ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Kalmah 『Palo』

Kalmah 『Palo』

発売からもうだいぶ経っていますが今更感想書きます。

ここまで遅れてしまった理由は特になく、何となく書かずにいたらいつの間にか間が空いてしまったという感じです(笑)

今年の上~中期に買ったCDで感想書いていないやつはまだあるので、それらの感想もいずれ上げるかもしれません...。

 

同系列として語られるChildren Of Bodomがモダンなヘヴィさを導入して世界的な知名度を得ることに成功したのに対し、今なお北欧由来のフォークメタルにも通じるようなメロディーを奏で続けるメロディックデスメタルバンドの8thアルバム。

 

本作も冷たい叙情性をキーボードを中心に演出し、アグレッシヴさ以上に哀愁、メロディアスさを前面に押し出した作風は一切ブレておらず、過去作を気に入っている人や、北欧メロデス好きは期待を裏切られることが無いでしょう。

 

基本線は北欧臭を撒き散らしつつ厳かに展開していくスタイルで、他のエクストリームメタルバンドと比べてモッシュやサークルピットで暴れるようなノリはあまり似合わない、純粋にメロディーに心身を浸すのが相応しい音。実は意外とブラストビートを用いて爆走するパートや、バスドラ連打で勢いを増すパートもふんだんに設けられているにも関わらず、あまりダイナミックさを感じないのはこれいかに(笑)

 

M3「The World Of Rage」やM6「Paystreak」などはリードギターとキーボードが存分にメロディーをかき鳴らしており、彼らのメロディーメーカーとしての才覚がいかんなく発揮されています。イントロのピアノが非常に美しく響き、それと同じメロディーをギターで展開していくM5「Take Me Away」も良いですね。

 

アルバム後半は疾走感が増し、前述のM6から続くM7「Waiting In The Wings」~M8「Through The Shadow Water」~M9「Erase And Diverge」という勢いに満ちた楽曲3連打がなかなかに強力。もちろん北欧の冷気をまとったキーボードを主軸としたどこか垢抜けないメロディーはそのまま。

 

北欧メロデスとして特に文句をつけるような作品ではないと思いますが、やはり全体的にちょっと地味で、これぞ!っていうキラーチューンも無いため(捨て曲も無いけど)、僕の中では「なかなか良い」以上の評価には届かないかな...という印象です。まあ下手にヘヴィさに色気出して彼らの最大の魅力である北欧叙情美が損なわれてしまうのは嫌ですし、このままのスタイルで続けるのが正解なんでしょうね。

 

かつての大名曲「They Will Return」のようなド派手さは望めず、いつまでたっても地元のメロディーの雰囲気が抜けないため、Children Of Bodomのような世界的な成功は恐らくしないと思いますが(笑)、哀愁メロデスリスナーの心のよりどころになるバンドとしてマニアには今後も支持され続けるバンドでしょう。

 

ちなみに国内盤ボーナストラックのM11「Lovers On The Sun」はまさかのデヴィッド・ゲッタのカバーですが、彼らの楽曲として拍子抜けするほど違和感なく成立してる感じ。ラスト付近の爆走、ピロピロギターソロがインパクトあります。

 

M1「Blood Ran Cold」 MV

 

M5「Take Me Away」 MV