ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

PENNYWISE 『Never Gonna Die』

PENNYWISE 『Never Gonna Die』

楽器を持たないパンクバンドの感想を書いたのなら、楽器を持つパンクバンドの感想も書かな!という使命感(?)のもと、WARPED TOURの好演も記憶に新しいPENNYWISEの最新作の感想を。

 

個人的には2003年発表の『FROM THE ASHES』以来のアルバムで(当時は小学生だったのでもちろんリアルタイムではありませんが)、ここ最近の彼らがどのような曲をやってきてたのかはわかりません。何せ2009年~2012年にヴォーカルのジム・リンドバーグが脱退してたことすら最近知ったくらいなもので…

 

WARPED TOURの来日後すぐに発表された、10年ぶりのジムのヴォーカルによる新音源とのことだったので、何とはなしに購入。M1「Never Gonna Die」を一気に聴き通した瞬間に確信しました。

「何も変わってない!PENNYWISE以外の何モノでもない!」と。

まあライヴを観たので予想はついてはいましたが…

 

アルバムの方向性としては、もう潔いまでに真っ直ぐな硬派一徹のパンクロック/メロディックハードコア!ポップパンク、青春パンクの能天気さ、軟弱さは皆無。腐りきった現代社会に中指を立てるアティテュード…これぞ真のパンクですよ!

 

硬質なリフを終始奏でるギターをはじめ、演奏がかなりパワフルにまとまっており、そこに乗るジムのあまり張り上げない低音ヴォーカルがPENNYWISE流パンクロックを実感させてくれますね。YouTubeで聴いたかぎり、ジムの脱退期間中にヴォーカルを務めたゾリ・テグラスも、全然悪くない好パフォーマンスを披露している感じですが、やはりPENNYWISEらしいのはジムの声。

 

ほぼ全曲に渡って疾走するアグレッシヴなパンクバンドとしてBIGWIGの感想を以前上げましたが、あのようなバンドとは異なり彼らの音は疾走感こそあれど、ヤケクソなまでの荒々しさ、ブチ切れたテンションの高さはやや控えめ。

 

いや、もちろんパンクロックとして充分ハイエナジーではあるのですが、他のキレッキレなバンドはストレートに怒りをブチまけるような勢いを持っているのに対し、彼らのサウンドは怒りつつも今の世に警醒を鳴らすような、どこか落ち着いた印象を受けます。これは丁寧とも言えるほどタイトな演奏、力んだシャウトは使用しないヴォーカルによるものでしょうね。

 

ノリノリのベースラインによるイントロからワクワク感を盛り上げ、「さあモッシュせよ!」と言わんばかりにアップテンポに展開、要所要所で挿入されるシンガロングが熱すぎるM10「Won't Give Up The Fight」、全盛期のSUM41を彷彿させるようなリードギターから一気に爆走、疾走感はそのままにサビがひと際キャッチーでカッコいいM11「Can't Save You Now」の2連打が特に気に入りました。ひたすら疾走してラストを潔く飾るM14「Something New」もイイ!

 

その他の曲も同一の方向性とテンションを持っているが故に捨て曲はありませんが、飽きが来るのも早そうかな...。まあこれはメロディックハードコアというジャンルの宿命というヤツですが。

 

パンクとしてはかなりヘヴィで骨太な音色、メロディーはキャッチーではあるものの、それ以上にノリの良さ、疾走感、アグレッションに重きを置き、パンク本来の反体制の痛烈なメッセージを放つ...まさにPENNYWISEというバンドに期待される音像を100%体現したアルバムといえます。彼らにはいつまでもF**k Authorityの精神でいてほしい!

 

M1「Never Gonna Die」 Official Stream

 

M10「Won't Give Up The Fight」 Official Stream (オススメ)

これでモッシュをしたくならないキッズなどいるだろうか、いやいない(反語)