ヴィジュアル系フェスで狂い咲いてから(?)すぐの金曜日、またまたライヴに行ってきましたよ。
今回は純度100%のメロコアライヴ!リレコーディングアルバム『FUTURES』をリリースしたばかりのNorthern19のライヴで、対バンはHawaiian6!
中高生時代の僕であれば「何という俺得!」とダッシュで前売り買っていたのでしょうが、さすがにあの時ほどの熱はマイルドになった身としては、当初は行く予定はありませんでした。しかしTwitterにて「当日券あり!滑り込み歓迎!」みたいな文句を目にし、ちょっくらキッズの頃に戻ってみるか!と急遽当券狙いで恵比寿へGO。
会場となるLIQUIDROOMは有名なハコですが、何気に僕は来るのは初めて。ロビーが結構広く作られており、かつ地下のフロアはライヴハウスのアングラな空気をそれとなく醸し出していて、なかなか魅力的なハコでしたね。ドリンクカウンターにてレッドブルを交換し、スタンディングフロアには降りず後方から見下ろせるような位置をキープ。メロコアライヴを俯瞰的に観るのって初めてかも。dustboxの時は後方ではあったもののフロアに降りてたし。
まず最初に出てきたのは哀愁クサメロコアの先駆者であり極北ともいえるHawaiian6。おなじみのABBAのSEで登場し、まずは景気づけに一発「In The Deep Forest」をかます。
正直バンドの演奏、およびYUTAさんのヴォーカルはめちゃくちゃに荒く、いくら勢い重視のバンドだからって、もうちょっと丁寧にやってもいいんじゃないでしょうかね?音源以上に何を言ってるかわからないヴォーカルもかなりヤケクソ。まあらしいっちゃらしいんですけど。GUREさんの高音を活かしたコーラスもかなり荒く、コーラスではなくがなっている感じで良くも悪くもライヴ感満載。
しかしそんな荒い演奏の中にもギラリと光る歌謡的哀愁はやはり強烈極まりない。「Bleed」「Haze」と最新作のオープニングの流れをノンストップで駆け抜け、その哀しみに満ちたメロの洪水に終始聴き入ってしまいます。
特に1stからの名曲「AN APPLE OF DISCHORD」にはアガッたなぁ~。静かで切々としたサビの入りが哀愁バリバリで半端ない!ここまで翳りある曲が書けるメロコアバンドは今は彼らしかいないでしょう。昔はWRECKingCReWとかいたんですがね...と思っていたのですが、まさかまだバンドが存続していたとは...!!!
「RAINBOW, RAINBOW」「PROMISE」などの定番の明るい曲を廃し、哀愁まみれの疾走チューン多めに畳みかけるセットリストも良かったのですが、ポジティヴメロが好きなキッズにはちょっと物足りなかったですかね。
しかし明るめの楽曲でも抒情性をきっちり備えているのが彼ら。「I BELIEVE」なんかまさにラストを飾るのにふさわしい美メロで、恍惚としてしまいますな...。メロコア三昧だったキッズの頃を思い出しました。
ただラストはその曲ではなく最新作からの「Justice」でした。彼らには正直不釣り合いといってもいいほどのハードコアチューンで、シャウトができないバンドがやっても説得力ないんじゃ...なんて思っていたのですが、こうやってライヴで聴いてみるとGUREさんのシャウトもアリと言えばアリだな。
Hawaiian6終了後は観やすい場所から動かずそのままノーザン待機。割とすぐに暗転して入場SEが流れる。
一曲目は耳に馴染みのない曲で(おそらくベスト盤収録の新曲「HOLY DIVERS」)ノーザンらしい爽やかな哀愁はやや控えめか。新曲故フロアの反応もそこそこといった感じ。
そして間髪入れず「TRUTH」でシンガロングを巻き起こした後、なんと強烈な哀愁・クサさを発揮する疾走ナンバー「RED FLOWER」がプレイされる。まさかこの曲が来るとは思わず、ヴォーカルが入った瞬間に「おおっ!」と思わず声をあげてしまいました。ドラマチックなギターソロもバッチリだ!というかこの曲に限らず、全体的にヴォーカル・演奏共に、キャリア上先輩格であるHawaiian6よりはるかに上手かったのはこれいかに(笑)
基本的には最新作『LIFE』および再録ベストの『FUTURES』からの選曲が多く、新しい曲とおなじみの曲を配分良く聴けた感じですが、そんな中ここぞというところで意外な良曲が紛れ込んでいるのが面白いところ。「ANSWER」~「I'M SORRY」の流れはグッときましたね。『EVERLASTING』も『FROM HERE TO EVERYWHERE』も、学生時代何回も聴きこんだ思い出深いアルバムなので感動もひとしおです。思春期に聴いた楽曲っていうのはやっぱり印象強くて、今でもサビをソラで口ずさめてしまった。
MCは基本的にギターヴォーカルの笠原さんが行い、昨日行われた日本代表のサッカーの試合を交えて今日という日の意気込みを語ろうとしていましたが、この人はどうやら事前に話す内容を考えておくタイプではないらしく、うまいことまとめようと思ってもどうもグダグダになってしまいがちで、かつ相変わらず滑舌も良くなかった(笑)
その後の名曲「THE NIGHT WITHOUT A STAR」以降はややスピードを抑えた楽曲が続き、前半の息をつく暇もないほどの勢いは控えられ、少し会場のテンションも落ち着いた感じか。ただそんな中にも「WISH」や「TONIGHT, TONIGHT」など、いざ疾走した時の爆発力が強い楽曲はしっかり入れ込んであり、ここぞとばかりにモッシュ・ダイブが発生する。
そしてライヴも終盤に差し掛かった段階で「MESSAGE」が投下されると目に見えて一気にヒートアップ。この曲はもう完全にNorthern19の新たな代表曲として定着したのだなあ。確かにメロディーやギターソロ、シンガロングなどどこを切ってもノーザンらしさはバッチリですからね。
「再録盤って正直あんまり良いのないじゃん?俺もそう思ってるから、この音源に疑問を持つ人がいるのもわかる。だから昔のアルバムにある曲のほうがいいっていうのはそれはそれで全然かまわないんだよ。」と笠原さんが、ある種この手のアルバムの宿命ともいえる"昔のほうが良かった問題"について触れる。自分も一リスナーとして、再録盤について思うところがあることを吐露しつつ、それでも自分たちの自慢の楽曲群を伝えていきたい気持ちをまとまらずクチャクチャになりながらも熱く語ってくれました。
僕もこの手のリレコーディングアルバムで納得できたものって、GALNERYUSの『THE IRONHEARTED FLAG』とBRAHMANの『ETERNAL RECURRENCE』くらいしかないかな...と思いつつも、彼らの代表曲である「STAY YOUTH FOREVER」のリレコーディングを聴いた感じ、ちょっとキレイになってる感があるも、なかなか悪くない仕上がりなのではと思います。
ラストの「CRAVE YOU」~「SMILE FOR PEACE」~「STAY YOUTH FOREVER」の流れは燃えましたね。特に「STAY YOUTH FOREVER」は文句なしのアンセムっぷり。皆で歌える、疾走感もある、どうしようもなく青臭くて哀愁もある。12年前にこの曲を生み出しただけで、彼らのメロコアバンドとしての地位は決定づいたと言っても過言ではないでしょう(過言かなあ?)
皆でウォーオーオーッしたあとのアンコールは「WE'LL BE ALRIGHT」「NOW IS FOREVER」というポップな中に切なさを絶妙にブレンドしたノーザンらしい楽曲で締め。まさに大団円ってな塩梅で、この曲もまた新たな彼らの定番曲になっていくんだろうな。
フェスとかではちょいちょい聴いているものの、一本のライヴ丸まるメロコアって最近なかなかなかったのですが、いや~~やっぱりいいですねこういう音。仕事終わりでスーツなんか着てなかったら僕もモッシュしたかったのに。
今後青春時代のメロコア熱が同レベルで再燃することはないかもしれませんが、こうやって生の音、若々しいエネルギーを全身に浴びれば「あのバンド、最近聴いてなかったから、ちょっと聴き返してみるか...」という気になっちゃいますね。少しだけ精神年齢を下げてもらった気分です。
いやいや、俺はまだ24だ。