ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

CRYSTAL LAKE 『HELIX』

CRYSTAL LAKE 『HELIX』

ここ最近のヘヴィミュージックシーンにおいて、今最も勢いに乗っているモダンメタルコアバンドの最新作。

 

自身がヘッドライナーを務める海外ツアー、国内外から強力なメンツを集めたTRUE NORTH FESTIVALの成功を通して、自分たちのアイデンティティーが"ヘヴィ"であることを認識したらしく、注目度を高めつつある中、キャッチーな路線に走ることなくさらにチューニングを下げ、ヘヴィネスを極める道を選んだ彼ら。日和らない硬派な姿勢が何とも頼もしいではありませんか...!

 

そして本人たちがそう言うように、本作は従来作よりヘヴィな攻撃性と突進力を増した仕上がりに。

 

まず何と言っても、語りのみのイントロであるM1「HELIX」から続くM2「AEON」がとんでもねえ超強力な一撃。Ryoさんのブチ切れまくった叫びがのっけから炸裂し高速リフと共に爆走、ブラックメタル張りのブラストビートも、デスコア並みのリズム落ちパートとグロウルも飛び出すわで、終始圧倒されっぱなし。

 

正直この曲の衝撃があまりにも強すぎて、以降の楽曲にこれ以上の山場が見いだせないと言えなくもないのですが、もちろん後続の楽曲群も充分以上の破壊力は有しています。

 

うねりまくるヘヴィリフにラップ調のヴォーカルが絡み合うニューメタルナンバーM4「+81」、ヘヴィさは一切損なわれていないものの、サビ裏のクリーンコーラスとギターを中心に、メロウな叙情性を強く感じさせるM5「Lost In Forever」、コーラスがやけに耳に残る、本作中最も体感速度の速い爆走チューンM8「Hail To The Fire」など、エグすぎるほどに凶暴な楽曲が目白押し。

 

演奏面では特にサポートメンバーである田浦楽さんのドラミングがあまりにもすさまじい。アルバム全編においてヘヴィかつ起伏の激しい楽曲のリズムをがっちり支え、時折飛び出すマシンガンのような爆速バスドラ連打には開いた口が塞がらない...。僕とほぼ変わらないくらいの若いプレイヤーであるのに、末恐ろしいとはこのことですね...。

 

そして従来の彼らの楽曲にも見られた、叙情系ポストロックのような浮遊感あるクリーンなパート、キレイな女声コーラスなどもふんだんに取り入れられています。ガッチガチのデスメタルやデスコアのような禍々しいアンダーグランウド臭はほぼ無く、メジャー感ある音作りになっているためか、これほどまで攻撃的な音ながら不思議なほど聴きやすいのも良いですね。

 

特にM9「Devilcry」以降の楽曲はその傾向が強いのですが、決してナヨナヨっとした雰囲気にも陥らず、硬派でヘヴィなサウンドを貫いているのが潔くて好印象です。ラストのM12「Sanctuary」はガッツリ疾走して、ヴォーカルも思いっきり喚き散らしているのに、透明感ある音作りのためメロウな印象も非常に強く、じっくり浸るような楽しみ方もできる。

 

冗談抜きに今の日本のメジャーシーンにおいて、これほどまでパワーのある激音を生み出せるバンドはそうはいないのではないでしょうか。YouTubeのMVとかでもかなり海外からのコメントが多いようですし、日本のメタルにCRYSTAL LAKE在り!みたいな扱いになる日もそう遠くはないかもしれません。

 

今のところヴォーカルとギター二人の三人が正規メンバーでリズム隊はサポートなのですが、早いところバンドとして一枚岩になって、今まで以上にガッツリと活動できるようになってくれると嬉しいですね。田浦さん、Bitokuさん、本格的なCRYSTAL LAKEでの活動...どうですか!?(まあ本人は絶対こんなブログ見てないだろうけど/笑)

 

現在バンドはBURY TOMORROWのヨーロッパツアーのサポートをしており、現地のメタルヘッズの心を掴んでくれていることを願っています。

 

M2「AEON」 MV

まずは黙ってこの曲を聴きましょう。そして圧倒されましょう。

 

M11「Apollo」 MV