ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

4/4 The Poodles Japan Tour 2018 ~Melodic Power Metal Night Vol.23~ at 渋谷 CLUB QUATTRO

The Poodles 渋谷

母国スウェーデンのチャートにて1位を記録した実績を持つメロディアスハードロックバンド・The Poodlesの初来日公演に行ってきました。

 

この週の月曜にはSabaton & Amon Amarthとい豪華なツーマンがありそちらも観に行きたかったのですが、社会人2年目の人間がフェス2日間行った後、間髪入れず外タレライヴ週2日というのはさすがに厳しいということで、初めて観るこちらを選択。

 

今の常駐先は都内の主要なライヴハウスがある地へのアクセスがどうにもイマイチなため、定時を過ぎてさほど経っていない内に会社を出ても会場に入れたのは開演まで10分を切っていました。人が多過ぎて移動に時間がかかったというのもありますが。

 

社会人的に厳しい日程ながら客入りはまあまあ悪くなく、6~7割程度は入っていたのでは。ザッと見た感じ40代くらいの方がメインで、僕が一番若いのではないかと思うほどでした・・・

 

ご存知の方も多いでしょうが、この渋谷CLUB QUATTROというハコ、小洒落た雰囲気は悪くないものの、スタンディングフロアのとんでもなくジャマな位置に大きな柱が立っており、左後ろの方に陣取ればステージが完全に柱の影に隠れるというトンデモ仕様な構造なのです。そのため視界が遮られやすい場所には割と大き目なスペースがあり、余裕で入ることができました。そこから何とかステージの80%くらいまで見えるよう位置調節。

 

開演時間をちょっとすぎたあたりでメンバーが登場。今回のツアーでは正規のギタリストであるヘンリックが不参加で、代役としてDANGER DANGERのロブ・マルセロがプレイすることに。公式のコメントには"人生には紆余曲折ありますが、ギターのHENRICKが来年、メキシコの熱帯雨林へと旅立ちます。"とあります。

( ゚д゚)ドウイウコトナノ?

 

まあそれはさておき(笑)肝心のライヴですが、結論から言うととても良かったです。メンバーのルックス・プレイには華がある堂々としたものだし、フロントマンであり軍服みたいな衣装をキメたヤコブ・サミュエルのマイクスタンドを用いたアクションはハードロック・バンドマンのお手本のようなスタイル。マイクスタンドを担いでクルクル回ったりもしていたのですが、狭いステージ故、ドラムセットやメンバーに当たらないかちょっとヒヤヒヤしましたが。

 

またこのライヴ中何度か衣装替えをしていたのですが、真っ赤なジャケットだったり、どこぞのスターのようなヒラヒラのついた上着ヒョウ柄シャツだったりと、見た目もロックスター感バリバリ。フロントマンとしての存在感はバッチリでしたね。

 

歌唱についても最初はちょっと伸びが悪いかな?と思ったものの(何となくWARPED TOURのZebraheadを思い出しました。)、その後は問題なく歌っていたように思います。

 

代役となったロブ・マルセロは基本的には持ち場を離れず落ち着いたプレイに徹していましたが(下手側の立ち位置だったため、柱が邪魔でなかなか見えず・・・)、テクニカルな速弾きソロを披露する場面ではステージ中央に陣取り、テクニックをいかんなく披露。バンドのイケメン担当のベーシスト、ジャメイン・レスはプレイ自体はそこまで前面に出たものではないものの、その堂々としたパフォーマンスっぷりとそのルックスで存分にバンドに華を添える。基本的には力強い堅実でタイトなプレイをしているものの、ときおりおどけた表情を浮かべたり、スティックで鼻クソを飛ばすマネをしたりするなどコミカルさも見え隠れするドラムのクリスチャン・ルドクヴィストも面白い。

 

ヤコブは積極的にロブ、ジャメインの二人と肩を組むなど絡みにいって非常に楽しそう。ひたすらストイックなまでのライヴも素晴らしいですが、こういったフレンドリーな側面を見せてくれるのもまたいいもんですね。

 

そしてやっぱり曲が抜群にいいんですこのバンドは。派手さこそ無いけれど"THE メロハー"と言い切れるほど芳醇なキャッチーさに満ちた楽曲は心に染み入ります・・・。代表曲の一つである「I Rule The Night」、サビのキャッチーさが特に強烈な「Cuts Like A Knife」などの人気曲はひと際盛り上がる。このバンドはやはりサビが魅力的ですね。どんな曲でも「ハイ!ここからサビですよ!」と言わんばかりにわかりやすいポイントがあるためノリやすいんですよね。

 

曲が良くてパフォーマンスも良いなら良いライヴになる決まっている。一曲中必ず一回は要求されると言ってもいいくらいハンズクラップを要求されたため若干手が疲れましたが(笑)、その疲れを充分に補ってくれるほど曲に没頭できました。

 

そんなナイスな楽曲をひとしきり終えた後、ヤコブが「その素晴らしい旗を見せてやってくれないか」と最前列にいた方が自作したと思われる旗(最前の柵でよく見る、横断幕みたいに取り付けられたアレね)を若干ほどくのに手間取りつつ受け取り、オーディエンスに開いてみせてくれました。「WELCOME TO JAPAN」と大きく記載され、日の丸とThe Poodlesのロゴがあしらわれた立派なもので観客から歓声が沸く。旗を返した後、作ってくれたファン(マドカさんというらしい)に対し深々と頭を下げて感謝の念を表していました。

 

ああいうの見るたび毎回思うのですが、皆さんあんな立派なものどうやって作ってるんですかね?完全に自作なのか、それとも何かの業者さんやら、この手のデザイン系の会社やらに頼んでるのでしょうか。でもこういうのって愛が無いとやれないでしょうから、やっぱり自作なのかなあ。

 

その後のライヴ中盤にドラマーのクリスチャンをイジって退場させた後(スティックを投げ出してハケていきましたが、ヤコブは「後で戻ってくるから心配しないで」とオーディエンスに呼び掛けてました)、少しの間アコースティックセッション。

 

そしてこのアコースティックがまた絶品で、ヤコブの歌声と彼らのグッドメロディーが素朴なサウンドに影響され非常に切なく、かつ美しく響く。こういうちょっと特別な演出ってあまり長くやるとダレちゃうものですが、この素晴らしき音ならずっと聴いていたい。これもやはり曲の良さのおかげか。

 

キングスマン : ゴールデン・サークル』での勇姿(?)が未だに脳裏に焼き付いてる、エルトン・ジョンの名曲「Goodbye Yellow Brick Road」も原曲が素晴らしいということもあって心地よく聴けました。

 

サビで大きくシンガロングできる本編ラストの「Like No Tomorrow」、これまたサビの終わりの"Give it up, Give it up!"のシンガロングパートが印象的なオーラスの「Seven Seas」では、少し長めのコール&レスポンスが展開される。難しい英単語を叫ばせるのではなく、Wow! Wow!言えば良いだけの簡単なものなので日本人にも優しいのですが、音階が一つ高くなると野郎にはちょっと厳しく、混声合唱みたくなってましたね(笑)

 

約90分の初来日ライヴはこうして終了。メロディアスハードのバンドのワンマンに行くのって個人的にはかなり珍しい・・・というか初めてだと思うのですが、良質な楽曲をバンバン聴けて非常に楽しかったです。母国のトップに立つのも納得のレベルのメジャー感に満ちた素晴らしいライヴパフォーマンスでした。