ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

9/1 Evoken Fest 2018 at 恵比寿LIQUIDROOM

皆さん!今年もメロスピの祭典がやってきましたよ!

 

去年の代官山UNITで、Evoken de Valhall Productionの代表であるYamaさんが「Evoken Fest、来年も開催します!」と宣言していた本フェス、3日間の中日である2日目、恵比寿LIQUIDROOM公演を観に行きました。

 

去年は直前になってカゼで体調を崩し、ややフラついた頭で参加。人が多すぎて窮屈すぎる厳しい環境の中でトリ前のTwilight Forceまで頑張って観た後、FREEDOM CALLを観ずに帰るという体たらくだったため、今回は最初から最後までしっかりしよう!と気合充分でした。

 

開場のLIQUIDROOMには開演20分前ぐらいに到着。ロッカーに荷物を預けようとしたものの小銭が無いことに気づき、外の自販機か何かを使おうかと外に出ようとするのですが、扉にはこんな張り紙が。

 

"再入場にはチケットの半券とドリンク代500円が必要となります"

 

 

 

 

 

 

 

............ハア?(゜Д゜)

 

オイオイオイ!再入場する度に金とんのかよ!?どういうシステムだよクソッタレ!!!

入場口のお兄さんに「再入場の時は別途500円払うってことですか?」と恐る恐る聞いてみると、「ハイ、そうですよ」と、何かおかしなことあります?とでも言いたげなスンとした対応で返されるのみ...。もういいわい。荷物は足元に置いた状態で観るわい。

 

客層を観てみるとやはり年齢層は高めなのですが、僕と同年代位の方もチラホラ見受けられました。そして普通のメタルライヴよりもナード臭さ、陰キャっぽさ、メガネ率が高い(笑)

 

僕は決して陽キャな方ではありませんが、あまり陰キャっぽさが出ないように見た目に注意を払ったつもりです...が、やっぱり他の人からは陰キャっぽく見られてたかもなあ...。

 

 

Rakshasa

 

主催のEVPの代表を務めるYamaさんがベースを担当する和の雰囲気をもったメロディックスピードメタルバンド。EVP主催のライヴイベントの多くでオープニングアクトを担うため、さほどありがたみは無い(笑)

 

和の雰囲気を持ったメタル、ということで真っ先に挙げられるのは陰陽座ですが、メロディーの質感やメンバーの佇まいはどちらかというと和楽器バンドっぽいなあと思ったり。まあ和楽器バンドはMVを見てみるレベルでしか聴いたことないのですが...

 

メロディーは充分にキャッチーだし、女性ヴォーカルの歌唱も上手く雰囲気も出てる。演奏もちょっと音圧が薄いような気もしましたが(特にギター。音響の問題もあるかもですが、ソロになってもいまいち聴こえにくい)必要充分なスキルを見せてくれました。

 

ただパフォーマンスが何というか...アングラっぽさを感じる。やや内向き、閉塞的なパフォーマンスとでもいえばよいのか、メンバーのルックスは華やかなのにメジャーっぽさはほとんどない。

 

このままじゃ陰陽座和楽器バンドの後に続くくらいに頭角を現すのは厳しそうかな...とものすっごく余計なお世話ながらそんなことを思ってしまいました。まあこのバンドでメジャーシーンに打って出る!みたいなことは特に考えてないのかもですが。

 

 

CRYONIC TEMPLE

 

スウェーデン出身のメロディックスピードメタルバンドが今回のトップバッター。最新作『Deliverance』を発表したばかりの来日ということで、そこからの楽曲「End Of Days」からのスタート。近未来的な雰囲気を醸し出すキーボード(同期音源ですが)が存在感を強く放つアップテンポナンバー。

 

そこからの「In Thy Power」で会場がさらにヒートアップしたのが見て取れましたね。ノリノリでエアギターやヘッドバンギングに興じる人たちがチラホラ。

 

正直バンドのパフォーマンスは未知数だったのですが(というか今回の出演組はどれも)、観た感じ特に破綻も拙さもあんまりなく、フツーに安心して観られるレベルでした。ただヴォーカルのシャウトはかなりか細くてショボいので、普通に歌うだけでいいよ、と言いたくなりましたが。

 

ヴォーカルを交代しての「Pain And Pleasure」ではコール&レスポンスが行われたものの完全に不発(「Do you like pain!?」のあとに「And Pleasure!」と言ってほしかったのかも)だったのはちょっと申し訳ない(笑)

 

ラストに演奏された「Eternal Flames Of Metal」(スッゲエ曲名/笑)では「Eternal Flames Of...!?」「Metal!!」のコール&レスポンスはバッチリ成功。疾走感ある楽曲と合わせて一気にボルテージを底上げしてくれました。

 

 

DRAGONLAND

 

B級メロパワバンドとして日本ではそこそこ知名度のある存在(ですよね?)の彼らが久しぶりの来日。

 

前回の来日は2003年だったそうですが、2003年って僕小学3年生ですがな。ここまで間が空いたのは、やはりオロフ・モロクがAMARANTHEの活動で忙しかったからなのでしょうか。

 

そこそこのキャリアを持つバンドではありますが、正直パフォーマンスはそこまで洗練されたものではなく、どうもB級っぽさは否めないところ。まあそこも含めて魅力のバンドなのでしょう。とはいえ破綻しているような演奏では全くなく、しかとしたクオリティーは有していたと思います。

 

ただ先ほどのCRYONIC TEMPLEよりもメロディーのキャッチーさが薄く、あまり楽曲自体は印象に残るものではなかったかなあ...。一発「Holy War」みたいなクサクサメロスピをやってくれればもうちょっと良かったのですが。

 

ラスト前のMCでは「日本のボーナストラックとなった曲だ」と語ると、メンバーが一様に腕をクロスさせドラムが立ち上がる。"DRAGONLAND...LAND...LAND..."のSEの後に披露されたのは、まさかのX JAPANの「Rusty Nail」。彼らのライヴで最もテンションが上がったのはこの瞬間でした(笑)

 

サビ前の"Oh, rusty nail"では会場中で合唱が巻き起こる。もちろん僕も声を張り上げ、美しすぎるサビを共に歌う!ハイライトが他人の曲なのもどうかとも思いますが、まあ日本のファンに向けたサービスということでありがたく受け取りましょう。

 

 

VHALDEMAR

 

本日特に期待値が高かったのがこのバンドです。最新作『Against All Kings』がかなり良かったので、それはもう熱いステージになるだろうと予想していました。

 

そして予想に違わぬ暑苦しさ。モジャモジャのヒゲを生やした風貌、下品なダミ声ヴォーカルは女性から毛嫌いされるレベルのムサ苦しさで、正統派パワーメタルをがっつり歌い上げる。イイネイイネ!僕のメタル魂にガンガン響いてきますよ!

 

最初の「Metalizer」から清々しいほどの全力投球で、曲間のMCでハアハア息を切らすレベル。ヴォーカルばかりに注目してしまいますが、バンドサウンドの要であるメタリックなリフを担っているギタリストも、その華のないルックスに反して(すいません)テクニカルなプレイを随所で発揮。常に満面の笑みを絶やさないベーシストも素敵。

 

ちょいちょいヴォーカルが水を口に含んで噴射するパフォーマンスをしていましたが、どうもキレイに決まらず口からドボドボッとこぼれてしまっておりちょっと汚い(笑) 霧吹きパフォーマンスはlocofrankの木下さんかALDIOUSのトキさんに教わってください。あの人たちキレイにできるから。

 

中盤の「Howling At The Moon」に差し掛かるころには、その漢の中の漢メタルに心を奪われていましたが、熱量がステージに収まりきらなかったのか、ヴォーカルがステージを降りてフロアをオーディエンスと触れ合いながら回り、ついには後方のテーブルの上に立ってしまう始末

 

ぼくはずっとスタンディングフロア最後方にいたのでもう目と鼻の先。BRAHMANTOSHI-LOWさんのときとは違い、前にさえぎる人もいない。ライヴ中のミュージシャンに人生で最も近づけた瞬間でした。

 

そんな熱すぎるライヴにオーディエンスも大いに刺激され、終盤になるほど盛り上がりが加速度的に増しているのがわかりました。今日最もヘヴィメタルしていたアクトでしたね。素晴らしい!

 

 

CIVIL WAR

 

オープニングのRakshasaを除けば今回の出演組で唯一CDを聴くことによる予習をしていなかったバンド。元Sabatonのメンバーが在籍していて、ヴォーカルがWUTHERING HEIGHTSのパトリック・ヨハンソンだった、という認識しかありませんでした。ぶっちゃけシビル・ウォーっつったらマーベルのアレしか出てこないんですよね(笑)

 

軍服っぽいコスチュームに身を包んだメンバーが登場し(特にキーボードのダニエルはその紳士的な振る舞いと合わせて、とてもヘヴィメタルミュージシャンとは思えない)、演奏が開始されると一気に引き込まれました。ここにきて特A級のパフォーマンスがブチかまされたからです。

 

とにかく上手い。ヴォーカルも演奏も。キャッチーなパワーメタルをベースに、時折フォークメタルっぽい箇所も挿入したサウンドも魅力的ながら、ガッチリとまとまったアンサンブルと見事にオーディエンスを扇動するヴォーカルパフォーマンスに舌を巻きました。

 

まあこの上手さは今までのバンドの演奏力との相対的なもの、という側面もちょっとはあるのかもしれませんが、前のVHALDEMARがあれだけ熱いパフォーマンスをしてもなおここまで印象に残るわけですからその実力は本物でしょう。

 

時にKORPIKLAANIのようにも響く酔いどれサウンド(?)から一気に爆走する「Tombstone」には圧倒されましたね。間違いなく本日の最高体感速度はこの瞬間。速弾きギターソロもメタクソにカッコいいし、速い曲好きの身からしたらかなりのキラーチューンですよ。なぜ今までアルバムを聴かなかったのか...。

 

客観的なライヴのクオリティーではこのバンドが一番ですかね。VHALDEMARに引き続きこれまた素晴らしい!

 

 

Derdian

 

正直このバンドにこの位置は酷なんじゃ...とちょっと思ってしまったDerdian。

 

メロディーのクサさを除けば、楽曲のクオリティーは本日のメンツの中では最も低いと思われる彼らだけに、CIVIL WARの高クオリティーなライヴの直後では喰われてしまうのではないかと危惧していました。

 

しかし結論から言えばそんなことはなかったどころか、ひと際熱い盛り上がりを見せる。やはり今日来た人たちはこういうクサメロスピが好きなんだなあと実感。

 

演奏はかなり勢い任せな感があり、途中キーボードがトラブってほんのちょっと間が空いた瞬間もあったりで、ライヴのクオリティーはとても先ほどのCIVIL WARには到底及ばない。

 

しかし、しかしですよ。このメロディーのクサさ。これだけは本日出演組のどのバンドにもない彼らの武器。そのめくるめく哀メロの波状攻撃に、メロイックサインを突き上げずにはいられないんですよ。

 

最新作からの楽曲を続けざまに披露し、Derdianコールを全身で浴びるメンバーの姿は本当に嬉しそうで、去年のEvoken Festの件と合わせて感謝と敬意を表していました。

 

そしてMCを挟んでからのクサメロスピアンセムEternal Light」でフロアの興奮は沸点に。クサすぎるリードギターのフレーズはものすごくしょうもなくて、ありえないほどクサい。こんな旋律に喜んじゃうのですから、僕の感覚もだいぶメタルに毒されてしまっているな(笑)

 

日本のファンに向けた楽曲の「Never Born (Japanese Version)」「Red And White」は予想通りもちろんプレイされました。特に後者の歌メロのクサさは異常としか言えん!

 

単純なクオリティー面で言えば、B級もいいとこなのでしょうが(ただアイヴァンのヴォーカルはかなり声が出ていた)、日本のファンのために最大限敬意を払ってプレイしてくれた彼らには感謝ですね。頻繁にDerdianコールも巻き起こる盛り上がりで熱い時間でした。

 

 

Orden Ogan

 

Rakshasaがプレイしていた頃からずっと大きなバックドロップがあり、出番になるとちょっとしたステージセット(ウエスタンっぽい雰囲気を醸し出す壁で、なんとなく「カスカベボーイズ」を思い出しました/笑)まで用意されていた彼ら。今回のメンツの中で一番お金を持っているバンドなのでしょうか。

 

赤ちゃんのように真っ赤なホッペが特徴のヴォーカルのセバスチャンを筆頭に、統一感あるいで立ちで登場すると「To New Shores Of Sadness」からスタート。思いっきりガンマンが描かれているバックドロップに、このステージセットなのだから、てっきり「Gunmen」をオープニングに持ってくると思っていましたが、これは予想が外れた。まあ3曲目にやってくれたので"アーーイアーームザーーガンマーーーン!!"と思いっきり歌えたからいいけど。

 

アルバムを聴いた限りでは、メロディーのキャッチーさはそこそこで疾走感もさほどではない、という印象だったのですが、ライヴにおいてもほぼ同様。シンプルで適度な馬力とメロディアスさを備えたパワーメタル。

 

全体的にドラムがかなりパワフルであるため、それほど疾走していなくても力強さがダイレクトに伝わるのが美点ですね。その力強いリズムとテンポ故か、ヘッドバンギングのタイミングが非常にわかりやすいのもマル。フロントの3人が一斉に頭を振り乱すのに合わせてこちらも振れるのでノリやすいことこの上ない。

 

ゆったりとしたテンポの曲でも、剛直なサウンドによって決して弱弱しく響かない。「Come With Me To The Other Side」は、その荘厳な雰囲気を携えたサビのコーラスのメロディーがなかなかに圧巻でした。こんなこぢんまりとしたライヴハウスではなく、もっと大きな野外のステージで観たいなコレは。

 

ちなみに本来はギターヴォーカルであるセバスチャンがハンドマイクでヴォーカルを務め、ベーシストであるニールスがギターを担当していました。MCによるとセバスチャンが左手の親指をケガしたため、ニールスに代わってもらっているとのことでした。

 

「誰もベースなんか必要としていないんだな」とベースの存在感が薄くなりがちなヘヴィメタルというジャンルにおいて、笑っていいのかいまいちわからんジョークを飛ばしていましたが、実際同期音源によるベース無しのアンサンブルでも違和感なく聴けちゃいましたね...。

 

 

NOCTURNAL RITES

 

昨年10年ぶりの復活を果たし、アルバムも発表した熱きメロディックメタルバンド。2007年以来の来日を待ち焦がれていた人も中にはいたのではないでしょうか。まあ僕は当時彼らのことなど全く知らなかったので、感慨深さはあまりなく普通の来日公演といった感じですが。

 

最新作からの「Before We Waste Away」という彼ららしさはしっかりあれど、オープニングとしてはやや地味目な曲からスタート。オーディエンスの反応もまあまあといったところか。

 

しかしその後に繰り出された「Call Out To The World」のイントロのリフが響いた瞬間に一気にアドレナリンが爆発。まさかこの強烈なエモーションを感じさせるサビを持つ名曲がこんな序盤に聴けるとは!!情熱的なサビを全力で歌う歌う!!!

 

さらに序盤から「Avalon」「Still Alive」の2連発をやられちゃあね...。満足するなというのがムリな相談ってヤツです。ジョニー・リンドクヴィストの"熱さ"を感じさせる絶唱と、この叙情性とスケール感を完璧に宿したメロディーはやはり相性抜群。"ライズッ!アーーヴァローーーン!!"と共に歌わずにはいられません!

 

去年加入した元SCAR SYMMETORYのペル・ニルソンに注目していましたが、やはり期待通りのバカテクぶり。ギターソロはほぼすべて彼の手によるもので、ちょっと無機質めいた箇所もあれど圧巻の速弾きをバリバリこなす。演奏パフォーマンスで本日最も注目を集めていたのは間違いなく彼でしょう。

 

そんなストイックに演奏に徹していたペル・ニルソンとは異なり、リズムギターのフレドリックとベースのニルスは和気あいあいとした雰囲気で積極的にお互いに絡みに行く(ニルスはジョニーに頻繁に小突かれていましたが)。微笑ましいは微笑ましいけど、ペル・ニルソンも仲間に入れたげて!とちょっと思いました(笑)

 

ところどころバックの音圧によりコーラスが聴き取りにくい箇所があったことこそちょっと不満ではありますが、彼らの熱いメロディーセンスが炸裂した名曲の数々を生で堪能することができて満足です。メロディックメタルかくあるべし!

 

こうして14時~22時という8時間にもおよぶメタル祭りは終了。どのバンドもなかなか見ごたえがあり、トリのNOCTURNAL RITESは素晴らしい楽曲を数多く演奏してくれて、非常に濃厚な一日となりました。

 

......ただ今回のこのEvoken Festに来た多くの人が同じことを思ったでしょうが、さすがにちょっとバンド数が多すぎる&時間が長すぎると思う。8時間ですよ8時間。

 

まだ20代で、モッシュピットに揉まれることも慣れている僕も、ラストのNOCTURNAL RITES前にもなると足にかなりの痛みが走りましたからね。ずっと最前をキープしていた人なんか、相当キツイ思いをしていたのではないかと思うのですが。たとえ体重を預けられる柵があったとしても。

 

マニアックなバンドを多く呼んでくれるEVPさんには感謝感謝なのですが、もう少し快適な環境をどう作るかにも目を向けていただければな~と贅沢な願望を抱いてしまいました。

 

まあ一番の要望は今後もいろいろなバンドを呼んでほしい、というものですが、これだけメンツを集めたにも関わらず、LIQUIDROOMがソールドしなかったのはちょっと心配。YamaさんのTwitterを見るかぎりあまり運営状況は良くないらしく、赤字公演になることもしばしばのようです。今後果たしてどうなっていくか...。