ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ETERNITY'S END 『Unyielding』 (2018)

ETERNITYS END 『Unyielding』

2014年に元OBSCURAのギタリスト、クリスティアン・ミュンツナーが中心となって結成された、ネオクラシカル・パワーメタルバンドの2ndフルアルバム。

 

そのクオリティーの高さで話題を振りまいた1stアルバム『The Fire Within』発表時にはメンバーが固定化されていなかったようで、当時ヴォーカルを務めていたイアン・パリーは現在おらず、本作から参加したのは何と元HIBRIAのユーリ・サンソン。

 

HIBRIA脱退後は料理人になる的なお話があったと思いましたが、こうしてメタルヴォーカリストとして活動してくれるのは嬉しい限りですね。あの超絶ハイトーンヴォイスは封印させるのはあまりにももったいないと感じていただけに。

 

そんなこんなで本作の出来ですが、これがまた事前の期待にしっかりと応えてくれる強烈な仕上がり。

 

ネオクラ要素を遺憾なく発揮するピロピロギターとキラキラシンセの絡みが至る所で飛び出しつつ、非常にヘヴィで濃密、かつスピーディーなメタルサウンドで突っ走る様は、絶大なインパクトを放っています。

 

ヘヴィで勢いあるサウンドネオクラシカルなメロディーを絡めたバンドといえばSymphony Xが思い浮かぶのですが(そのSymphony Xのベーシストであるマイク・レポンドはこのバンドにも参加している)、Symphony Xがやや無機質な印象のプログレメタル路線であるのに対し、彼らはよりストレートなパワーメタル志向。

 

時にGAMMA RAYをも彷彿させるような大仰なコーラスと疾走感、しっかりとキャッチーさを忍ばせた歌メロの快感度はかなりのもので、そこまで熱烈なネオクラ魂を持っているわけではない僕ですら心が熱くなります。必要以上に小難しくなることがなく、単純なパワーメタルとしてのエキサイトメントがある。

 

やはりこれは疾走感重視の潔いサウンドの印象もさることながら、ユーリ・サンソンの熱きヴォーカルパフォーマンスが大きいですね。彼のふり絞るようなハイトーン、絶唱ぶりがさらに曲のテンションを底上げすることに貢献しています。やっぱりこの人はメタルヴォーカリストとしてすごい人ですわ。

 

まず初っ端のM1「Into Timeless Realms」から熱い!熱すぎる!テクニカルなギターソロとシンセの折衷っぷりも見事ながら、サビで非常にキャッチーで壮大なメロディーが聴けるこの曲はオープニングとして申し分なし!

 

本作中特に普遍的なメロディアスさが強く、ギターリフもサビのシンガロングも何もかもカッコいいM4「Blood Brothers (The Oath)」、ド頭にネオクラシカル直系のギターフレーズが飛び出し、メロディーも哀愁が濃くなるM7「Under Crimson Moonlight」といった楽曲も負けず劣らず。

 

アルバム全体を通して豪華で高密度、勢いに満ちたメタルサウンドが聴けますが、その中でもボートラを除いた本編ラストのM10「Beyond The Gates Of Salvation」のサビはまさにキラー。本作中最大のスケール感を持つ名曲です!

 

ネオクラファンはもちろんのこと、それ以上にパワーメタラーにアピールできそうな名盤ですねコレは。速くて熱くてカッチョイイヘヴィメタルが好きならば聴いて損はないはず。

 

ちなみにボートラのM11「The Arsenal」はIRON SAVIORのヴォーカルであり、本作のミックスを手掛けたピート・シールクがヴォーカルを担当していますが、まんまIRON SAVIORの曲になってます(笑)

 

M1「Into Timeless Realms」 Official Audio

 

M4「Blood Brother (The Oath)」 Official Audio