先日ご紹介したEarthists.が出演するライヴ、RAGING STORM TOUR 2017東京公演に行ってきました。メタルコアバンド・HONE YOUR SENSEとデスコアバンド・INCEPTION OF GENOCIDEの二組をヘッドライナーとしたツアーの初日です。
Earthists.以外に知ってるバンドはHONE YOUR SENSEのみで他の二組は失礼ながら知らないバンドでしたが、アタリの可能性もあるのでツバをつけるような思いで(?)、開演の15分くらい前に個人的に初めてのライヴハウスである新宿MARZへ。非常に小さいハコだと思っていましたが、想像してたより小さくない。渋谷CYCLONEと同じがちょっと大きいくらいでしょうか?まあ小さいは小さいのですが・・・。
チケットを渡す際「目当てのバンドは?」と問われたのでEarthists.の名前を挙げた後、ツアーの先行入場特典として、ラバーバンドとHONE YOUR SENSEとINCEPTION OF GENOCIDEのサイン入りカレンダーがもらえました。
カレンダーまだ余ってるようなので興味ある方はぜひRAGING STORM TOURへ。回しものじゃないですよ(笑)
2階のバーカウンターでカシオレを注文し1階のフロアに降りると・・・ありゃりゃっ!?人少ねえっ!!
開演10分前だというのに最前列すら埋まっておらず、フロア中央には大きなスペースが・・・。最大キャパの1割くらいしか人数いないのでは・・・?まあたしかに僕がプレイガイドでチケット発行したとき、その整理番号の若さにちょっとビックリしましたが・・・。やはりバンドの知名度がそこまで高いとは言えないからか・・・とちょっとうらさびしい気持ちになってきたところに、Earthists.のYutaさんとバッタリ。軽くご挨拶を交わした後、トップバッターのCASTAWAYをフロア後方で待つことに。
CASTAWAY
開演時間を少し過ぎたあたりでアンビエントチックなSEと共にメンバーが登場。まったく知らなかったバンドで他のバンドと同じようなメタルコアバンドだと思っていたのですが、演奏が開始されてヴォーカルが歌いだした瞬間に他バンドとは毛色の異なる音楽性であることがわかりました。
メタルの要素は一切無いと言ってよいエモ・メロディックハードコアサウンドでした。まさかゴリゴリのメタルコア/デスコアバンドの主催でこんな音が聴けるとは思わなかった。本日のオーディエンスは多くがHONE YOUR SENSE目当てと思われるため、多分彼らの音楽は好みの対象ではないのでしょう。軽く体を揺らしたり拍手したりといった反応はあったものの盛り上がりは少ない(まあオーディエンスの数自体がかなり少ないので当然ですが)。
しかし僕は元々パンク・メロコアからロックにハマッた身。全然嫌いじゃない・・・・・・というか結構好きなんですけど(笑)。
まあ特に奇をてらった要素はなく、演奏のクオリティーもプロフェッショナルとは言い切れない感があったりもするのですが、ほんのり哀愁を滲ませたポップで青臭いメロディーはキッズに受けるであろう強みですね。今日はアウェイの空間でしたがライヴがライヴなら結構話題になれるポテンシャルを秘めているのではないかと思われます。上手側のギタリストとベーシストのパフォーマンスもメロコアらしい飛び回り暴れるスタイルで観ていて気持ちがいい。
終始アグレッシヴに煽っていたベースの方が「今日のイベントは俺らがいなくても成立する」「俺らを知らない人しかいないと思う」と自らアウェイであることを認めた上で「そんなイベントに呼んでもらえて、俺らを知らない人の前で演奏できるのが本当に嬉しい」「身を削って音楽をやっているのは俺らも同じ」といったMCを聞かせてくれたのも好感度高。なんかメンバーみんな性格良さそう(笑)。
個人的には良いバンドだったら儲けモンくらいに思ってたのですが、予想以上に楽しめました。このバンドは売れてほしいな~。NAVERにまとめもできてるし今後メキメキ頭角を現していってほしいですね。
Earthists.
さて本日のお目当て。フロアの人数は先ほどと同じか少し増えた程度。う~~む。やっぱり全国流通前だからそこまで注目を集めてるわけではないのかな~・・・。
ちょっと寂しい気持ちを抱えつつ、Yutaさんが見えやすいよう上手側に位置どり鑑賞。やはり多弦ベースのインパクトは絶大。
演奏はやはりメタルコアだけあって先ほどのCASTAWAYよりはるかにタイト。また前に2年前よりYuiさんのヴォーカルがはるかにパワーアップしていることに驚きました。グロウルの破壊力はもちろん高音ピックスクイールまで披露し、ステージ上を大暴れする様は前には見られなかったもので迫力満点でした。MCは極力少な目で畳みかけるのも良かった。
ちょいと残念だったのはグロウルは堪能できたものの、クリーンが演奏に埋もれ気味で聴き取り辛くラストの「Winterfell」のサビを味わいにくかったことと、Yutaさんのギターソロの音量が小さめ(というか音のバランスが悪かった?)だったことくらいですかね。
ただ少ないとはいえオーディエンスの反応は割と良かったと思いますし(Yuiさんが「もっと前に来い!」と曲中に呼びかけたら、空き気味だったスペースが埋まりヘドバンに興じる方も増えた)、ステージングのクオリティーは高かったため彼らの音楽の魅力はきっと伝えられたのではないかと思います。
INCEPTION OF GENOCIDE
HONE YOUR SENSEやEarthists.が多少メロディアスな要素を持っているのに対し、彼らIOGはメロディアスのメの字も無い凶悪極まりないデスコア。会場の暗黒度指数が最も高かったアクトだったのは間違いないですね。
僕は音楽はメロディー重視で聴くタイプなため、正直彼らの音楽を家でCDで聴こうという気にはあまりなれないのですが(軟弱呼ばわりされても構いません・・・)、こうしてライヴで観ると壮観でカッコイイ。メンバー全員激烈にヘドバンしているのがまたいいですね。上手側のギターがゴツイ(笑)。
ヴォーカルの狂気に満ちたパフォーマンスもサウンドの破壊力に引けを取っておらず、フロアにさらなる刺激を与えていました。というか今日出演したバンド(CASTAWAY除く)みんなデス声の破壊力尋常じゃない・・・。
とはいえ正直僕にとっては音楽というよりは轟音で(リフとかしっかり練られているのはわかりますが)、ず~っとチカチカ点滅している照明と合わせて数十分観続けるのはちょいとキツいステージでした・・・。
HONE YOUR SENSE
やはり彼らが一番の目当てであった方が多かったようで、他3バンドよりはるかに前方の人口密度が高くなりました。それでも満員には程遠く最大キャパの5~6割くらいでしょうか。後方はかなり余裕があったので。まあモッシュに興じる方にとってはある種好都合かもしれませんね。
僕はテコンドーとかクラウドサーフこそやらないものの(強制ダイブはあるけど)、モッシュには積極的に参加する方なのですが今回はパスし後方でゆっくり観ることに。
音自体は激音激重のメタルコアなのですが、ヴォーカルのとっても楽しそうな笑顔にちょっとホッコリ。歌声は極悪なのにその笑顔とのギャップがスゴイ。他のメンバーも伸び伸びプレイしているのが見て取れましたし、MCも他バンドよりはるかに場慣れしているのがわかりました。やはりWackenへの出場などのキャリアがあるだけに総合的なライヴクオリティーは本日イチですね。
1stアルバム『ABSOLUTE SENSES』は僕も持っていますが、最近あまり聴きこんでなかったために「あれ?この曲なんだっけ?」と思うことがちょいちょいあったのですが(汗)、ひと際アグレッシヴでカッコいいキラーチューン「BUSTER」が披露されたのはアガりました。
また今回のツアーが終わってからギタリストのKentaさんが脱退することが決まっており、MCなどもちょっとセンチなものに。ステージ上ではちょっぴりおちゃらけた感じで触れていましたが、少し感傷的な気分になってしまったり。
しかしそんな気分を吹き飛ばすのが後半、「BLACK LOTUS」「THE LAST MAN STANDING」名曲2連発。特にスイングジャズ風のリズムを取り入れた後者は、ミラーボールの活用も相まってかなりの盛り上がり。こんなメロディーをメタルコアに違和感なく溶け込ませる手腕の凄さを改めて思い知らされました。今日のハイライトでしたね。
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ライヴ終了後にライヴのお礼と成功してほしい気持ちもかねてEarthists.のTシャツとCASTAWAYのCDを1枚ずつ購入しました。まだ全国的な知名度はない段階からグッズを買っとけばいずれ貴重な品になるぜフッフッフ(笑)。
・・・・・・と思ったらCASTAWAYのCD全国流通してるでやんの(笑)