ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Mad Hatter 『Mad Hatter』

Mad Hatter 『Mad Hatter』

ジャーマンメタル...いい響きですね。

メロディックパワーメタル...素敵な音ですね。

 

日本では特に人気の高いと言われる(もちろん僕も好きです)このジャンルにおいて、期待の星が現れたのではないでしょうか。2017年に結成されたという、出来たてホヤホヤ・新進気鋭のメロディックパワーメタルバンドのデビュー作です。出身はスウェーデンであり、ジャーマン = ドイツではありませんが。

 

ただ結成されたばかりとは言え、メンバーはまっさらピカピカな新人ではなく、中心人物のギター・ヴォーカルのペッター・ジェーペとドラムのアルフレッド・フリッドハーゲンはスウェーデンメロスピバンド・MORNING DWELLに所属している(さらにアルフレッドはGOLDEN RESURRECTIONやREINXEEDにも在籍していたそう)。さらに正式なメンバーではないものの、本作のレコーディングにおいてはリードギターに、DANGER DANGERのギタリストでThe Poodlesの来日公演にも参加したロブ・マルセロを起用しています。

 

バンド名、そしてアルバムのタイトルにもなっているマッド・ハッターとは、有名文学「不思議の国のアリス」に出てくる、気違いのお茶会でお馴染みのジョニー・デップ帽子屋からとられており、ジャケットにはご本人がドーンと登場。Web上でジャケット画像を目にしたときは「なんかNoGoDの団長に似てんなぁ~」と思いましたが、現物をよく見ると全然違ってました(笑)

 

さて、音楽の話に入りますが、本作に込められた音はまさに冒頭にて書いた"ジャーマンメタル/メロディックパワーメタル"を彷彿させるようなもので、HELLOWEENGAMMA RAY直系の明朗なパワーメタルをプレイしています。北欧のスピードメタルに多く感じられる冷気・透明感みたいなものは希薄で、なかなかに馬力溢れるサウンド

 

あまり「個性的で面白い!」と言える音楽性ではないかもですが、なかなかどうしてクオリティーは高く、捨て曲らしい曲は見当たりません。アリスの世界をモチーフにしているだけあって、そこかしこに劇場のような雰囲気を醸し出しており、ここがより印象的で目立つものになれば、彼らの独自性としてより強いセールスポイントになりそう。

 

大仰なリードギター、帽子屋の不気味な笑い声から始まるM1「Mad Hatter Shine」から早速初めて聴いた気がしない(笑)ギターのフレーズでアップテンポに展開。初っ端から8分超えの大作ですが、あまり冗長に感じさせない構成力が光ります。後半のリードギターとコーラスの重なるパートが実にシアトリカル!

 

この手のパワーメタルを愛する者であればイントロから意識を持っていかれるであろうM2「The Gunslinger」は、王道を行くアップテンポメロパワの秀作。リードだけならずリフもパワフルに磨かれており、気持ちよく聴きとおせるのがマル。

 

Aメロでややムリヤリ感漂うがなり声を聴かせてチョイと心配になるも、サビでは低音コーラスで劇的さを演出するM4「Fly Away」、本作中特にシアトリカルさを放つメロディーと、途中のコミカルともいえるピアノソロが非常に印象的なM6「Phantom Riders」、HELLOWEENの流れをくむポジティヴメロパワが好きなリスナー大喜び間違いなし、サビの解放感バツグンの疾走チューンM7「Face The Truth」など、そこはかとないファンタジー臭、心地よい豊かなメロディーが配された楽曲が立て続く。

 

国内盤にはヨーロッパ盤のボーナストラックであるM11「Death Angel Sings」と、正真正銘の国内盤ボーナストラックとしてM8「Vengeance In His Mind」のデモバージョン、M3「Dancing Light」のメロディーを全てシンセで奏でた"80's シンセバージョン"が収録されています。

 

M11はリードギターも歌メロもメチャクチャにキャッチー、ツーバスドコドコの疾走感もひと際素晴らしく、なぜこの曲がボートラ扱いになってしまったのか理解できないほどのクオリティー。充分以上に本編のハイライトたりえる楽曲なのに!

 

国内盤ボートラの2曲はまあオマケって感じですが、シンセバージョンの「Dancing Light」は何というか......イトーヨカードーあたりでBGMとして流れてそう(笑)

 

まあとにかくメロパワ界に有望株が現れたと言って良いでしょう!

スウェーデン出身ではあるものの、北欧風味の哀愁叙情美を愛する人にウケるかは微妙かもしれませんが、HELLOWEENあたりの明るいジャーマン系メロパワを好む人であれば、どこかしら琴線に引っかかると思います。キャリアあるメンバーで構成されてるだけにB級くささも全然ないので、メロディックメタルリスナーであれば聴いてみる価値アリです。個人的には期待以上に楽しめました。

 

ちなみにM2「The Gunslinger」はライナーノーツによると、"スティーヴン・キングの小説『ダーク・タワー』第1部『ガンスリンガー』(1982)をモチーフとしている。"とのことですが、Mad Hatterなんてバンド名で、しかもジャケットもモロにそれなのに、アリス以外の文学をテーマにしちゃっていいんですかね?(笑)

 

まあ本作は別にコンセプトアルバムではないそうですし、アリス縛りでは早くにネタ切れしちゃうかもですが...

 

M7「Face The Truth」 Official Lyric Video

この曲は日本のメロディックパワーメタルファンにかなり響くのでは。