2019年初のライヴに行ってきました!(厳密にいえば1月1日にCOUNTDOWN JAPANがちょっとだけありましたが)
最新作『POWER』を昨年のベストアルバムにも選出した実力派メタルコアバンド・HER NAME IN BLOODのツアー。今回のツアーはメンバー5人の地元に赴くというコンセプトで行っているらしく、ギターのTJさんの地元である柏での公演です。
柏は何度も訪れたことのある馴染みの深い街ではありますが、ライヴで来たことはほとんどなく、摩天楼オペラの時に続いて今回で二回目です。当然ながら今回のハコは初の会場。
新築そっくりさんの上にライヴハウスがあって大丈夫なのだろうか...
この柏ALIVE、規模としてはだいぶ小さいハコで、扉をくぐるとロビーなどはなくそのままキャパ150~200人くらいのフロアに直結する作り。そしてコインロッカーが無い。
コインロッカーが無い。
係員の方に「コインロッカーやクロークってあります?」と聞くと、とても申し訳なさそうに「ないんですよ~」との回答が返ってくる。
おいおいそんなのアリかよ。こちとら思いっきり暴れるつもり満々だったっていうのに。荷物持ったままスタンディングで暴れるなんてムチャだよおい。再入場もできないし。
結局ハーネームのロンTにレザーのジャケット、ジーンズで決めてきたというのに、およそメタルには似つかわしくないトートバッグを足元に置いて、フロアの端っこの方で観るハメになりましたとさ。まあヘドバンできればいいんだけどさ...
VERSUS THE NIGHT
まず最初に登場したのはゲストアクトのVERSUS THE NIGHT。元FACT、現Joy OppositesのAdamさんが在籍していて、だいぶ前に解散したものの最近になって再び活動しだした...ということ以外はほぼ知らないバンドでした。YouTubeでちょっと聴いた感じだと、メタルというよりは叙情系ポストハードコアみたいな感じ。
SEもなくゆっくり登場したメンバー(ドラマーはサポート)は普段着感がハンパなく、ステージの狭さもあってアマバンっぽい雰囲気がプンプン...。ステージパフォーマンスや演奏はしっかりしていただけに、もうちょっと見た目にも気を配ってもいいのではないでしょうか...。
HONE YOUR SENSEのBaraさんと元FACTのeijiさんを足して2で割ったようなルックスのヴォーカルのShoichiさんは、そこまで破壊力のあるヴォーカルというわけではありませんでしたが、クリーン・デス共に必要十分なクオリティーは有していました。
そしてやはりAdamさんは場数を踏みまくっているだけにプレイの安定感やシャウト、低音グロウルもバッチリ。しかしFACTでバリバリプレイしていたAdamさんがいたとしても、やはりバンド自体の知名度のためか、フロアは盛り上がっているとは言い難く、サークルピットを促してもスペースが生まれるだけでほとんど不発だったのは寂しかったですね...
まあ楽曲も決して悪くはない、むしろこの手のポストハードコアとしては良質だとは思いますが、特別何かが優れているというわけでもなく、無難っちゃ無難な感じでしたからね。
HER NAME IN BLOOD
VERSUS THE NIGHTの30分ほどのステージが終了し、いよいよハーネームの登場。7時ちょうど位に暗転しSEの「Eye Of The Tiger」が流れ、相変わらずゴツイメンバーが登場。メイクを施しピアスをがっつりつけたMAKIさん、モッサリしたヒゲが存在感を放つMAKOTOさん、鋲ジャンに長髪という最もメタラーっぽいいで立ちのDAIKIさん、KILLSWITCH ENGAGEのタンクがまぶしいTJさん、そしてゴリゴリマッチョの男前IKEPYさんと、もう見るだけで疲れそうだな(笑)
ガタイの良い男たちが非常に狭いステージに並んでいるだけですさまじい威圧感ですが、今回の会場は演者とオーディエンスとの距離がメチャクチャ近いため、よりメンバーの迫力が浮き彫りになる。とはいえバンドイメージに反してTJさんやMAKOTOさんの笑顔はかなりにこやかでフレンドリーなんですが(ただやっぱりDAIKIさんはちょっと怖い/笑)
しかし改めて再認識できましたが、このバンドの音の迫力はスゴイ。先ほどのVERSUS THE NIGHTと比較してみても、出音からレベルが違うことがわかります。オーディエンスを圧殺せしめんとするヘヴィサウンドは実に気持ちいい!
そんな爆音に扇動されるかのようにフロア中央ではサークルやハードコアモッシュが乱れ狂う。ああ...足元に荷物さえなければ僕も混ざりたかったな...。でもハーコーは怖いから無理か(笑)
今回のセットリストは主役であるTJさんがすべて決めたらしく、後期の正統的なメロディックメタルコアはやや控えめで、初期~中期辺りのダークでアングラ、ヘヴィなメタルコアが中心となっていました。この辺はさすが学生時代BoA以外の邦楽は一切聴いていなかったTJさんといったところか(BoAは韓国の人ですが)
個人的にはブレイクダウンが豊富なゴリゴリのメタルコアよりも、正統派要素を取り入れたメロディックメタルコアの方が好きなので、初期の音源はメチャクチャ聴きこんでいるというほどではなく、「あれ?この曲何だっけかな...」と思ってしまうことがチラホラ(笑) 最新作の『POWER』からはタイトルトラックしかプレイされなかったのはちょっと残念かな。
ただライヴで聴くとこの思い切りヘヴィなサウンドが非常にカッコよく、かつ頭を振りやすいというのも確か。やっぱこの手の音が真価を発揮するのはライヴなのだ!!
狭いステージを最大限動き回るDAIKIさんとMAKOTOさん、積極的に前へ出てきてオーディエンスとコミュニケーションをとるTJさん、超速でバスドラを踏みながらクールに決めるMAKIさん、まさにBAKEMONOのごとき咆哮を上げるIKEPYさんと、ステージ上も見どころ盛りだくさん。これだけエネルギッシュなライヴを見せつけられてじっとしていられるわけがありませんが、ステージングもしっかりと目に焼き付けたいというジレンマ......最高だ。
MCは当然TJさんがメインとなる訳ですが、ここでTJさんのお父さんが会場に来ているということが発表される。僕とちょうど対角に位置する場所(僕は下手側前方、お父さんは上手側後方)で、優しい笑みを浮かべながら観ており、TJさんの笑顔はお父さん譲りなのかなあと思ったり(笑)
「母ちゃんは早いうちに天国へ行っちゃったけど、今日はそんな母ちゃんの親友が来てくれてます。このライヴで母ちゃんにも音で親孝行できているのかなと思ってます」とTJさんが語り、ほんの少しだけ会場がハートフルな空気に包まれた後はいよいよラストスパート。
途中のコーラスパートが印象的な「REVOLVER」、生でやられちゃ叫ばざるを得ないキラーチューン「GASOLINES」はやはり熱すぎる!!恒例のギター・ベースの裏文字は「ゆ」「き」「ひろ」というTJさんのお父さんの名前でした(笑)
アンコール後にはVERSUS THE NIGHTのヴォーカルであるShoichiさんを迎えて「The Heartless Rain」も披露されましたが、バックの演奏がここまで重厚だとクリーンヴォーカルがちょいと物足りなく感じてしまうかも。でもまあこういうコラボレーションはスペシャルな感じで良いもんです。
こうして一時間半ほどのステージは終了。去年のサマソニ振りのハーネームでしたが、やはりマッチョでパワフルで男臭さ全開のメタルは文句なしにカッコよかったですね!初っ端のライヴからここまで熱いとは幸先が良い!観たばかりですがまた次も観たいぞ!
KINGDOMSツアー、東京公演も観に行こうかしら...?