こないだのライヴから妙にノーザン熱が高まってしまい、昔聴きまくってたアルバムを引っ張り出してみました。
人気絶頂のELLEGARDENをはじめとして、現在でも人気の高いメロディックバンドも良質な新作を出すなど波に乗り出していた2006年、まさに彗星の如くという表現が相応しい華々しいデビューを飾った、3ピースメロディックハードコアバンド・Northern19の傑作1stアルバム。
今でこそクオリティーの高いサウンドを連発するバンドでも、デビュー当時はヴォーカルや演奏はどこは野暮ったくて稚拙なパターンが多かったように思います。BRAHMANやdustbox、locofrank、Hawaiian6などのバンドも、すでに確立していた音楽性や大器の片鱗を感じさせてはいたものの、やっぱり近年の作品と比べれば当初は笑っちゃうくらいチープなものでした。
しかしこのバンドは一線を画す。すでに1stの時点で一線級のバンドに引けを取らないほどの完成度を見せているのです！青さ満点のツインヴォーカル、HR/HMからも影響を受けたテクニカルかつ勢いに満ちたギターソロ、そして何より「もう周りなんか見る余裕がない！」とでも言いたげな爆走感...。どこを切っても極上のメロディックハードコアの宝庫とも言うべき音がダダ洩れ！当時キッズど真ん中だった僕はこの音にどれだけ興奮し、打ちのめされてきたか...
現在のバンドの音と比べると、まだギターサウンドなど荒々しさがあるし、ひたすらドタバタ突っ走るドラムと合わせて、あまりまとまりを感じさせるものではない。
...しかしそれがいいんです。この若いバンドにしか出せない衝動、ヤケッパチな勢いはベテランバンドのアルバムには確実に存在しない(できない)であろう魅力。
この勢いと、エモ的な印象を与えるヴォーカルとコーラス、どーしよもなく青臭くてポップ、だけどなんだかとっても切ない哀愁のメロディーが混然一体となって襲い掛かるのです。想像するだけでたまんないでしょ？(笑)若さゆえの未熟さ、青さみたいな要素がすべて良い方向に働きかけている素晴らしいバランス。
冒頭からガムシャラに爆走するも、途中のサビのブレイクにおいてさらに切なさマシマシになる展開がおいしいM2「CRAVE YOU」、イントロのギターから存分に哀愁を振りまき、サビでどうしようもなく甘ったれていて、かつ泣けるメロディーが容赦なく炸裂するM4「ANSWER」、疾走感を抑えつつも、彼ららしい不器用でまっすぐなエモーションがたっぷりなミドル～アップテンポメロコアの名曲M5「THE NIGHT WITHOUT A STAR」、アコギが目立つ落ち着いたパートから唯一の日本語歌唱が聴け、その流れから繰り出される大サビが非常にドラマチックな、本作中特に強烈な泣きを発散する歌メロを持つM9「DON'T GO AWAY」などなど、キッズの心にしみる旋律の雨あられ。一部の楽曲を除けばほぼほぼ疾走しっぱなしなのも潔くてGoodです。
そしてなんと言ってもやはり本作最大の目玉は、Northern19を象徴するM1「STAY YOUTH FOREVER」でしょう。"ウォーオーオーッ！"コーラスが絶大なインパクトを放つこの曲はまさにノーザン流アンセムソング。再生ボタンを押して即この曲がブチかまされた時点でキッズなら昇天するはず。でなければ僕はそいつをメロコアキッズとは認めません(笑)。意識高い系の音楽でも聴いてなさいシッシッ( ﾟДﾟ)ﾉ''
1stアルバムにしてジャパニーズメロディックハードコアの新たなる金字塔を打ち立てた感のある名盤。いまだに本作を彼らの最高傑作と評する方がいるのもうなずける、哀愁叙情メロコアの鉄板です。
M5「THE NIGHT WITHOUT A STAR」 MV
