イギリスのテクニカルメロデスバンドの3rdアルバム。
デビュー作がマニアックなリスナーの間で話題となり、来日公演も果たしたことのあるバンドなのですが、僕は最近まで存在を知りませんでした。
キッカケはディスクユニオンのストアプレイ。M3「Survival Evolved」のインパクト抜群のメロディックなギターフレーズを聴き、これは良さげだぞ！とその場で購入を決意しました。
基本的にはデスコアにも通じるような無機質なヘヴィさ、タイトさを見せつける暴虐なデスメタルで、昔のデスメタルのような軽さ、アングラ臭はほぼ皆無。近代エクストリームメタルを地で行く音作りを見せています。ヴォーカルのグロウルや異常なまでの突進力と機械的な正確さを披露するドラムが特に攻撃力大。
これだけならよくある今風デス系バンドなのですが、彼らはそこにまるでARCH ENEMYが如きメロディックなリードギターを大胆にブチ込んでおり、そこが大きなセールスポイントとなっています(実際ARCH ENEMYに在籍するジェフ・ルーミスがゲストで弾いているようです)。
前述のM3は明朗さすら感じさせるほどのリードフレーズが無機質なテクニカルデスと合体、この手のバンドとしては異常なほどに、一聴してメロディー派の興味を引く楽曲。その他の楽曲もブルータリティー全開ながら、要所要所でバリバリにテクニカルな速弾きと叙情性を含んだリードフレーズを奏でるギターが大活躍。
しかしいくらメロディアスなフレーズを取り入れようとも、楽曲の骨格はあくまでMESHUGGAH辺りの雰囲気を感じるほど冷酷・無慈悲・無機質・モダンなデスメタルで、基本的にそういったデス系アーティストをあんまり得意としていない僕としては、ちょっと楽曲に人間味が足りなすぎるきらいがあるかな・・・。
またリードギターについても確かに充分メロディアスで叙情性はあるのですが、それこそARCH ENEMYやGYZEみたいに、「リードギターが活躍しまくる近代メロデス」と聞いてイメージするようなバンドほど泣きに泣きまくっているクサメロというほどではないかと思います。
そう考えると古典的なヘヴィメタルの要素と近代エクストリームメタルを違和感なく融合させ、さらに強烈なエモーションを感じさせるギターフレーズをバンバン生み出すARCH ENEMY(マイケル・アモットと言うべきでしょうか)ってやっぱりすごいセンスなんだなぁ～と。
まあこのバンドの楽曲も充分楽しめるんですけどね。前述のM3以外だと、眼前に迫ってくるような性急な疾走感と、特に叙情的なリードフレーズが同時に楽しめるM10「Reanimated」が特に気に入りました。
あと一つ気になるのが最後の曲のタイトル。CDの裏ジャケや取り込んだ時のiTunes、The Metal Archivesに記載されている曲目では「Reanimated」なのですが、ブックレット内での記載や、このバンドのYouTubeアカウントにあるリリックビデオにおけるタイトルは「Reanimation」になっています。
...どっちが正しいの・・・？
M3「Survival Evolved」 Official Lyric Video (オススメ！)
M10「Reanimated」 Official Lyric Video
一応この記事中ではiTunesと裏ジャケに倣って「Reanimated」表記にしてますが、動画タイトルは「Reanimation」なんですよね・・・。
どっちでもいいや(笑)
