ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ANGELUS APATRIDA 『Cabaret De La Guillotine』

ANGELUS APATRIDA 『Cabaret De La Guillotine』

僕は困った事に、全然予備知識もないバンドでも立ち寄ったCD屋さんのストアプレイで惹かれる曲を聴く、もしくは帯やポップに魅力的な言葉が並んでいるのを見ると、そのCDを買ってしまいたくなるという習性があります。

 

そのまま購入に踏み切って満足したこともあれば、「何で買ったのかな…?」と自分でも疑問に思ってしまうこともありました。CD屋さんでたまたま耳にするのと、自宅で腰を据えて聴くのとではだいぶ印象が変わってしまうんですよね~…

 

そして今回取り上げるアルバムは充分に満足できる作品でした。良かった良かった。

 

スペイン出身のスラッシュメタルバンド・ANGELUS APATRIDAの最新作。2000年に結成され、本作でフルレンスアルバムとしては6枚目という、そこそこ長いキャリアを持ち、前作は母国のチャートで2位という成績を残したバンドのようです。

 

音楽的にはいわゆる"クランチ"と呼ばれる、ヘヴィでザクザクしたギターリフを主軸とするスラッシュメタル。全体を通してそこまで疾走一辺倒という訳ではなく、ミドルテンポのパートが結構な頻度で登場するのですが、彼らの楽曲はとにかくリフが研ぎ澄まされていて、遅めの曲でも頭を振れるスリリングさがあるのが美点です。まあ「生命線であるリフがつまらないスラッシュなんてスラッシュじゃない」と言えばそれまでなんですが…

 

また彼らの楽曲の特徴として、スラッシュメタルとしては要所要所にかなりメロディアスなリードフレーズ、歌メロを導入している点があります。より普遍的なキャッチーさを部分部分に導入したTESTAMENT(またはEXODUS)みたいな印象でしょうか。ギレルモ・イスキエルド(読み方合ってる?)によるヴォーカルも歪んだ荒さを見せながらも、完全なる野蛮な吐き捨て歌唱とまではいかず、メロディーラインをなぞっている点もメロディアスな印象を強めている一要素。

 

M7「The Die Is Cast」は彼らのメロディアスな素養が最も伝わりやすい曲です。ザクザクのリフで疾走する獰猛なスラッシュパートから急転して、サビで一気に真っ当な""になる様はインパクトあります。

 

その他にはアルバムタイトルとアートワークにもあるギロチンの如く、ヘヴィで斬れ味抜群のリフがド頭から登場し、嫌でもヘッドバンギングを誘発するミドルチューンのM5「Downfall Of The Nation」、M7と同様にサビのキャッチーさが魅力的で、拳銃の発砲SEから続くザクザクリフの応酬とツインギターソロが乗る中盤以降の疾走パートがやたらめったらカッコいいM10「Martyrs Of Chicago」が特に気に入りました。

 

TESTAMENTやEXODUSといった、殺傷能力の高いリフを武器としたベイエリアクランチを愛する人にとってはハズされることのない良作スラッシュだと思います。初期METALLICAが好きな人にも響きやすいかも。Wikipediaによるとベイエリアのスラッシュは「よりメロディアスで、クランチ(=バリバリかみ砕く)」とのことですが、まさにその表現がピッタリです

まあこのバンドはベイエリア出身じゃないんですが、その辺は雰囲気です(笑)

 

M5「Downfall Of The Nation」 MV

 

M9「Farewell」 MV