしない（そして実際名曲）、アップテンポなキャッチーさが心地よいM9『Crack in the Shell』などなど十分以上キャッチーなのに、決して丸くならないへヴィさ、アグレッションが渦巻いた名曲が満載。歌メロにまったく引けを取らない劇的なメロディーとテクニカルな速弾きを見事に両立させたギターソロも大きな聴きどころです。個人的には捨て曲一切なし！！
特にM10『Free Man's Anthem』これはキタ！！まさに歌詞の通り大海原や広大な地を進んでいくイメージが広がる壮大さは僕の心を完全に鷲掴みにして離さない！まさに感動の名曲！リードギターのメロディーも良い！ラストのサビで半音上がるとこなんて死ぬほどカッコイイ！！この曲のクライマックス感が素晴らしいので個人的にはバラードのM11『The Smoking Gun』と曲順逆にしてほしかった。
そしてそんな魅力あふれる楽曲にさらなる煌めきを与えてくれるのが、ヴォーカル。まさに絶唱・熱唱という言葉がこれ以上ないほど似合うニルス・モーリンのヴォーカルがとにかく熱い！熱すぎる！！腹の底から唸る魂の叫びに否応なくテンションが上がる！
どの丘も登れそうにないけど
意思の力は何にも勝る、おまえはびくともしない
どの一歩も正しい道への一歩
自分が言いたい言葉を先読みしようとするな
倒れたりつまずいたりしても恐れるな
また立ち上がって自分はここにずっといることを示すんだ
スターなんだ！ おまえは！
俺は闇の中からよみがえり 火をつける
火をつけろ！ 乗り出せ！
おまえの中から 俺は唸りを上げて夜明けに向かって進む
現実の俺は鎖につながれた囚人だけど
夢の中では広々とした平原を放浪する
人が定めた法により 俺の体は拘束されてるけど
俺の心の奥深くでは強さが見つかる
鞭打ち50回でも、流血になっても 俺を参らすことは出来ない
俺の欲望、俺の渇望は深く根付いてる
俺はこの対立の時代を向こう見ずに突き進んで行く
いつの日か 脱走してやるから 命を賭けてもいい
俺は信じることを選ぶ
なりたい自分になれると
俺が間違ってるはずはない
俺の信念は強いんだから、俺が間違ってるはずがない
こんな歌詞を熱唱してくれるんだから熱くなるに決まってんでしょーが！！
クサいダサいと馬鹿にするのは簡単だけど、この青臭さが大好きだ！！
あまりにもツボにはまりすぎてしまったので文章が熱くなっちゃいましたが（汗）、とにかくメロディックなメタルが好きな人は是が非でも聴いてください！聴かなきゃ損！Primal FearやMYRATHなどと並んで今年のベストアルバム最有力候補！名盤！
来年の2月に初来日公演が決まったようで、何としてでも観たいのですが何分卒業を間近に控えた平日・・・。うまいこと予定が合うことを祈るのみです。
また現在彼らは本作のリリースツアーでスペインやらドイツやらを巡っているわけですが、10月初めから11月中旬にかけてほぼ毎日のような過密スケジュール。体には気を付けてほしいですね～・・・。
M1「The Human Paradox」 MV
