ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Earthists. 『DREAMSCAPE』 (2017)

Earthists 『DREAMSCAPE』

先日の記事で紹介し、HONE YOUR SENSE、INCEPTION OF GENOCIDE主催のライヴも観たメタルコアバンドEarthists.!待望の全国流通音源がリリースされました。僕がこの作品を取り上げないでどうする!という勝手な使命感にかられながらこの記事を書いてます。まあ頼まれたわけでもなんでもないし、そもそもYutaさんはじめメンバー誰もこんなブログ見てないでしょうけど(笑)

 

 

さて本作ですが、一言で表すならERRAフォロワーのDjent風味を持ったプログレメタルコアといった塩梅。複雑に織り交ぜられた機械的へヴィリフに乗せデスヴォイスで攻め立て、サビはテンポが落ちクリーンに切り替わる、王道に乗っ取ったもの。

 

 

僕はメロディックかつ正統的なパワーメタルが大好物なので、ハッキリ申し上げますと好みとは言い難い音です。ギターリフは無機質な印象を受けてしまいますし、サビメロもメロウではあるものの歌謡的なキャッチーさはほとんど感じられない(まあこの手のバンドはその方がいいのかもしれませんが)。

 

 

しかし部分部分で本当に壮麗な音色、メロディーを聴かせてくれますし、何より僕とほとんど変わらないくらい若い国産バンドの1stアルバムとは思えないほどのクオリティーが本作にはあります。海外のDjentメタルコアバンドと遜色ないサウンドを初めての音源で作り上げられる若手バンドってなかなか・・・というかかなり希有な存在なのではないでしょうか?(まあ僕はこのジャンルの音には疎いのでわからないのですが・・・)

 

 

そして単なるへヴィでプログレッシヴなバンドと一線を画している要素になっているのが、シンフォニックと形容できるほどのバックの美麗なサウンドとピアノ。

 

 

特にピアノに関しては非常に美しく儚い音色がここぞというときに目立ってくるので非常に印象的。M7「Cybele」の間奏部分や、M12「Winterfell」のイントロなんかメチャクチャ美しい!特に後者は僕のツボです。Yutaさん曰く、ピアノはビル・エヴァンズや上原ひろみさんといったジャズピアニストに影響をうけているんだとか。有名な方なので僕も名前くらいは耳にしたことあるのですが、ジャズピアノなんてオスカーぐらいしか聴いたことないや・・・。

 

 

アルバム全体を通して楽曲のスタイルは完全に統一化されており(M6「Magna」というインストが挟まるのですが)、これを一本調子と感じる向きもあるかもしれませんが、1stアルバムは自分たちのアイデンティティーを表現してナンボでしょうから問題なしでしょう。収録時間は50分を切っており、かつ美しいピアノが効果的に使われて、ただへヴィなリフが流れてってるような印象を受けずに聴けるため退屈に感じることはなかったです。

 

 

個人的なベストトラックはピアノの美しさが発揮された前述の「Winterfell」と、本作中特にメロディックなサビがエモーショナルな哀感を感じさせるM4「Resonating Light (Feat. Ichika)」です。

 

 

CROSSFAITHやCRYSTAL LAKEなどに続く、日本のラウドシーンを担う可能性を秘めたバンドだと思います。メンバー皆世界進出を見据えているようですし、ぜひとも羽ばたいてほしいと思います。

 

 

しかし自分と知り合いの方が海外レーベルと契約してCDデビューし、激ロックのインタビューを受けたりするとは思いもしませんでしたね~・・・。妙に感慨深い気持ちでブックレットのスペシャルサンクス欄を見てみると、HER NAME IN BLOODやHONE YOUR SENSEのメンバーの名前に混じって、僕も個人的によくお世話になったロック系ファッションショップの店長さんの名前が記載されていてニヤリとしました・・・ってのはどうでもいいですね(笑)

 

 

M7「Cybele」 MV