ドイツにはノイエ・ドイチェ・ヘァテ(NDH)なる音楽形態があるそうな。
詳しいことはわかりませんが、ほぼすべて母国語のドイツ語で歌われるインダストリアル的な質感を持ったロックサウンドとのことで、一番有名なのはRAMMSTEINなのかなぁと。何となくではありますが、あまり日本では注目されているような感じはなかったりします。
このアルバムで日本デビューを飾ったHÄMATOMもこのスタイルを踏襲するバンドで、僕は最近まで全然知りませんでしたが、すでに母国では着実に人気と知名度を高めているバンドなのだとか。
サウンドはやや無機質目な印象を与えるインダストリアルメタル/ヘヴィロックで、ねちっこ~い低音ドイツ語ヴォーカルも含めて、RAMMSTEINにかなり近いものを持っています。正統派好きなメタルファンにはちょっとハードルの高い・・・というか好みに合わないような感じではあります。
しかし!このバンドには特筆すべきセールスポイントがあるのです!
それが非常に覚えやすい、耳なじみのよいキャッチーな歌メロ!
一歩間違えれば少しタルい(あくまで日本人の感覚にしては)楽曲になってしまうところなのですが、そこに聴けば一発で覚えられるほどにキャッチーな、時にポップさすら感じられるメロディーがしっかりと息づいており、勢いのあるへヴィサウンドと合わせて聴きやすくもカッコいいサウンドに仕上がっています。時折飛び出すメロディー重視のギターソロも分かりやすいカッコよさに拍車をかけておりいい感じ。
まあ中にはややメロディーが弱くタルめな楽曲もあるにはあるのですが、この誤解を恐れずに言えばJ-ROCK並みにキャッチーである歌メロは非常に聴きやすい。
また全編ドイツ語ではあるものの、誰しも発音しやすい簡単なシンガロングパートも設けられていて、ライヴでの盛り上がりが期待できるのもポイント。へヴィで勢いのあるロック・メタルの曲において、みんなで歌いやすいってかなり大事な要素だと思います。
大学時代ドイツ語の講義を習っていたものの、今となっては何とな~くの読み方しか覚えておらず、語彙力皆無の僕がすぐに口ずさめちゃうのだから間違いない(笑)
M1「Zeit Für Neue Hymnen」から早速キャッチーなサビでお出迎え。ヴォーカリスト・ノルトの低音でアクの強い歌声はやや好き嫌いが分かれるかもしれませんが、曲にはマッチしているのではないでしょうか。RAMMSTEINのティルだってクセのあるヴォーカルですしね。個人的には気になりませんでした。
ただバラードナンバーになると、このムサイ男らしい声はややミスマッチ感があるようにも・・・?
前述したように本作は冷徹なヘヴィサウンドでありながら非常に聴きやすいメロディアスさが魅力的で、M10「Unter Strom」のウォ~オオ~言うキャッチーなコーラスはいかにもライヴ映えしそうだし、M11「Bis Zum Letzten Atemzug」はこんなヴォーカルなのに(笑)爽やかなポップさすら感じるほど。
そして何と言っても一緒に歌いたくなるようなパートの存在。
M2「Mein Leben - Meine Regeln」の「マイリーベン!マイネリーゲン!」
M12「Wehleidige Monster」の「ヴィーライディーゲモンスターーッ!!ハウッ!ハウッ!!ハウッ!!!」
曲名をただ叫ぶだけのとっても簡単なシンガロングなので思わずマネしたくなっちゃうこと請け合いです(笑)
そしてその歌いやすいキャッチーさを武器とするHÄMATOMスタイルの究極系ともいえるのがM7「Lange Nicht Perfekt」。
終始ノリのいいリズムでアップテンポに駆け抜け、一度聴いたらすぐに覚えられる、どキャッチー極まりないサビで大合唱!!
「ランゲッニヒッ!ランゲッニヒッ!!ランゲッニヒッパーッフェクッッ!!!」
これはライヴで盛り上がりたいなあ~。すぐに来日!というのは難しくても、本国では人気を博しているようなのでいつかは観てみたいものです。
サウンドこそRAMMSTEINフォロワーで必ずしも日本人好みという訳ではないかもですが、聴きやすく楽しいメロディーはかなり即効性があるので、キャッチーなサウンドを好む人は「メタルは正統派じゃなきゃヤダ!!」っていうオッサンメタラーでなければ(笑)試してみる価値あり!
M1 「Zeit Für Neue Hymnen」 MV
M7 「Lange Nicht Perfekt」 MV
メンバーのルックスもインパクトあるし、ライヴで観れば日本でも注目度上がるかも・・・?来日した暁にはみんなで一緒に歌いましょう。
ランゲッニヒッ!
ランゲッニヒッ!!
ランゲッニヒッパーッフェクッッ!!!