今話題沸騰中の楽器を持たないパンクバンドによる初の両A面シングル。
本作収録の2曲はそれぞれネット配信のドラマ、テレビアニメの主題歌となっており、そのせいもあってか彼女らの楽曲の中でも曲調・MV共にかなり毒気の薄いものになっています。
M1「Life is beautiful」はバラード調の曲で、曲全体の落ち着いた雰囲気はいい感じですが、あまりメロディーにフックはなく出色の出来とは言い難いかも。Aメロのラップ調のパートも何だか取ってつけたような印象があり、あまり曲を活かす方向に向いてる感じがしないのもちょいと残念かな。
M2「HiDE the BLUE」はアップテンポで青春パンクっぽい青さが前面に出たポップチューン。ピアノやストリングスのメロディーが何気に良く、サビも相当に青臭いのですがなかなか叙情的で嫌いじゃない......というか僕この曲普通に好き(笑)
上記の2曲は本作発売に先駆けて配信リリースされており、さらにとっくの前にフルで聴けるMVが公開されています。
そんなシングルを何故わざわざ購入したのかというと、本作付属のDVDが見たかったからです。
DVDには今年の4月22日に中野サンプラザで行われた「BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR」(そのまんますぎるツアータイトル、どっかから怒られなかったのだろうか/笑)のファイナル公演の模様が収録されています。
この日の前日、僕はCROSSFAITH主催のACROSS THE FUTUREに当日券で行っており、その時さらにTwitterにて次の日にこのライヴがあることを知りました。
「あ、明日はBiSHが中野でファイナルやるんだ。WARPED TOURはなかなか楽しめたし、良い機会だからチケット取っちゃおうかな。」とその日の僕は思ったのですが......
去年の後半あたりからのBiSHの活躍と勢いたるやもう凄まじく、ミュージックステーションをはじめ数々の音楽番組の出演、ラウンドワンのイメージキャラクターの抜擢、CMソングへの起用、多数のフェスやイベントへのブッキングなどなど、破竹の勢いで露出を獲得、全国的な知名度はまさに鰻上り。
そんなノリにノッているバンドのライヴ、直前になって「せっかくだから行こうかな～」なんて思ったヤツが当然チケットなんぞ取れるわけがなく、今回のツアーはどの会場も軒並みソールドアウト。ライヴ漬けの週末にしようという僕の目論見はあっけなく消えてしまいました。
そんなこんなで妙に悔しい思いを味わってしまった僕、観る予定だった公演のDVDで少しでも参加した気になってみたかったのです(笑)
歌声がやや不安定な箇所が散見されたり、MCもこなれていない感じが出ていて、お世辞にもパフォーマンスの完成度はハイレベルとは言い難い。しかし自分たちで振り付けを考えてからのダンスレッスン、および歌割りの把握という労力、大所帯グループと違って途中で交代して休むこともできないという状況、結成3年という短いキャリアを考えればこれは仕方ないでしょうかね。むしろそんな状況下でこれだけパフォーマンスできるのは凄いことだと思います。
ただこの会場の雰囲気は......アイドルライヴによくある掛け声(「よっしゃ行くぞー」的なアレ)や振り付けなどが盛んに行われており、この手の文化に全くと言っていいほど触れてこなかった僕には少々...いや、だいぶハードルが高いライヴになっています(笑) 実際にこの会場にいたら置いてけぼりをくらってしまいそうだ...
まあそれでも後半の「VOMiT SONG」～「MONSTERS」の好きな楽曲の連打を生で観れば充分楽しめるだろうとは思いますが。ここに僕が一番好きな「ファーストキッチンライフ」が加わっていれば良かったのですけどね～。WARPED TOURの時といい、どうも縁がない...
ただ新旧取り揃えたセットリストはバランスよく、全20曲とこれ単体でリリースできそうなほどボリューム満点なので概ね満足です。唯一の不満点はいきなり一曲目の「SHARR」からスタートしており、会場が暗転してオーディエンスが沸き立ち、メンバーが登場するシーンが収録されていないこと。ライヴ映像でそこカットしちゃうのはどうかと思うよ...(汗)
あとどうでもいいことですが、この映像である意味一番印象に残ったのは、リンリンさんがまだ学生だったという事実、そして小動物のようなルックスのモモコグミカンパニーさんの予想以上に低い地声です(笑)
M2「HiDE the BLUE」 MV
2ヶ月以上前に公開されているので"新曲"という印象はもはや皆無(笑)
DVD収録映像から「PAiNT it BLACK」
