ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

THE CROWN 『Cobra Speed Venom』 (2018)

THE CROWN 『Cobra Speed Venom』

北欧のエクストリームメタル大国・スウェーデン出身の「デス&ロール」というスタイルを武器としたデスラッシュバンド。改名・解散を経験しながらも、こうしてまた新たなアルバムが届けられました。

 

「彼らの作品の中でこれだけはおさえておくべき!という代表作は?」

「まずTHE CROWNに触れる際にはこの一枚!と言えるアルバムは?」

 

上記のような問いを投げかければ、恐らくほぼ全ての人は2000年に発表されたデスラッシュ界世紀の大名盤『Deathrace King』の名を挙げると思います。

 

全エクストリームメタラーを蹂躙せしめんとする暴虐性を持ちながら、あれだけ聴きやすいキャッチーさ、ノリの良さを感じさせる痛快作なのですから、あのアルバムが最も推されるのも納得です。僕も先ほどのような質問をされれば「とりあえずコレ聴け!」と言うでしょう。

 

そしてそれから18年の時を経て生まれた『Cobra Speed Venom』、これぞまさしく『Deathrace King』で完成形を見た、THE CROWN流デスラッシュを正しく継承する強烈な快作です。

 

人の好みなんてものは千差万別であるということは重々承知の上ですが、それでもデスラッシュという音楽ジャンルにおいて「速い曲より遅い曲の方が期待できる」という人は極めて希だと思います。僕もこの手のバンドの曲なら暴力的なまでの疾走感に酔いしれたい。

そんな人の欲求を満たしてくれるのが『Deathrace King』であり、そして本作『Cobra Speed Venom』。

 

そう、兎にも角にも疾走曲がカッコよすぎるのです!!!

 

不穏なイントロから爆走するM1「Destroyed By Madness」既にキレ気味に飛ばしていますが、圧巻なのはM2「Iron Crown」、M3「In The Name Of Death」の2曲でしょう。

ヤケクソなまでの疾走感と切れ味バツグンのギターリフ、凶暴という言葉すら生ぬるいデス声ヴォーカルが一体となって襲いかかってくる。その殺傷能力の高さに加え、デス&ロール由来のキャッチーさ、ノリの良さが携わっているため爽快感マシマシ。猛烈なスピードはそのままに唸りを上げるメロディアスなソロもたまらん!

 

タイトルトラックのM5「Cobra Speed Venom」がこれまたダークなアングラ臭と低音デスヴォイスと共に爆走しまくる危険な名曲。

サビにおける「コブラスピィィィ~~~……ヴェノーーム!!!」の叫びが熱すぎる。

 

国内盤ラストを飾るM13「Ride The Fire」は本作中最高レベルにメロディアスなギターが飛び出す、死ぬほどカッコいい疾走ナンバー。メロディアスとはいえライヴで映えそうなシンガロング、鼓膜を突き破るほどのリフはバッチリで攻撃力が損なわれていないのが素晴らしいとしか言えん!!

 

このように疾走曲は震え上がるほどカッコいいのですが、スピードを抑えたミドル~アップテンポチューンはやや決定打に欠けるかも。リフとか結構練られているので充分良い曲ではあるのですが、やはり疾走曲のインパクトが尋常じゃないだけに相対的に聴き劣りしてしまう印象が。

 

直近の同系列作品として、アルバム全般において慟哭のメロディーを振りまいたTHOUSAND EYESの『DAY OF SALVATION』があり、音楽的な完成度の高さはそちらが上ですが、キラーチューンにおけるパンチの強さ、凶暴性は本作に軍配が上がると思います。

 

デスラッシュの王と救世主、彼らの2作品で今年のデス系作品は充分なのでは!?と感じるほどの満足度でした。カッコいい疾走エクストリームメタルが聴きたければこれを聴け!な1枚。

先述の通りボートラのM13がえげつないほどカッコいい名曲なので国内盤をぜひ。

 

M2「Iron Crown」 MV (激プッシュ!!)

 

M5「Cobra Speed Venom」 MV