ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

5/5 VIVA LA ROCK 2018 Day 3 at さいたまスーパーアリーナ

LOUD PARKでお馴染みのさいたまスーパーアリーナにて毎年開催される大規模フェス、VIVA LA ROCKの3日目に行ってきました。

 

このフェスは毎年ROCKIN’ ON JAPANがプッシュしているオルタナティヴロック系統のバンドがメインなため、個人的な好みとはちょっと外れるフェスでした。

 

しかし今年はラインナップを見て貰えばわかるように、何故か3日目のみ異様にパンク・ラウド色が濃くゴールデンウィークの思い出にと、この日のみチケットを購入。欲を言えば初日のsumika、2日目の9mm Parabellum Bullet、翌日のVIVA LA POPのBiSHがこの日にいれば文句なしのメンツだったのですが、まあそんなに観たいバンドが集中すると休憩時間がなくなっちゃいますね。

 

10時頃にさいたま新都心に到着すると、このフェスのイメージキャラクターである"さいたまん"のゲートがお出迎え。

 

VIVA LA ROCK 1

 

そしてけやきひろばにはグッズ販売や、「キッチンビバラ」と呼ばれるフードコーナーがたくさん並ぶ。アーティスト公式グッズには長蛇の列。もうこの時点で同会場のLOUD PARKとは比較にならない程のフェス規模と人の数。

 

盛況なのは良いことですし、このお祭り騒ぎ感はいるだけでなかなか楽しめるものなのですが、さすがにちょっと人が多過ぎで、クロークに荷物を預けてAゲートから入場するだけで20分ほど時間がかかり、会場内は朝の通勤ラッシュ時の駅構内かと思うほどの人混みでごった返す。

 

そのせいで導線が急遽変更され、下のKINGDOM STAGE...じゃなかった、VIVA STAGEへ降りるために一度400レベルまで階段を上がってから別口で出るハメに…。開演時間の10時半には当然間に合わず、15分遅れてしまいました。

 

 

四星球

 

じいちゃんの形見と同じ名前のコミックバンド。名前は耳にしていたものの曲をちゃんと聴くのは初めてで、僕がVIVA STAGEに到着した頃には何故か「Y.M.C.A」を歌っていました。

 

このバンドはライヴ中にメンバーが作った段ボール製の小道具を用いているようで、何となくもう中学生を思い出す(もう中さんは段ボール製ではないかもですが)

 

今回用意されていたのはアンパンマンのキャラクター型プラカード(?)なのですが...

 

すでに食べられて顔が欠けているアンパンマン

こちらも食べられたせいで顔面が上下真っ二つになったしょくぱんまん

なぜかこいつだけ一切食べられていない無傷のカレーパンマン

カレーパンマンの代わりに食われたカバオくん

虫に食われたかのように顔面に穴が開いたジャムおじさん

 

...こんな感じでかなりご無体なもの(笑)

しかも「VIVA LA ROCKでジャムとか言うな」という素晴らしいツッコミが入る(笑)

 

そしてそのアンパンマンプラカードを観客に持たせ、一緒にフロアをひた走るという普通の音楽ライヴじゃまず見られない光景には笑わせてもらいました。フェスの一発目にこういう進んで笑いのネタを提供してくれるバンドが出てくれるのは良いですね。

 

あとカレーパンマンの首がモゲそうになってた。

 

 

THE BACK HORN

 

四星球が終わった後は多くの人が退場。恐らくStar StageのSiM目当てだと思われますが、この人の多さで移動がスムーズにいくわけがなく通路はパンパン、前方へ行くにはしばし待たなくてはならない状況でした。これは移動時間を考えないとなー。

 

移動が完了する頃には何とかVIVA STAGEには余裕ができ、かなり前方へ寄ることができました。

 

ミニアルバム『情景泥棒』をリリースして間もないため「Running Away」からのスタートかと思いきや、「」「」というキラーチューン二連打でスタート!これは滾る。当然オーディエンスはモッシュにダイヴに大合唱。やはりこの男臭い哀愁を携えた硬質なロックこそ彼らの魅力です。

 

ただギターが一本で、同期音源やサポートギターを使っているわけでもないためか、拍子抜けするほど音量というか音圧は控えめ。どこかモッサリした印象を受ける栄純さんのギターサウンドは元からあまり好みではないこともあり、音の迫力はイマイチに感じました。これがクリーントーンばっかりのソフトなオルタナバンドであれば気にならないのですが、彼らのように荒々しさを武器とするバンドの音だとこれで良いのかちょっと疑問。

 

「俺らは盛り上がる曲だけじゃないから、短い時間だけど色々やるよ!」と松田さんのMCがありましたが、個人的には短い時間だからこそアグレッシヴな曲で固めて欲しかったりする(笑)

まあ渋いバラードもそれはそれで彼らのメロディーセンスが活きるので楽しめるのですが。特に「冬のミルク」はいいね。

 

彼らの代表曲であり、熱いメロディーと歌詞が心を震わす名曲「コバルトブルー」、ポップなメロディーと爆発力のあるサビが魅力の「シンフォニア」で締めてくれたのは良かったですね。初っ端から思う存分モッシュに勤しむことができました。

 

 

BRAHMAN

 

当初の予定では軽く昼ごはんを食べてからVIVA STAGEの打首獄門同好会を前半だけ観て、Star Stageに移動しBRAHMANを観るつもりでした。

 

しかし何度も言うように人の数が尋常じゃない。相当早くから移動しないとBRAHMANを良い位置で観ることは恐らく不可能。

 

そこで僕は打首を観るのを諦め、早い段階でStar Stageにてスタンバイすることを決断しました。打首も面白いライヴをするでしょうし、是非とも観たかったのですが、泣く泣く見送りました…

 

HEY-SMITHが演奏中のStar Stageへ向かう通路を通ると案の定完全に入場規制。通路にまで入場列が伸び、アリーナ内に入ることすらできない状態。いかにLOUD PARKが良くも悪くも快適な環境だったのかを実感しました…

 

ただ少しずつではあるものの列は進んでいき、HEY-SMITHが終わり場外へ人が移動し始めて行くと、係員の指示に従いアリーナ前方を希望する人たちと共に大移動。何とか最前付近の位置にまで漕ぎ着けることができました。ここから昼メシもトイレも行かずBRAHMANスカパラ→ホルモンと3連チャンで臨む!厳しい体力勝負ですが、ここが正念場だ!!

 

VIVA LA ROCK 2

スタジオコーストよろしく、メインアリーナに吊るされたミラーボール。結構綺麗だったのですがこの写真じゃ伝わらないなー...

 

そしてしばらく待ってSEの「お母さん、お願い」が響き渡りBRAHMANの登場。こないだの武道館ライヴには大感動しましたが、それは2階席での鑑賞でした。今回は最前付近のど真ん中!さぞや熱いモッシュが楽しめよう...と思っていたのですが...。

 

苦しい!苦しすぎる!!

予想はしていたけれど、それをはるかに超える圧縮で全く身動きが取れない!!

 

オープニングの「GOIN' DOWN」から尋常じゃないほどの後方からの押され具合になすがまま。暴れるとかそんなんじゃなく、マジで体の自由が利かないレベルで動けない。僕の周りからも「ヤバいヤバい!」「何だこれオイ!」という苦悶と驚きに満ちた声が聞こえました(笑) いや笑い事じゃなくマジで酸欠になるレベルでしたが。

 

「VIVA LA ROCK初登場!容赦はしねえ、BRAHMAN始めます!」とTOSHI-LOWさんが声高に叫び、「賽の河原」「SEE OFF」「BEYOND THE MOUNTAIN」とキラーチューンの乱打をかますと、もうアリーナは阿鼻叫喚の地獄絵図。「警醒」でTOSHI-LOWさんが客席に降臨した際には、ダイバーが頭上にいない時間のほうが短いとさえ言えるほどに(誇張じゃなくてマジで)クラウドサーフの雨あられ!!

しかし負けてたまるか!発狂するように声を荒げまくってバンドのパフォーマンスに応える!!

 

原子力発電所の作業員の写真と言葉がモニターに映し出され「鼎の問」が歌い上げられると、ここでMCタイムとなりようやく一息つける...。た、助かった...。

 

MCでは今までVIVA LA ROCKのオファーが来ていたがずっと断ってきた理由を淡々と話し始める。しかしその理由というのが以下のようなもの。

 

VIVA LA ROCKは若いバンド、若いファンが集まるフェスであるため、自分たちみたいなオッサンが来ると空気が悪くなる

若い連中から帰れコールを浴びる

外に出るとイキった若い連中から金を持っていると思われ、オヤジ狩りにあう

その辺のオッサンより自分は25倍くらい戦闘力があるため返り討ちにする(オヤジ狩り狩り)

こんなフェスに来るってことはこいつらは金を持ってると判断し恐喝

奪った金で外で皆でメシを食う

さっき脅した若いやつらが警察にチクり逮捕され5~10年の懲役をくらう

最低5年は親友である細美武士に会えなくなる

 

...鬼に対してオヤジ狩りしかける命知らずのバカはさすがにいないでしょ(笑)

 

その後主催者である鹿野さんに対しても言葉を綴る。

「一度雑誌の表紙に抜擢されたときに揉めに揉めて、それ以来あいつは信用ならなかったけど、東日本大震災を機にあいつは変わった。変わることは逃げじゃねえ、挑戦だ。それを俺に教えてくれた歌を...」と武道館でも披露された「満月の夕」を披露。この曲の郷愁を誘うようなメロディーはやはり心に染み入るな...。

 

ラストは武道館と同じく「真善美」で締めてくれましたが、あの曲は次に武道館に立つバンドへバトンを渡すためにラストに演奏されたからこそ感慨深かったので、フェスにおいてはラストは普通にアグレッシヴに駆け抜けてくれても良かったかな?まあ相変わらずのライヴバンドの凄みをこれでもかと見せてくれたので充分以上満足ではありましたが。

 

 

東京スカパラダイスオーケストラ

 

激烈なモッシュでボロボロになった心身を程よく癒してくれる時間。先程の荒れた雰囲気から一転してピースフルなムードに会場中が切り替わりました。

 

29年のキャリアを持ち、世界を股にかけた活動を続けているバンドだけあり、ライヴ運びの安定感は本日最高。9人の大所帯ながら一糸乱れずまとまったアンサンブルは非常に気持ちがいい。

 

オーディエンスの反応もすこぶる良く、アリーナは一面スカダンフロアとなり、足元がグラグラ揺れているのが手に取るようにわかりました。スタンド席も体を揺らして盛り上がっている人が多数いて、まさに会場が一体となっているよう。

 

スカパラ29年の歴史の中で初の試みをやります!」と谷中さんがMCで語り、今回のステージでは5人ものゲストヴォーカルを迎えるスペシャルなライヴであることを説明。意外にもスーツ姿の似合う10-FEETのTAKUMAさん、BRAHMANTOSHI-LOWさんが歌うとモッシュピットすら発生するほどでしたが、一際反応が大きかったのはやはり細美さんが歌う「Diamond in Your Heart」でしたね。

 

ただ個人的にはUNISON SQUARE GARDENの斎藤さんが歌う「白と黒のモントゥーノ」が一番ホーンとの相性が良いと感じました。斎藤さんの歌声も線こそ細いものの(それが魅力に繋がってると思いますが)、声量と安定感はかなりのもので、9人による厚みのあるサウンドに負けていない。

 

ドラムの茂木さんが途中思いっきり曲順をミスり、何とも微妙な間が空くハプニングがあるも上手いこと笑いに昇華しつつ、最終ゲストに銀杏BOYZの峯田さんが飛び出して「ちえのわ」を演奏。マイクを何度も額にぶつけ(真っ赤に染まって痛そう…)暴れながら歌っており存在感抜群でしたが、ヘアスタイルが丸坊主になってたため失礼ながら最初誰だかわからなかった(笑)

 

大所帯によるステージの見栄えや多数のゲストヴォーカルの起用、パイロのように火花が上がる演出など、本日最も華のあるステージングでした。盛り上がるのにピッタリな楽曲の魅力もあり、彼らをベストアクトに挙げる人も多いかも。

 

 

マキシマム ザ ホルモン

 

メシ休憩無しでブチ抜きのラスト、ここに来て最もヘヴィなバンドとはかなりの厳しさですが、気合いで暴れ抜く。

 

SEと共にメンバーが登場すると会場は大興奮。僕の周囲でも歓声と共にメロイックサインがバンバン上がりロクにステージが見えない…

 

相変わらずのユーモア溢れるMCで場を和ませつつ、ヘヴィなパートではアリーナからスタンドまで頭を振らせ、ポップなサビで大合唱を呼び起こすパフォーマンスはやはりこの上なく楽しい。先程のBRAHMANと比べるとピットにおける圧縮が遥かに楽だったこともあり(それでも充分なカオスっぷりなんですが。BRAHMANが異常なだけです)気持ちよく騒げました。

 

セットリストも前回聴けなかった楽曲が多く、サビでの爆発力が気持ちいい「便所サンダルダンス」、超ポップなメロディーとヘドバンを誘発するヘヴィパートの落差が面白い「糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー」が特に良かったですね。こういうノリやすい(彼らの楽曲は皆そうですが、特にストレートで分かりやすい)曲は大規模なフェス会場にはピッタリ。

 

主催者の鹿野さんは楽屋に直筆の手紙を置いていたそうで、実物をカメラに見せて内容に触れる。数年前のフェスで悪天候の中ライヴを完遂した彼らに対する思いが綴られており(おそらくこの時の事と思われます)フツーに良い話であるはずなのですが、肝心なところで凡ミス(彼らの海外公演をヨーロッパでなく"台湾"と書いていた)をしていることに突っ込んで会場が爆笑に包まれる。そして「鹿野!!このロックインポ野郎ーーっ!!」と不満をぶちまけたのちの「ロッキンポ殺し」でヒートアップ。

 

音源に比べ亮君の早口パートのリフがかなりリズミカルに刻まれるスタイルになっており、続く「絶望ビリー」もラストのサビにおけるアルペジオによるブレイクパートが長くなり、ナヲさん歌唱のパートがスネア裏打ちの疾走感を感じさせるアレンジになっていました。個人的にはどちらの曲もライヴの方が好みですね。

 

ラストはもはや定番になった「恋のスペルマ」で皆で仲良くスペルマダンス&サークルモッシュでフィニッシュ。どちらかと言うとスペルマよりメガラバ派な僕ですが、一丸となって盛り上がれるこの曲にはやっぱり満足させられてしまいますね。複数のサークルがゴッチャになって、どのサークルに沿って走っているのかすぐにわからなくなってしまいましたが。

 

あとやっぱりこのバンドはいつまでたっても鹿野さんを呼び捨てにするクセは直らないみたいですね(笑)

 

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

 

ノンストップで駆け抜けたライヴもここでいったん休憩タイム。外に出て500mlのアクエリアスで喉を潤し(一瞬でなくなった)、キッチンビバラで購入した肉丼でようやくフェス飯ありつく。

 

ちょうど外ではJ-ROCK好きでおなじみのお笑いコンビ・ダイノジDJタイムになっており、Dragon AshやらELLEGARDENやらHi-STANDARDといったバンドの有名曲が流れていました。やっぱり自主的に聴くときより、こういうイベントで偶然かかった時のほうが同じ曲でもテンションの上り幅は違いますね。DJスペースでは生演奏でないにも関わらず、モッシュ・サークルピットが発生する勢いで盛り上がっていました。

 

そしてこのあと銀杏BOYZ10-FEETと観ていこうかとも思ったのですが、人が多すぎてロクにアリーナに入れない上に(通路がギュウギュウに詰まってました...)、ちょっと体にムチを打ちすぎてしまったため無理せずにアリーナを後にすることに。ダイノジさんの選曲を楽しみつつコーヒー風味のスイーツ頬張ったあと、余裕をもって帰宅することに決めました。ちょっともったいない気もしましたが、まあステージから遠すぎてあまりライヴを堪能できないまま終了し、そのまま大混雑に巻き込まれてしまうのは避けて正解だったかもしれませんね。

 

VIVA LA ROCK 3

↑最後のほうは溶けてコーヒー風味のドロッとした液体になってしまいましたが(汗)なかなかに美味しい

 

個人的には非常に楽しめましたし、いいゴールデンウィークの思い出になりましたが、やはり何度も言うようにちょっと人が多すぎると思う。移動すら満足にできないのは相当ストレスになりますし、アリーナは常時入場規制みたいな状態だったらしいので、もうちょっとチケットの枚数考えてもいいんじゃないですかね?

 

「この日にsumikaと9mmとBiSHが加われば良かった」と最初に書きましたが、仮にその3組がいたとしても、会場の状態がこれでは100%観ることは叶わなかったでしょうから、いなくて正解だったかもしれません。

 

そしてそんなすし詰めのストレスとBRAHMANからの連続鑑賞は相当体にキてたらしく、次の日目を覚ました時には13時を回っていました...。日曜で良かった...。