ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/20 ARCH ENEMY JAPAN TOUR 2018 at EX THEATER ROPPONGI

ARCH ENEMY JAPAN TOUR 2018

もはや説明不要のメロディックデスメタルの大本命・ARCH ENEMYの来日公演に足を運んできました。

 

このバンドに関しては間違いなく今後も来日するでしょうし、BLACK EARTHも含めれば4回くらい観ているので、今回はパスしてもいいかな~なんて思っていたのですが、単独公演を観たのは3年前の1回こっきりで、今回の会場はまだ一度も行ったことのない所であるというのもあって、急きょ当日券で会場入り。

 

開演10分ほど前に会場であるEX THEATER ROPPONGIに到着したのですが、その設備の綺麗さ、大きさにちょっと感激。TOKYO DOME CITY HALLにも引けを取らない充実の環境で非常によいハコでしたね。六本木という立地も含め、ライヴハウス=薄暗くて汚いアングラスポットというイメージにはまったく不似合いな(まあそんな会場は他にもゴロゴロあるけど)快適空間。スタンディングフロアまで降りるのが若干面倒ではありますが・・・

 

おなじみのARCH ENEMYのマークが標されたフラッグが立てられたステージを前に、上手側後方に陣取る。モッシュなしのエクストリームメタルはちょっと物足りないもののスーツ姿じゃしょうがない。

 

開演まで10分をきった状況でありながら後方にはかなりの空きがあったのですが、直前になると次々と人が入ってきて、最終的にはそこそこの客入りになっていました。ド平日でしかも2日公演であることを考えればかなりの健闘と言えるのではないでしょうか。

 

国内盤ではボーナストラック前のアウトロ、輸入盤ではイントロである「Set Flame To The Night」がオープニングSE。うん、やっぱりこの曲は完全にオープニング向きだな。なんで国内盤曲順変えたんだろ?

 

ライヴは最新作のリードトラック「The World Is Yours」からスタート。サビ裏で大胆に鳴り響くリードギターはやっぱり良いですね!アリッサのヴォーカルも十分凶悪で、基本的にギターが魅力を担うこのバンドの演奏にあって、存在感をしっかりと発揮していました。

歌声だけでなくパフォーマンスも注目を集めるもので、毛先が紫がかったおなじみブルーの長髪を扇風機がごとくブン回すヘドバンももちろん強烈ですし、まるでハードコアのパンクスの鋲ジャンのような(ちょっと違うけど)刺々しい衣装もインパクト大。

 

そして最序盤でありながら、ライヴの定番であり代表的な名曲でもある「Ravenous」が投下。フロア前方ではここぞとばかりにモッシュピットが発生しており、早速第一のハイライトが生まれた印象です。

 

この時点で僕はこのバンドの圧倒的なライヴ力の高さをビシビシと肌で感じていたのですが、それはもちろんバンド本来の実力は前提として、音響がとっても良かったのもあるのかなと感じました。

 

最大の魅力であるギターはゴチャゴチャしたりダンゴになったりせず、マイケル、ジェフともにしっかりと別れて聴こえることで流麗なツインギターを存分に堪能できたし、アリッサの迫力のあるグロウルもバッチリ、低音が効いたリズム隊の音圧も強く、ツインリードでリフが無くなったときも音の薄さを感じませんでした。バンドの地力を最大限発揮できる理想的な音響だったと思います。

 

バンドのパフォーマンスも実力派バンドにふさわしい堂々たるもので(ベースのシャーリー・ダンジェロなんかは大柄な体躯も含めて)、貫録めいたものまで感じました。

中でもギターのジェフ・ルーミス。彼のギタープレイはまさに「一糸乱れぬ」という言葉にピッタリな高速シュレッドソロを連発。そのメタルバンド然としたただずまいと相まって非常にカッコいい。僕が上手側だったこともありますが、彼のバカテク振りに見入ってしまいました。

 

最新作『Will To Power』のツアーということでセットリストはそのアルバムからの選曲が多い・・・のですが、それと同じくらいかそれ以上なくらいに前作『War Eternal』からの楽曲が目立っていましたね。前回のツアーでも聴けたような曲が多く、せっかく新しいアルバムが出たのだから、そこからのキラーチューンも多めに配してほしかったなあ。

とはいえ楽曲のクオリティーは折り紙付きなので、聴いている最中は不満なんかないんですけどね。特に「You Will Know My Name」、「As The Pages Burn」は大好きな曲なのでアガりました。リードギターの聴き取りやすい好音響なため楽曲の魅力がより輝くというもの。

 

後半になると鋲付きジャケットを脱いでタンクトップ姿になったアリッサが、大きなフラッグを手にしてオーディエンスに対し大きく振り回す。ただ布自体はなかなかの大きさなものの、持ち手の部分がえらく短いがためになんだか妙に小ぢんまりした印象を受けてしまったため、ちょいと迫力不足だった感が無きにしも非ず(笑)

 

いつかは生で聴いてみたいと思っていた超キラー「Dead Eyes See No Future」、アリッサの説得力あるクリーンヴォイスがじっくりと響き渡る異色のスローチューン「Reason To Believe」の2曲が個人的ハイライトでした。

前者はサビになるとアリッサが「Singing!」と煽ってくるのですが、立派なデスヴォイスを出せる声帯を持ち合わせていない僕は、か細いガラガラ声で「ズィーノ゛ーブューヂャァ~~~・・・!!」と絞り出すのが精一杯でした・・・。

 

ラストはまたもや『War Eternal』からの「Avalanche」、クリーントーンによるジェフの小洒落たギターソロパートを挟み、最後の最後はもちろん大名曲「Nemesis」。マイケル・アモットの強烈なまでにワンワン泣きまくるギターはやっぱり格別であると再認識しました。前方フロアのモッシュもひと際激しさを増しており、この曲の人気度の高さを実感。

あ~あ・・・スーツなんか来てなけりゃ僕も飛び込んだというのに・・・。

 

正味90分程度のライヴでしたが、CD音源そのまま流しているかのような演奏、クリーン・デス共に素晴らしい声を響かせたアリッサのヴォーカル、そして音響の良さも相まって堪能できた咽び泣くギターメロディー、すべてが高クオリティーな充実のライヴでした。欲を言えば最新作の楽曲をもうちょっと聴きたかったのですが、それはまあ今後に期待かな?ついでに僕が一番好きな「Enemy Within」もやってくれい。

 

あとヨハン・リーヴァ時代の曲はやってくれませんでしたが、そこはもうBLACK EARTHでやる!って割り切っちゃってるんですかね?

僕は別に「ARCH ENEMYはヨハン期が最強!」と言うつもりはありませんが、ARCH ENEMY本隊でもうほとんどやられなくなっちゃうのはちょっと寂しい気がしますね・・・。