ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

STRIKER 『Play To Win』

STRIKER 『Play To Win』

いや~~~コイツはイイですね!

 

カナダ出身の正統派ヘヴィメタルバンドの6枚目のフルアルバム。今でこそ正式メンバー5人による編成ですが、ここに至るまでメンバーの脱退やNapalm Recordsとの契約切れなど、色々と困難を経験してきたそうです。

 

2012年発表の2ndで日本デビューを果たしたそうですが、僕が彼らの音に触れるのは本作が初。試聴機からいきなり聞こえてくるキレのいいメタリックなリフとパワフルなヴォーカルで「こりゃ買いだな」と思いましたが、その期待を決して裏切らない出来でした。これはカッコいい。

 

何の混じり気もない正統派メタルの音を骨格とし、普遍的な魅力に満ちたキャッチーな歌メロ、そしてヴォーカルのダン・クリアリーによる、ハイトーンを武器とした熱すぎる歌唱!まさにヘヴィメタルファンが求める「カッコいいヘヴィメタルを見事に体現した楽曲が並びます。

 

何となくですが"より正統的なメタルに近づいたDYNAZTY"みたいな印象を受けましたね。ヴォーカルの熱唱ぶりも近いものがありますし、攻撃的だけどモダンな印象は与えない演奏も共通していると言えます。

 

M1「Heart Of Lies」はのっけから攻撃的なヘヴィリフが叩きつけられ、リードギターと共にアップテンポに展開、つんのめるような勢いは殺されぬまま、雄々しいヴォーカルが見事に歌い上げる。一発目から熱い熱い!!

 

M2「Position Of Power」は先ほどの勢いを少し落とし、よりキャッチーさを押し出した楽曲ですが、それでも堂々と歌い上げるパワフル極まりないヴォーカルとタイトな演奏はそのまま。メロディーをしっかり奏でるギターソロも文句なしにカッコいい。

 

正統派と呼ばれる音でありながら古臭さはほとんど感じさせず、躍動感と勢いに溢れ、ヴォーカルも演奏も上手く、そしてメロディーはキャッチーでクール......まさに「これだよこれ!こういうヘヴィメタルが好きなんだ!!」と言いたくなってしまうサウンドがギッシリ。

 

特に気に入ったのがM4「On The Run」。メタルとしての攻撃性以上にハードロック寄りのキャッチーさが目立った楽曲で、熱すぎるヴォーカルが彩るサビは絶品の一言。このサビに熱くならない、声を上げたがらないメタルヘッズはいないのではないか、そう思わせるほどのスケール感に満ちた名曲です。

 

惜しむらくはアルバムの中盤から後半、バラードのM7「Standing Alone」以降において、前半のテンションの高さが若干落ち着きスローダウンしてしまう点。

 

もちろんどの曲も良い曲ではあるし時間も短いので、退屈さや冗長さを感じることはないのですが、いかんせん前半がキレキレの勢いに満ちた名曲揃いだったために、相対的に気持ちの昂りが落ち着いてしまうかも。メロディーもそこまで派手ではないし。

 

後半にもう1曲アグレッシヴでキャッチーなナンバーを配してくれれば、アルバム全体としてなお良い作品になったのではと思います......が、それでも本作が正統派を愛する人が拳を握りしめ熱くなれる、素晴らしいメタルチューンの宝庫であることは疑いようのない事実。

 

ちなみに国内盤ボーナストラックは彼らのオリジナル曲に加えて、Judas Priestの有名曲「You've Got Another Thing Comin'」のカバーが収録されており、こちらも充分に良い出来(ライナーノーツでは「あくまでおまけという感じ」とのことですが)。ダンの良く通るクリアな声により、オリジナルより幾分爽やかな印象です。

 

M1「Heart Of Lies」 Official Lyric Video

アルバム冒頭でこれやられちゃ、アガるなっていうのは無理な相談ってヤツです。

 

M3「Head First」 MV

サビの"Head first!"のシンガロングが熱いぜ。