ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ALPHOENIX 『FINAL CRUSADES』 (2017)

ALPHOENIX 『FINAL CRUSADES』

2013年に解散した実力派クサメタルコアバンド・MYPROOF。

 

少し前に彼らの名盤『Metal For Silent Fury』を何気なく聴いていた時に「MYPROOFは惜しいバンドだったな~。今頃メンバー何してんのかな~」と思って、ちょっと調べてみたところ、何とヴォーカルのThorさんとShimpeiさんが新たなメタルバンドを2015年に結成していたことを今になって認識。そして今年に入ってからエクストリームメタルバンド御用達のプロデューサーである、エットレ・リゴッティの下でフルアルバムを作成・発表していたという事実を知りました。

 

それが今回紹介するALPHOENIXの1stアルバム『FINAL CRUSADES』。

 

ギターのShimpeiさんがいるのであればかつてのMYPROOFのような劇的ギターがきけるだろうし、Thorさんのヴォーカルもあるのであれば、まさにMYPROOFの再来のような音が聴けるのではないか!?と、ろくすっぽ確かめもせずタワーレコードへ直行。

 

そしてこれがアタリ!この上なくメロディアスなリードギターが冴えわたる、ギターメインのメロディックメタルコアとして素晴らしい完成度を見せてくれています!

 

公式サイトには「MYPROOFをさらにメロディック・デス寄りした」と表現されおり、実際この歌謡的なリードギターのフレーズはメロデス直下のものなのかもしれませんが、やっぱり音の質感は"メロディックデスメタル"というよりは"メタルコア"と呼んだ方がしっくりきます。

 

のっけから壮大なギターメロディーが聴けるイントロのM1「The Final Crusade」、M2「Give Me Fire」におけるカッチョイイリードギターでまずは名刺代わりの強烈な一発。

 

Thorさんの何と言っているか割と聴き取りやすい日本語詞デスヴォイスもしっかり健在で、MYPROOFの残光を感じますね。そんなヴォーカルの裏でIN FLAMESやGYZE並みに唸りをあげるギターがまたMYPROOFの姿を正しく受け継ぎ最高なのです。

 

捨て曲無しですが、特に気に入ったのはM4「Tragic Night Falls」とM8「Last Ignition」の2曲。前者は一瞬のタメから一気に慟哭のメロディーをかき鳴らすギターと共に疾駆するサビが鳥肌モノのカッコよさ。暴れながらも哀愁に涙できる、まさに珠玉のサビ!

 

後者はクリーンヴォイスが大胆に使用されたサビが特徴的な一曲(他にもクリーンが目立つ楽曲あり)。人によっては「軟弱」と受け取られそうなパートですが、個人的には全然気にならない。むしろ好きと言っていい。最後のサビ前にソフィア(元BLOOD STAIN CHINDのギリシャ人ヴォーカル)の歌声が響くスローパートが挿入されますが、ここのドラマチックさもまたポイントですね。

 

GYZE、Serenity In Murder、THOUSAND EYES、Veild in Scarletなど日本のメロディックなエクストリームメタルは今かなり活況を見せていますが、そこにまたさらなる一石を投じるバンドが現れたと言ってもいいでしょうね。ギターオリエンテッドなエクストリームメタルとして正しき姿を提示する名盤。メロディックメタルコアを好む方であれば見逃せませんよ。

 

 

 

M3 「Foreshadow」 MV

 

M4 「Tragic Night Falls」 Official Audio (オススメ!)