ドイツ出身のメロディックデスメタルバンドの2ndフルアルバム。ディスクユニオンが結構力を入れてプッシュしており、先行公開されていた楽曲が気に入ったので購入してみました。
メロディックデスメタルというジャンルをCARCASSや初期IN FLAMESのような慟哭の旋律をリードギターが紡いでいく古き良きスタイル、Children Of Bodom以降のモダンでキャッチーなスタイルに大きく分けるとするなら、彼らは後者に分類されますね。
モダンなヘヴィさを際立たせたギターがガシガシとリフを刻み、ここぞというところでメロディックなフレーズを奏でる。そして透明感あふれるシンセ(メンバーに選任のシンセ奏者はいませんが)がこれまたキャッチーに舞う。
ちょっとおおざっぱに言い切ってしまえば4th『Hate Crew Deathroll』、5th『Are You Dead Yet?』の頃のChildren Of Bodomのフォロワーです。特に4thからの影響が濃そうな気がします。
本作はモダンさとキャッチーさを共存させていたボドムライクな音を、かなり高いレベルで表現することができている。こいつはなかなかの強力作ですよ!
まずイントロから続くM2「Once And For All」が彼らの美点が発揮されまくった名曲。アタマのギターのフレーズからして早速メチャクチャキャッチーでカッコいい!サビ裏で流れるシンセもいかにもボドムっぽい北欧的な冷気(彼らはドイツのバンドだけど)もメロディーと合わせてグッとくるんだな。モダンなリフのカッコよさももちろんある。
M5「Headfuck Rollercoaster」は叩きつけられるようなドラムのビートと高速ヘヴィリフが絡み疾走するイントロからインパクト大。サビにて繰り広げられるギターなんかモロにChildren Of Bodomです(笑) これは『Hate Crew Deathroll』に収録されてても違和感ないかも。ついでに言うと曲名もボドムっぽい(笑)
まあそれはつまり全盛期Children Of Bodomに引けを取らない名曲であるということ。現在本家においてやや物足りなくなってしまった印象に残るメロディーがここにはある!!
全11曲、ほとんどの楽曲が3~4分台とコンパクトにまとめていてダレずに気持ちよく聴き通せるのも素晴らしいです。ただでさえ長い曲、アルバムが苦手な僕は、エクストリームメタルが延々続いちゃうと疲れてしまうので、この収録時間はありがたい。
ギターのフレーズを主軸にした曲、シンセが印象的なメロディーを担う曲、スピードを抑えリフの力で進む曲など、多少のアプローチの差異はあれど、全体的な楽曲の方向性は一切ブレていないのも頼もしい。散漫な印象を与えないので収録時間の短さと相まって一気に気持ちよく聴けます。
そして何より楽曲の平均点がとても高い内容ながら、突き抜けたキラーチューンがあることが最大のポイントです。タイトルトラックであるM10「Dead And Alive」、この曲のカッコよさたるや尋常ではない!
のっけからメロディックなギターで爆走した時点で一気に心を鷲掴みにされ、シンガロングも交えた破壊力抜群のヴォーカルワーク、「Go!」の掛け声から流れるように続いていく流麗なギターソロ、そのまま急転直下で静かなパートに突入し、ラストのサビへとつないでいく展開...どれもこれも悶絶級のカッコよさ!!僕の琴線にガッツリと引っかかりました!!
これだけ充実した内容ながら国内盤が出ていないのが不思議なのですが、これは2018年のメロデスを語る上では避けて通れない内容だと思います。COB的メロデス好きならマスト。
M2「Once And For All」 MV
M5「Headfuck Rollercoaster」 Lyric Video