ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Riot V 『Armor Of Light』

Riot V 『Armor Of Light』

2012年に逝去した、中心人物でありギタリストのマーク・リアリに敬意を表して改名したというのに、彼らを最も支えてきた日本におけるバンド名が未だに旧名義のままなのがどうも気になる、アメリカ出身のヘヴィメタルバンドの最新作。このジャケットを見れば誰もが彼らの作品だとわかるのだから、バンドの意向に沿って国内盤表記も変えてあげればいいのに...

 

アルバム発売に先駆けて公開された、もはや焼き直し呼ばわりされても仕方ないレベルで「Thundersteel」を彷彿とさせるM3「Messiah」、勇壮なツインリードが熱くキャッチーな正統派ナンバーM1「Victory」といった楽曲でファンの期待を煽った本作ですが、結論から言うとその期待に100%応えた痛快作だと思います。

 

まず彼らの魅力である、劇的で勇壮なメロディーがほとんどの楽曲において溢れかえっているのが最大のポイント。全体的にテンポの速い曲を多く収録していることも功を奏して、年季の入ったバンドとは思えないほど楽曲がエネルギッシュ。やっぱパワーメタルには覇気がないと!

 

ヴォーカルのトッド・マイケル・ホールの伸びやかで、かつ細さを感じさせないハイトーンがまた素晴らしく、楽曲に更なるエネルギーを注入しているのが良い。ただでさえスピーディーでパワフルな楽曲が、彼の歌唱でより輝く。

 

上記の2曲の素晴らしさはもちろん、その他の曲もカッコいいパワーメタルのオンパレード。特にサビが非常にキャッチーでクールなM6「Heart Of A Lion」、イントロから早速勇壮なツインリードが飛び出し、トッドのハイトーンシャウトがバンバン炸裂しまくったM7「Armor Of Light」、曲名を叫ぶサビのフレーズが頭に残ること請け合いのM9「San Antonio」が気に入りました。

 

少し気になる点としては、アルバム前半から中盤にかけてはキャッチーで良質な楽曲が矢継ぎ早に繰り出されるも、後半に差し掛かるとほんの少しではあるものの、メロディーが若干弱く感じてしまうかなあ~と感じられるところでしょうか。まあ本当に"若干"レベルなので、アルバム全体の印象を悪くするようなものではないのですが。本編ラストのM13「Unbelief」がやや地味目な曲であることもあってか、ほんのちょっぴり竜頭蛇尾っぽいかも。

 

とはいえ全体を通して日本のパワーメタルファンが思い描く"Riotらしさ"がこの上なく発揮された名盤だと思います。この音楽性を貫く限り、彼らが本国アメリカでブレイクすることは恐らく無いと思われますが、日本のファンからはこれからも支持されていくでしょうね。

 

国内盤のラストは名曲「Thundersteel」のリレコーディングバージョン。この手のパワーメタルバンドの再録音源にしては珍しく、原曲と比較してもなんら遜色ないほどのエネルギーに満ちた、かなり忠実なセルフカバーで有無を言わせぬカッコよさ。個人的にはややハイトーンがキンキンしている感のあるトニー・ムーアよりむしろこっちの方が好きかも。演奏やアレンジは忠実過ぎて「リレコーディングの意味ある?」とちょっと思ってしまいましたけど(笑)

 

M1「Victory」 Lyric Video

 

M6「Heart Of A Lion」 MV (イチオシ!)