ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

11/19 人間椅子 / 異次元からの咆哮 ~リリース記念ワンマンツアー~ in Zepp DiverCity

人間椅子 Zepp DiveCity

先日発売されたニューアルバム『異次元からの咆哮』が過去最高位のチャート成績を記録、28年にもおよぶキャリアにおいて、今が一番人気のある時期と言っても過言ではない遅咲きの実力派ハードロックバンド・人間椅子。彼らのレコ発ワンマンツアーのファイナルである、Zepp DiverCity公演に足を運んできました。

 

 

しかしこれほどまで大衆ウケしなさそうなバンド(とはいえ歌メロは結構キャッチーで聴きやすいのですが)が50歳を超える年齢になって過去最大規模の会場であるZeppにてライヴができるようになるとは素晴らしいことですね。彼らの存在は多くの売れないバンドマンに夢と希望を与えると思います。

 

 

開場時間までアクアシティやダイバーシティ内をブラブラしつつ、17時過ぎにZepp DiverCityの入口へ。Zepp Tokyoは2回ほど行ったことはあるものの、DiverCityは初めてでした。ロビーにあたる部分が結構広く、なかなか快適なライヴハウスですね。

 

 

開演30分ほど前の状態ではフロア中央から後方にかけてだいぶ空きが目立っていたものの、直前になればそこそこの入りだったように思います。ざっとしか見てないので何とも言えませんが、恐らく7~8割は入ったのではないかと。

 

 

暗転と同時にバックのスクリーンにアルバムのジャケットにもなった弘前ねぷたがデカデカと映し出され、期待感を煽る中メンバーが登場。最初はアルバムのオープニングを飾るリードトラック「虚無の声」かと思いきや、「超自然現象」というのがちょっと意外でしたが、アップテンポで勢いのあるハードナンバーでライヴの幕開けにはピッタリ。

 

来ーる (来ーる)

ミーラ (ミーラ)

クール (クール)

パッワァーーーーー!!!!

 

これのインパクトは絶大だと思うの(笑)。和嶋さんのキレのあるギターソロもバッチリ炸裂し一気に引きこまれました。

 

 

見た目も音楽も不気味で恐ろしいバンドですが、バンドイメージに反してMCはとってもユルくてフレンドリー。和嶋さんの割とテキパキした喋り、鈴木さんのマイペースすぎる訛りのきいた喋りによる、長年連れ添った親友通し褒め合いつつ慣れ合う姿は何だか微笑ましい(笑)。会場からも終始笑いが巻き起こっていましたね。一番のお喋りであるはずのナカジマさんは基本的にはMC中に割ってくることはないのですが、今回は合間に「アニキーーーッ!!」と観客から呼びかけられ、急遽「イェーーーイッ!!」と応えてくれました(ホントはここで喋る予定はなかったそう)

 

 

しかし曲に入ると一気に会場の空気が変わる。バックスクリーンに曲のイメージを模した映像が浮かぶ中リードトラックの「虚無の声」が演奏される。曲の魅力と演出がマッチングし、会場中が人間椅子のおどろおどろしく怪しい世界観に浸食されていくよう。3ピースとは思えない重厚なバンドサウンドも相まってオーディエンスを魅了していきました。

 

 

鈴木さんが「テルミンや様々なギターの奏法が飛び出す」と和嶋さんのハードルを上げるMCを直前に行うも、そのハードルを越える見事な演奏を披露した「宇宙のシンフォニー」、新作の中でも僕が特に好きな、ストレートなハードロックチューン「太陽がいっぱい」、アルバムのラストナンバーである、派手さはないものの荘厳な雰囲気を醸し出す「異端者の悲しみ」の3連発が前半のハイライトでした。

 

 

さすがに28年のキャリアは伊達ではなく、どれだけライヴが進んでも歌唱・演奏共に乱れが少なく音源通りの世界観を演出するライヴ力みたいなものは圧巻。「悪夢の添乗員」でのナカジマさんなんて、あれだけエネルギッシュにドラムを叩いているのに、明朗で力強い見事なヴォーカルを披露。和嶋さんはステージを端から端まで動き回りの飛び回りで、それであのブレない演奏力。とても50過ぎのバンドとは思えません。

 

 

ラストの定番曲「針の山」ももちろんカッコよかったのですが、個人的にはそれ以上にアンコール後の「地獄のヘビーライダー」に大興奮。サークルピットが発生してもおかしくない(もちろん実際には発生してませんが)ほど頭一つ抜きん出てアグレッシヴで、わかりやすいシンガロングパートもあるこの曲は盛り上がらない訳なし!オーディエンスの反応もひと際大きかったように思います。

ぶっとばせぃ!ぶっとばせぃ!!ぶっとばせぃ!!!

 

 

ダブルアンコール後は後期人間椅子の代表曲と言っても過言ではない名曲「なまはげ」。この曲は何といっても後半のギターソロでしょう!急な転調で緊張感が一気に張り詰める、研ぎ澄まされた文句なしにカッコイイソロ!これを生で聴くことがこの日一番の目的でしたがタップリ堪能できました。満足満足。

 

 

ライヴがいいとは聞いてましたけど、ちょっと予想以上でした。ベテランならではの洗練された演奏に、ベテランとは思えないほどエネルギッシュな楽曲とパフォーマンスが組み合わさった充実のステージ。これは何度でも観たくなりますね。今年観たライヴの中ではかなり上位かも。

 

 

しかMCで本人たちが言ってましたが、こんだけ長く続けていても音楽性が一切ブレていないんですよね。1stからの曲もちょいちょい挟みましたが、今の曲と雰囲気が全然変わってない。ドラマーの脱退こそあれど、活動休止も解散もせずにここまでしぶとく、変わらずに生き残り、ここ数年で一気に人気を伸ばしたこのバンドはもっとリスペクトされていいと思います。