MELODIC-HOLIC!!!
何て!何てキッズの特徴・精神を的確に表したタイトルでありましょうか!!僕も中高生の頃は完全なるMELODIC-HOLICだったなぁ...。
大学入試前の模試のせいで毎年12月にZepp Sapporoで行われているライヴイベント・POWER STOCKに行けなかったことが今でも悔やまれるなあ...。まあ大学進学を機に関東へ引っ越したため、おいそれと行けるイベントではなくなってしまったのですが(ちなみに今年のパワストのラインナップ、全組観たことあるとはいえ個人的にはかなり豪華で観てみたい)
さてそんな素晴らしいタイトルを引っさげた堺のオッサンGOOD4NOTHINGの去年発売の最新作。キッズのためのメロディックハードコアをただひたすらに突き詰めてきた彼らだけに、本作の出来も文句なし。特に個性的と言えるものではないものの、クオリティーの低い作品は一枚たりとも作らなかった彼らだけに当然と言えば当然ですね。
M1「FOUND」から早速気持ちの良いサビで突っ走るキャッチーなメロコアで、カラッとした雰囲気の西海岸メロコアを想起させつつも、どこか叙情性あふれる素晴らしいメロディーは相変わらず。M2「STILL」もどこか切なくも拳を振り上げシンガロングしたくなるG4Nらしいメロディックチューンでこれまたキッズ大喜び。
本作に限ったことではありませんが、G4Nの曲ってポップさと哀愁のバランスがすごく良いんですよね。アメリカのパンクバンドに思いっきり影響を受けた音ながら、ただ単に底抜けに明るいポップパンクに陥らず、切ない憂いを忍ばせているのが個人的なツボを突いてくるのです。演奏もタイトでヴォーカルも上手いため軟弱な印象も与えないのもポイント高い。
特にM10「IT'S NOT ALRIGHT」~M11「LOVE SAVES ALL」というもの哀しさをたたえた楽曲2連発はグッときますね。特に前者は本作中特に哀愁に寄り切った曲で歌メロがとても心地よい。
M8「TEENAGE DREAM」やM12「A.P.R.S.」のような、哀愁よりもアホみたいな明るさを前面に出した楽曲も、タイトな演奏と勢いでナヨっとした細~い印象を感じさせないためにノリノリで聴けちゃいます。特にM8はライヴでの盛り上がりが期待できそうですね。僕もフロアでモッシュしながら"Get down! Get down!"したい。
今メロディックハードコアと呼ばれるジャンルはだいぶ下火になっている印象で、一部の高い人気を誇っていたバンドたちを除けば、多くのバンドの姿が目立つ形で出てこなくなってしまいました(だからこそNAFTとかSMASH UPといったバンドがまだ活動していたことにビックリ)。今人気のある若手メロコアといえばWANIMAと04 Limited Sazabysで、あとはせいぜいDizzy SunfistとかENTHあたりが続いてるくらい?まあどこから若手と見なすかは難しいかもですが。
そんなパンクシーンの中、一切自分たちのスタイルを曲げずに活動し続け、毎回洗練された"THE メロコア"を提供し続けるこのバンドの存在は本当に貴重。同系列のdustboxやHawaiian6といったバンドと比べ商業的な成果がさほどでもないのが歯がゆいですが、今後も全国のMELODIC-HOLIC達のために、ガキ臭くて速い楽曲を量産していってほしいです。We love MELODIC.
M1「FOUND」 MV
M6「IN MY EYES」 MV