ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

GAMA BOMB 『Speed Between The Lines』

GAMA BOMB 『Speed Between The Lines』

これまた何ともコメントしにくいジャケだなあ(笑)

 

前作『Untouchable Glory』が輸入盤のみの販売ながら、スラッシャーを中心に香ばしい話題を振りまいた、アイルランド出身のスラッシュメタルバンドの最新作。本作でめでたく国内盤デビューを果たしました。

 

スラッシュメタルといえば、邪気をプンプン携えたSLAYERやKREATOR、暴力的なまでのアグレッションを貫くOVERKILLやEXODUS、ダークでシリアスなテーマを持ったMETALLICAMEGADETHのようなサウンドが挙げられます。

 

しかし彼らにそういった不穏なムードや暴力的なエネルギーはかなり希薄。ANTHRAXあたりに通ずる、どこか愉快で楽し気、良い意味で間の抜けた雰囲気が味わえる、ユーモアに満ちたスラッシュメタルと言えます。

 

とはいえもちろんスラッシュメタルの矜持はしかと持ち合わせており、モッシュやサークルを促しまくる突進力とザックザクのギターリフは文句なし。勢いならSLAYERにだって引けを取っていないぞ!!

 

40分弱のランニングタイムで若干のテンポの起伏を設けつつも、ひたすらまっすぐなスラッシュサウンドで突き進む展開は潔さMAX。基本的にスラッシュメタルって何も考えずに勢いに任せて聴ける、快感指数の高いジャンルであると思いますが、その中でもこのバンドの音は極北。次から次へと高速のリフリフリフ......まさにスラッシュ入れ食い状態!

 

基本的には爆走に次ぐ爆走でスラッシーなリフを刻みまくり、たま~に少し速度を落としてアップテンポでノリノリになりつつ、豊富なシンガロングパートでリスナーのテンションを底上げ。ほんのりキャッチーさをにじませた歌と、ここぞというところで飛び出す速弾きギターソロでさらに楽曲をスリリングに、魅力あふれるものにしている。

 

あと所々で炸裂するフィリー・バーンのミョーチクリンな高音ヴォーカルもまた外せないポイントですね(笑) このヴォーカルスタイルのおかげで、楽曲の端々からとっつきやすいユーモアがにじみ出ていて、おバカで楽し気な雰囲気を醸し出しています。

 

特にM4「Bring Out The Monster」はMVも合わせて最高に楽しい(笑) それに続くM5「R.I.P. U」も素っ頓狂な奇声から幕を開けるものの、ヘヴィでリズミカルなリフは文句なしにカッコいいからズルいです。

 

個人的にはサビ終わりのキメのフレーズである"666teen!"が最高にカッコいいM3「666teen」、キャッチーな要素を含んだイントロのフレーズと、複雑に練りこまれたギターリフ、中盤のリズム落ちパートから切り込まれるギターソロに痺れるM6「Motorgeist」、ドラムの暴れっぷりが凄まじく、SLAYERばりの早口ヴォーカルと共に疾走するM7「Alt-Reich」が特に気に入りましたが、その他の曲も捨て曲は一切なし。今ここまでピュアなスラッシュは珍しいのではないでしょうか。

 

「エクストリームメタルならばダークで邪悪であるべし!」という人はともかく、ガムシャラでバカ正直なまでの疾走感と、ザクザクのリフの洪水を味わいたい血気盛んな人は必聴であると思います。単純な聴き終わった後の快感は、今年出たアルバムの中でもトップクラス。

 

M4「Bring Out The Monster」 MV

スラッシュメタルのMVでここまでホッコリするものはないと思います(笑)

 

M3「666teen」 Official Lyric Video (オススメ!)

Happy birthday 666teen!