2019年始まって最初のCD感想、何がいいだろうかと考えましたが、やはり彼らの作品以外ないだろうと思いました!
5人組プログレッシヴメタルコアバンド・Earthists.(アーシスツ)の、昨年発売された待望のセカンドアルバム。このバンドをプッシュする理由については下記をご覧ください。まあ身内びいき的な感じです(笑)
国産Djent系プログレッシヴ・メタルコアバンドEarthists. デビューアルバム発売決定
そんなEarthists.の前作『DREAMSCAPE』からわずか1年半ほどというスパン届けられたニューアルバム。For The Fallen Dreams、Within The Ruins、ERRAなどの海外バンドとのツアーに帯同するなど、積極的に海外勢を巻き込みながら、音源リリースもしっかり抜かりなく行う...頼もしい限りです。
そして本作の出来は前作と方向性はだいたい一緒で、ヘヴィな側面を前作からさらに増強させた"正統進化"と呼べる内容。Yuiさんのデスヴォイスはさらに破壊力を増し、もはや一線級と呼べるほどの迫力。ギターサウンドも俄然ヘヴィな音圧を響かせていて、軽さはもう完全に消滅したと言っていい。
しかし僕個人として前作以上に気に入ったかといわれると、実はそうでもないというのが本音。
僕はやはりヘヴィさ以上にメロディアスさ、キャッチーさを重視するリスナーです。本作は単にヘヴィなだけでなく、ピアノを活かした幻想的なパートや、クリーンヴォーカルによるメロウなパートも随所に盛り込まれてはいるのですがメロウではあってもキャッチーではないというか。
MVが作られたM6「DOGMA」はサビでクリーンヴォイスによるメロディーをなぞる歌唱が聴けるし、まるで現代ジャズのようなピアノが目立つM9「OCEANS」のような楽曲も用意されてはいます。
しかし前作の「Winterfell」のイントロや、「Resonating Light」のサビのようなグッとくる瞬間は無く、もうちょっとエモーションが欲しかったかなあ~という感じ。ちょいとばかし無機質過ぎたか。
やはり本作はメロディーよりもヘヴィでプログレッシヴなサウンドを重視した感じで、ライヴで暴れやすいという意味では前作を超えていると思われます。特にドラムがいい感じで暴れ散らしており、時にはブラストビートが飛び出すことも。
良くも悪くも海外のモダンメタルコア・ポストハードコア勢と壁を感じさせない音なので、日本のメタルバンドの野暮ったさやダサさは皆無といって良い。そういったダサさを苦手とする人(メタル・ラウドロック好きの激ロックキッズに多いと思う)にはかなり満足度の高い一枚と言えるかもしれません。
個人的にはこのスタイリッシュさをキープしたうえで、なおかつ心に刺さるメロディーが聴ける楽曲を期待しています。まあそんな曲作るのは容易ではないと思いますが、「Winterfell」が作れたのならこのバンドにはそれができるでしょう!Yutaさん、お願いします!!(笑)
M4「LEAVES」 MV
M6「DOGMA」 MV