ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

BIGMAMA 『-11℃』

BIGMAMA 『-11℃』

前回のCD感想があまりのキワモノだったので、今回はキレイでまっとうなアルバムの感想を書き、ブログ内の空気を中和しようと思います(笑)

 

ずっと前から安定した人気を誇っていながら、意外にも今年に入ってようやくメジャー所属となったヴァイオリンを有したエモロックバンド・BIGMAMAのメジャー初、通算8枚目のフルアルバム。

 

前作『Fabula Fibula』はお世辞にも満足のいく出来とは言い難く、今作に対する期待もさほど高くはありませんでした。

 

また公式によると"BIGMAMA史上、最もCOOLなNEW ALBUM"とのことですが、このバンドはヴァイオリンがいることを最大限活かした叙情性こそが魅力だと考えている僕は、彼らにCOOLさは求めていなかったりします。「変にシリアスなロック色を打ち出して、今回もまたメロディーがつまらなくなっちゃうんじゃ...」と発売前は若干警戒。

 

そして案の定、M1「YESMAN」は壮麗なアレンジこそ悪くないものの、どうも歌メロが心に引っかからない地味目な曲で、しかもそれが4分半もあり、先行きがさらに不安になる。

 

「こりゃ前作と同じ轍を踏むのか...」と思いながらも聴き進むと、M2「Ghost Leg」はやや落ち着きすぎな出だしながらも、ヴァイオリンがバックで舞うサビはなかなかにキャッチーで、ラストにかけての展開もほどよく哀愁が効いていていい感じ。

 

これまたキャッチーに疾走するサビと、ドラマチックな曲展開が聴きどころのM3「Strawberry Feels」、M4「Insomniark」で本格的にエンジンがかかると、彼ららしいヴァイオリンの叙情性を押し出した楽曲が立て続く。ほぼすべての楽曲において、前作より明らかに歌メロが豊かになっているのがうれしいところ。

 

ただ全体的にちょっとソフトすぎるというか、ロックとしての攻撃性がほとんどないのはちょっと物足りないかも。元々攻撃性を売りにしていたバンドではないし、「Look at me」「little cloud」のような初期のパンキッシュな曲はもう望めないとわかってはいても、さすがに優しくなりすぎじゃないですかね?

 

とはいえほとんどの曲がアップテンポでまとまっているし、M6「POPCORN STAR」のように最初から最後まで叙情性を保ちながらわかりやすく疾走する曲も配されていて、聴き通したときの気持ちよさはしかとしたものがあります。聴き疲れなどという言葉とは無縁!

 

アルバムの後半にM11「CRYSTAL CLEAR」という、タイトル通りの美しい透明感を感じさせる曲をもってきているのも、聴き終えたときの気持ちよさの増強に一役買っていますね。M3、M6と並んで本作のベストチューンだと思います......って全部既発のシングルに入ってる曲だな(笑)

 

もう少しロックバンドとしての勢いを出してもいいんじゃないの?とは思いましたが、まずはメロディーのキャッチーさを全体的に増量してくれたことに感謝!せっかくメジャー行ったんだからこのまま調子を上げていってほしいです。

 

M9「Step-out Shepherd」 MV

 

本作のトレーラー