ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

sumika 『Familia』 (2017)

sumika 『Familia』

ここ最近は出す作品がオリコントップ10に安定して入るようになり、とうとう今年、日本武道館2Daysを成功させた(まあ最近は武道館の安売りを感じなくもないですが...)ポップロックバンドの1stフルアルバム。

 

去年発売のアルバムの感想をなぜ今になって書いたのかと言いますと、まあただ単に書き損じたままダラダラと時間が過ぎていっただけなのですが(笑)、きっかけは9/7放送のミュージックステーションに彼らが出演していたことです。

 

金曜日はまっすぐ家に帰らず東京の繁華街やらCD屋さんやらをブラブラすることが多いのですが、何気なく眺めたTwitterトレンドの1位に彼らの名前が上がってきており、そこでMステに出演していたことを知った時にはもう21時を回っていました。

 

自分の好きなバンドやミュージシャンが地上波に出演することは珍しいだけに、「事前に出演することを知ってればまっすぐ家に帰ったのに~」と悔しい気持ちに苛まれ、その後悔の念を晴らすために感想を書き散らしております(笑)

 

まあそんな僕の事情はさておき、初のフルアルバムとなった本作は、従来の彼らの作品を気に入った人からすれば一切期待を裏切られることのない良質なポップロックとなっています。

 

繊細なピアノやキレイな弦楽器を活用した軽めのバンドサウンドに、ほんのり切なさを秘めたような温かみのあるメロディーが全編を覆っており、聴いていてとても心地よい気分にさせてくれる。そんなメロディーと相性バツグンの片岡さんの一切トゲの無いヴォーカルも相変わらず素敵です。

 

これはアレですね、ゴチャゴチャした毎日で鬱積した感情をハード&ヘヴィなサウンドでブッ壊したあとに聴いて、疲れ切った体に染み渡らせて癒されるタイプの作品ですね(本作に限らず彼らの作品は僕の中ではみんなそういう立ち位置ですが)。

 

基本的な楽曲の骨格はいたってポップで爽やか、健康的な優し~い音で統一されています。MVも作成されたM2「春風」はバックのピアノが叙情美を存分に演出しつつ、タイトルから想像されるものと違わない優しいメロディーに癒される、いかにも彼ららしい良曲。

 

M4「KOKYU」やM11「Summer Vacation」のような少し趣の異なる楽曲を配し(前者は金井さんが歌えばまんまBIGMAMAになりそう)、先行で公開されていたM3「Lovers」やM9「MAGIC」のような愉快で快然たる楽曲、アップテンポでシンガロングもあるM10「アイデンティティ」、アコギが目立ちどこか牧歌的な雰囲気も漂うようなM6「ここから見える景色」なども収録、多少アルバムの幅を広げようという意思は感じられるものの、共通するのは耳なじみの良い歌メロと演奏。一本芯が通ってます。

 

ラストに僕のフェイバリットナンバーであるM12「「伝言歌」」、切なく甘酸っぱい胸キュン(笑)メロが絶妙なM13「Door」で締める構成もキレイで良いですね。聴き終えた後非常に晴れやかな気分になれますよこの流れは。

 

もしMステや「君の膵臓を食べたい」で彼らに興味を持った人がいれば、ぜひぜひ本作に触れてほしいところです。Mステは見てないし、映画の内容もよく知らない僕が言うのもアレですが(笑)

 

あと音楽とは関係ないことですが、サウンドの魅力の中核を担うキーボード担当の小川貴之さん(通称おがりん)は、かつて「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」にて「自転車のパフパフ音」「雅楽」「豆腐屋」などを無駄に高いクオリティーで再現し、とんねるずから大絶賛されたあのモノマネ王子であるということを今日になってようやく知りました(笑)

 

M2「春風」 MV

これはショートバージョンで、ものすごくイイところで切られているのでCD買いましょう。

 

M9「Summer Vacation」 MV