ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

7/26 Phantom Excaliver / 「幻の聖剣」リリース記念 青春暴走ツアー in TSUTAYA O-WEST

Phantom Excaliver O-WEST

2ndアルバム『幻の聖剣』をリリースした話題の青春メタルバンド・Phantom Excaliverと、KNOTFEST 2016での素晴らしいライヴが未だに印象的な愛すべきベビーメタル野郎・THE 冠のツーマンライヴを観てきました。

 

 

ド平日ゆえ確実に間に合うか確証がなかったために前売りは買っていなかったのですが、うまく電車を乗り継げば何とかイケそうだったため、急いで渋谷へGO(車内は激混み・・・)。何とか開演の10分前に当日券を購入し会場入り。後で知りましたが当日券販売はしばらくして打ち止め、ソールドアウトとなったようです。アブネエッ。

 

 

ただ焦っていたためか、傘をそのままフロア内に持ち込んでしまいジャマくさいことこの上ない!!スーツにビジネスバッグに傘という、およそライヴに似つかわしくない格好で観るハメに

あ゛~~傘がジャマだ!!!

 

 

THE 冠

 

 

もしこのライヴがPhantom Excaliverの単独公演だったらわざわざ平日に渋谷まで来なかったかもしれません。それほど冠さんのライヴの期待値は高かった。去年のKNOTFESTではたった3曲のオープニングアクトながら、多くのオーディエンスの心を掴み会場を掌握してしまいましたからね。

 

 

聴き覚えのある荘厳なイントロからスローでへヴィなリフへとなだれ込み、野太い「オイ!オイ!」コーラスが響き渡る。一曲目からさっそくTHE 冠節炸裂の名曲「帰ってきたヘビーメタル」がスタート。冠さんの「イィィィーーーーヤァァァーーーーッッ!!!」の激熱シャウトが炸裂すれば、場内の中心にはやくもサークルピットが出現。こんな格好じゃなければサークルに混じっていたかも・・・。

 

 

やはり冠さんの歌唱力は凄まじく、音源と何ら遜色ない安定した歌声と強靭なシャウトを響かせていました。二曲目の「傷だらけのヘビーメタル」における印象的なサビである「きぃずだらぁ~~けのぉ~~ヘビィ~~メタァ~~~ル」も完璧に歌いこなしており、確かな実力を存分に見せつけられました。「哀罠メタル」の「照明さーーん!顔!!」もバッチリ。

 

 

曲間に長い語りが挿入される「エビバディ炎」ではPhantom ExcaliverのKacchangさんが現れる。数年前にTHE 冠のライヴに彼女と行き、そこで買ったTシャツを着ている旨と、大好きだった冠さんと対バンすることができて夢のようだということを語ると、冠さんとの掛け合いが始まる。

 

 

「夢だったんじゃないか?」

「夢じゃない!」

「夢だったんじゃ?」

「夢じゃない!!」

「夢じゃない~~♪あれもこれもぉ~~~~♪」

 

 

冠さんが急にB'zの「Ultra Soul」を歌いだしました(笑)。明らかにお笑いでやっているものの歌唱のクオリティーは非常に高いのがまた(笑)

 

 

ファストでへヴィーかつ非常にキャッチーなサビを持つ、僕が最も好きな「糞野郎」、KNOTFESTのラストを飾ったTHE 冠流アンセムの「初志冠徹」もプレイされた、実に濃密な1時間。正直これだけでチケット代の元が十分以上に取れてしまった素晴らしいライヴでした。

 

 

Phantom Excaliver

 

 

メインアクトのPhantom Excaliver!異彩を放ちまくるコンセプトとアピアランスは知っていましたが、ライヴを観るのは今回が初めて。

 

 

2ndアルバムのジャケットの如く背中に天使の羽を生やしたKacchangさん、人間椅子のナカジマノブさんと俳優のムロツヨシさんを足したような(?)ギターのMatsuさん、2000年代前半の青春パンク・メロコアバンドのような出で立ちのベースのだいごろうさんと、ルックスからはメタルバンドらしさが伝わってこない(笑)。唯一メタル然としていたのはドラムのトーマスさんでした(メンバー曰く「何もない」とのこと/笑)

 

 

あまりにもチープなMV(まあ過去曲もそうですが)が印象的な「幻の聖剣」でスタートしたライヴは、アルバムリリース記念ということで2ndアルバム収録曲の楽曲を多くプレイしており、当然ながら僕は未聴なのですが、Phantom Excaliverらしい青臭さ満点のポジティヴなメロディーが存分に放たれていました。まさに青春爆走の名にふさわしい!!

 

 

ただ曲の良さは十分に感じられたのですが、音圧や演奏のタイトさは先ほどのTHE 冠と比べるとだいぶ見劣りしてしまう印象かも(まあキャリアを考えれば当然かもしれませんが)。どうしてもリードギターを弾いているときに音が薄くなってしまうのがちょっと惜しかった。どうせならリズムギターが一本加わればいいのですが、脱退もなしに新しいメンバーが加わるのってファンにとってはあんまり喜ばれなさそうなので(僕もそのクチです)、4人で突っ走るのがベストなのでしょう。

 

 

MCは和気あいあいとした雰囲気の和やかなものでしたが、ところどころでKacchangさんの熱い想いが漏れ出てくる。

 

 

「メタルバンドなんてどうせ売れねえって言われたけど、そいつはもうとっくに音楽をやめてただのプータローになった。俺たちはWESTで冠さんとやって、赤坂Blitzでワンマンやるんだ」

 

 

「アルバムレコーディングしてツアーとかやったりするとバイトに入れないから、金がなくなってキツイ。だけどバンドを続けてきた。メタルって楽しいんだから」

 

 

いかに自分がメタルが、バンドが好きであるかという思いや、来てくれたオーディエンスに対する感謝の気持ちを涙ながらに話す姿には、かなりグッときましたね。ツラいことがあっても音楽の楽しさを決して忘れずひたむきに活動を続けているその姿勢は本当に素晴らしいと思いました。

 

 

ラストの「THE REBELLION」では冠さんが登場しトリプルヴォーカル体制に。途中Kacchangさんが本日2度目のステージダイブを行い、ウルトラマンの如くうつぶせで水平移動(笑)。若干ステージに上がるのに手間取っていましたが大丈夫だったのでしょうか。

 

 

こうして3時間に及ぶツーマンは終了。とにかくクオリティーの高さに圧倒されたTHE 冠、バンドへの情熱がヒシヒシと伝わったPhantom Excaliverとどちらも非常に満足のいくライヴを見せてくれました。

メタル一筋でずっと活動し続けてきたベテラン正統派メタルアーティストと、勢いに乗る若手のエクストリームメタルバンド、ジャンルや境遇は異なれどメタルにかける気持ちはまったく同じな愛すべきバンドの好演にただひたすら感謝です!