僕がよく閲覧する音楽サイトにBASEMENT-TIMESというものがあります。
このサイトは主にROCKIN'ON JAPANで取り上げられるようなJ-ROCKバンドを中心に、複数のライターが独自の視点でコラムを書く音楽Webマガジン。
毒を含んだ書きっぷりや、思わずフンフン唸ってしまうような文章が面白くて、自主的にほとんど聴かないようなバンドが話題の中心であるにも関わらず興味深く読み進めることができます。
そんなBASEMENT-TIMES上にて、こんな記事が上げられていました。
アイドル化する邦楽ロックをブチ殺す本物ロック Suspended 4th
"最近の邦楽ロックがマジで面白くない。"というピリっとした書き出しから始まる本コラムは、昨今の邦ロックシーンに対しての問題提起(というか愚痴?)が綴られており、「ああ確かに。わかるわかる!」となかなかに共感できる内容になっていました(特に"自分たちの音楽が先じゃなくて、聴く側が先にいてそこに自分たちを合わせにいってる。" "彼らにとって音楽はビックリマンチョコのウエハース、プロ野球チップスのポテチ"というくだりはスゴ~く納得)。
「アイドル化する邦楽ロック」というのも言い得て妙で、ターゲットを絞った上でのバンドのコンセプトやメンバーのキャラクター頼みのバンドが多く、純粋に音楽のクオリティー・完成度で勝負できていないシーン。それを憂いつつも、そんなシーンに風穴を開ける存在になりうると記事中で期待されているのが、愛知県名古屋市を拠点に活動する4ピースロックバンド・Suspended 4th。
普通アマチュアやインディーズのバンドはライヴハウスが主な活動場所です。しかしこのバンドの主戦場は路上。ライブハウスでのブッキング以上に、地元名古屋の路上ライヴを続けて実力をつけてきたバンドのようです。
猫も杓子もサラサラキノコヘアーのナヨナヨ高音ヴォーカルがフロントを務めるバンドが多い中、彼らのサウンドはThee Michelle Gun Elephantあたりのガレージロックの影響が濃そうな、まさにジャパニーズロックンロール。ギター・ベース・ドラムそれぞれがバリバリに主張し合い(特にドラムがカッケエ!)、ヴォーカルも荒々しくてイキが良い。メロディーも媚びない程度にキャッチーだし。イイネイイネ。
似たような方向性のバンドは最近ではTHE PINBALLSが挙げられるのでしょうか。
今のところ彼らの中で一番好きな曲。こちらも古き良きロックンロールでカッコいい。
ヴォーカルの声質や、若い邦ロックファンに媚びない曲調など通じるところはあると思いますが、歌メロのキャッチーさはTHE PINBALLSが、演奏のテクニカルさとキレっぷりはSuspended 4thが上だろうなと。
J-ROCKに興味を示さない人からすれば「フツーの日本のバンドじゃん」の一言で切り捨てられちゃうのかもしれません。ですがこういうロックンロール真っ向勝負で突き進むバンドって、バンドブームがとうの昔に過ぎ去った今、結構貴重だと思います。
惜しむらくはこのバンド、客にもレコード会社の人間にも媚びない硬派な姿勢故なのか、まだ全国流通の音源がないのです。THE PINBALLSはメジャーデビューしましたが、音源を聴く限り彼らの基本姿勢は変わってないように感じるので、Suspended 4thだって大丈夫でしょ?
さすがに路上ライヴ観に名古屋まで遠征できるほど僕はフットワークが軽くないので、ぜひともちゃんとした音源がリリースできるような体制になってほしいな。
まあとりあえず言えることはBASEMENT-TIMESの記事の最後にもある通り、"売れても変な大人に良さを殺されないで欲しい"ってとこですね。