去年元メンバーの明徳さんがマリファナで逮捕されるという事件が起きつつも、あまり時間をかけすぎることなく復活。6曲入りミニアルバム『SINNERS-EP』のリリースとそれに伴うツアーを挟んだのち、すぐさまリリースされたニューシングルです。
このバンドは音源のリリースペースが速いですね。1年に1枚以上シングルなりアルバムなりバンバン出していますし、それでいて楽曲のクオリティーの低下は見られないのが何とも頼もしいです。
本作は全3曲とボリュームはかなり少な目。まあシングルなんてどれもそんなもんですが、アルバムに慣れ親しんでいる者としてはどうしてもそう感じちゃいますよね。しかもM3「THE WHIRL」は既発曲のリレコーディングトラック。純粋な新曲はたった2曲しかありません。バンド側としては日比谷野外大音楽堂のライヴが収録された、ブルーレイ付属の生産限定盤を買っていただくことを前提とした作品作りをしていたそうですが、金のない身としてはシングルに5~6000円の出費はキツかった・・・(泣)
しかしいざ聴いてみると、ボリューム不足による不満などをほとんど感じることが無かったのです。それほど新曲2曲の出来が良い!
M1「BLØOD」は彼らにしては珍しいであろう全英語詞。初っ端からシャウトとアグレッシヴなドラムが炸裂し、シンガロングを設けながら荒々しく駆け抜け、サビは非常にメロディアスな旋律をクリーンで歌い上げる、lynch.の十八番とも言える楽曲。葉月さんはシャウトもクリーンも実にいい声で個人的に大好きなヴォーカリストですが、そんな彼のヴォーカルパフォーマンスを全編にわたって堪能できますね。従来通りド派手なソロなどは無いものの、へヴィでタイトな演奏もエッジが効いててカッコイイ。
M2「CREATURE」は、怪しげなムードをプンプン放つ早口ヴォーカルから、これまたlynch.らしさ満点のシンガロングとシャウトの交錯パートへ。V系出身である強みを活かした毒のあるドロドロした雰囲気と、しなやかな美しさを兼ね備えたサビが「BLØOD」に負けず劣らず素晴らしい。官能的とも言える色気を放つ葉月さんのクリーンは本当にこういう曲に合いますね。
上記2曲のインパクトが強いがために、「THE WHIRL」の印象がやや薄くなってしまっている感がありますが(笑)この曲ももちろん良い曲です。ただやっぱり他の2曲と比較するとちょっと地味かな・・・。
前作『SINNERS-EP』でメンバーが脱退してしまっても、クオリティーの高い作品を生み出せることは証明してくれましたが、ここにきてまた強烈なモノをかましてくれましたね~。気が早いですが次なるフルアルバムが楽しみになってきております。リリースペースが速い彼らのこと、来年にまた何か出してくれそうなので(多分)今後も注目していきたいですね。
M2 「CREATURE」 MV
本作のトレーラー
やっぱ限定盤買っときゃよかったかなぁ~・・・