ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

9mm Parabellum Bullet 『BABEL』 (2017)

9mm Parabellum Bullet 『BABEL』

先日ライヴを観たばかりオルタナティヴロックバンド・9mm Parabellum Bulletの7thアルバム。

 

前作『Waltz on Life Lineはメンバー全員が作曲に携わったためか、良く言えばバラエティに富んだ、悪く言えばやや散漫な印象のアルバムで、クアトロA面シングルすべて収録した全15曲という結構ボリューミーな作品でした。

 

それに相対するように本作は全曲作詞卓郎さん・作曲滝さんの9mmスタンダードな新曲で、かつ40分にも満たない全10曲という内容。

 

ファンには周知の通り、ギターの滝さんは昨年左腕にジストニアの疑いが持たれ、ライヴ活動の休養を余儀なくされていました。そんな状態のためうまくレコーディング作業なんか進むのだろうか・・・とちょっと憂慮していたのです。

 

しかし発売前にM4「ガラスの街のアリス」が公開されると「アレ!?結構いいんんじゃね!?」と期待が膨らみ、購入後M1「ロング・グッドバイ」の高速タッピングとブラストビートのインパクトが絶大なイントロを耳にした瞬間、今までの心配やらがすべて吹き飛びました。これは傑作。

 

インタビューでは「ダークでへヴィな楽曲で統一した」と語っていましたが、その言葉通り前作とは打って変わって楽曲のカラフルさ、振れ幅はもっとも少ないシリアスな印象。そしてすべての楽曲に9mmらしい歌謡的な哀愁がたっぷり詰め込まれているのが素晴らしい。

 

前述のM1の勢いをそのまま受け継ぐようにうねりまくるリフから疾走し、サビは強烈な哀愁を放つM2「Story of Glory」、昭和歌謡のようなダサめなメロディー、怪しげで不気味なギターフレーズと9mm要素が目白押しで、卓郎さんの独特な色気のヴォーカルが官能的な歌詞とマッチしたM3「I.C.R.A」、ド派手に舞うリードギターが9mm以外の何物でもないM4、きめ細かなギターリフとタッピングが唸り、サビになると一転して5拍子の壮大なサビが飛び出すM6「火の鳥」などファストな楽曲の衝撃は凄まじい物があります。

 

ただひたすらにうら哀しいメロディーが溢れまくるM5「眠り姫」や演歌かと思うほど泣きまくるM9「ホワイトアウト」といったスローな楽曲の出来も素晴らしい。マイナー調のメランコリックなメロディーがもうたまらん。

 

もうとにかくアルバム全編にわたってひたすら哀しさに満ちたメロディーで埋め尽くされており(ただ悲観的なだけではなくどこかポジティヴなエネルギーもあるような感じ)、個人的なツボにドはまりしております。楽曲のカラーを統一し、収録時間を短くしていることもあって曲世界に没頭することがしやすいのもいいですね。もちろん捨て曲などありません。

 

そんな本作のラストを飾るのはへヴィでスラッシーなリフが炸裂するも、終始爆走はせずにサビはアップテンポに展開、ダークで胡散臭さすら感じさせる歌メロが強烈なM10「それから」。

 

Born To love You」のような盆踊り風パートに「Vampiregirl」のような語りが組み合わさるカオスな楽曲でありながら、ラストのサビで感動的とすら言えるクライマックスに到達する何でもありな名曲です。僕の考える「9mmのアルバムの最後は名曲の法則」を順当に踏襲してくれましたね(笑)

 

腕の故障などなんのその、ギターを中心にバンドサウンドは十分アグレッシヴであり、かつ9mmらしい歌謡メロディーがあふれ出た傑作です。トラブルに見舞われようが、メジャーデビュー10周年を迎えようが未だにコンスタントに作品を発表し続け、さらに「最新作が最高傑作かも!?」と思わせてしまうバンドの確かな力を見せつけてくれました。

 

M4「ガラスの街のアリス」 MV

 

M5「眠り姫」 MV