ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ALQUIMIA 『Alquimia』 (2013)

ALQUIMIA.jpg

 

スパニッシュメタルと聞いてどんなイメージを持ちますか?

 

 

クセの強いスペイン語ヴォーカルが情熱の国に恥じない暑苦し~い歌い回しを見せる、音質や演奏はチープだが独自の強烈なクサメロが舞う、決してメジャーグラウンドに降り立つことはないが一部のマニアにウケるなどなど・・・いかにも辺境のB級メタルって感じではないかなあと思うのですが、いかがでしょうか?

 

 

そして今回紹介するCDはそんな愛すべきスパニッシュメタルの代表格だったバンド・AVLANCHが母体となって結成されたALQUIMIAの2013年リリース(国内盤は2016年に2ndと同時リリース)の1stアルバムです!

 

 

2012年に解散したAVLANCHからアルベルト・リオンダ(g)、マルコ・アルヴァレス(dr)、チェス・ガルシア(key)の3人、そして別バンドAMADEUSからイズラエル・ラモス(vo)、ルーベン・ラヌーザ(b)の2人が合体しこのALQUIMIAが誕生したのです!!

 

 

・・・とちょっぴり辺境メタルマニアになったつもりで(?)文章を書き連ねてきましたが、実は僕AVLANCHはずいぶん前にYouTubeで2曲くらい聴いたことがあるくらいで、AMADEUSにいたっては全然知らないし、そもそもスパニッシュメタル自体にそこまで愛着もこだわりもないです(笑)。

 

 

そんな僕がなぜ本作に手を出したかというと、理由は単純です。

 

 

去年の名古屋遠征の際ディスクヘヴンのストアプレイに釣られたから(笑)

だってかっこよかったんだもん

 

 

そんなことはどうでもいいとして本作ですが、これが凄まじいインパクトを誇る名作でビックリ。いやホントにこれは一部のマニアだけに注目されるようなB級メタルなんかじゃないですよ。特A級の輝きを放つ名曲が収録されてるのですよ!

 

 

大仰なイントロから緊迫感をビンビン放ちつつROYAL HUNTみたいな(?)キラキラキーボードの音色と共に劇的に展開されていくM2「El lobo y el arca」からさっそく名曲です。演奏もプロダクションも辺境の地のB級感は完全に無くドラマチック。しかしスペイン語の歌詞を熱く歌うヴォーカルがスパニッシュメタルとしてのアイデンティティーをしっかりと表現しているのです!スゴイ!!これぞA級スパニッシュ!!

 

 

このバンドはとにかくのサビのかっこよさが半端じゃないのです。正統派パワーメタル然とした攻撃的でソリッドなギターリフで進みつつ、サビで一気にスパニッシュ特有の濃厚クサメロをあっつ~いヴォーカルと共に解き放つM3「Dama oscura」なんかこのバンドの魅力がわかりやすく詰め込まれてますね。美しいシンフォニックサウンドをバックにどこか爽やかな(だけどスペイン語ヴォーカルのせいで暑苦しい/笑)メロディーを歌うM4「La cuna de arce」もナイス。

 

 

アルバム中盤にややゆっくりめの曲が主体となるのでちょっぴりテンションが落ちてしまったのは否めないのですが、そこからの盛り返しがもうヤバい。それがM10「La fuente dorada」~M11「Sacrificio」~M12「La morada del alquimista」の流れです。

 

 

もうこの3曲のサビだけで元は取れたんじゃないかといいたくなってしまうほどの悶絶クサメロパワっぷりに昇天してしまいました。どの曲もサビ前までは7~8割くらいのスピードで進み、サビになるとフルスロットルでスパニッシュクサメロ大乱舞!!特にM11の爆発力たるや感涙ものです。メロディックでドラマチックでスピーディーなメタルが好きな人にとってこのサビは聴き逃し厳禁ですよ絶対。

 

 

先述のとおり一部のマニアだけのものにするにはもったいないクオリティーを有しており、クサメロ好き、メロディックメタルファンは絶対楽しめる作品だと思うのですが、どうも流通がそれほど強くないレーベルなのか、あまり店頭で見かけたことがないんですよ・・・。僕の近所だけなのかもしれませんが、実にもったいない・・・。っていうか何でこのクオリティーでさっさと国内盤リリースできなかったんだよ・・・。

 

 

M12「La morada del alquimista」オフィシャル

このサビの解放感ヤバくない?