ここ日本でも高い人気を誇るフィンランドのメロディックデスメタルバンド・Children Of Bodom。つい先日最新作である10thフルアルバム『Hexed』が発売されました。
もちろん僕も購入済みで、まだまだ全然聴きこめてはいませんが、そのうちこのブログに感想書こうとは考えています。
本作の感想をTwitterのタイムラインでちょいちょい見かけるのですが、多くの人が「昔の彼らの要素が出ている」「初期の頃のキャッチーさがあって良い」という意見を述べており、なかなか肯定的な評価になっているようです。
ここ日本では1st~4thのメロディアスだったころの人気が非常に高く、中期以降のヘヴィ志向の彼らのサウンドはあまり前向きに受け入れられていない印象。そしてヘヴィ志向の第一弾となった5th『Are You Dead Yet?』は、「COBがモダンなバンドになったA級戦犯」みたいな扱いを受けて、かなり賛否両論な感じ。
確かに僕もChildren Of Bodomは1st~4th期が至高だったと思うし、中でも4th『Hate Crew Deathroll』はメタル史に残る超名盤として認識しています。僕がヘヴィメタルの凄みやギターソロのカッコよさを痛感したのも「Needled 24/7」は大きなキッカケになりましたし、初期が彼らの全盛期という意見を否定する気持ちはまったくありません。
しかし!それをわかった上で僕は言いたいのです!
『Are You Dead Yet?』は決して悪いアルバムではないと!!
本作は前作『Hate Crew Deathroll』のネオクラ要素をほぼ排斥し、ヘヴィかつ攻撃的になった作風をさらに推し進め、アメリカのグルーヴィなメタルにも近づきつつある音。キーボードがクサメロを奏でるという姿は完全に消滅しています。そこの魅力が減退しているのは認めざるを得ないところ。
しかしエクストリームメタルとしてのカッコよさは何ら変わっておらず、ギターリフがかなりズンズンと響き、ベースもバッキバキ。問答無用でリスナーの頭を振らせるような破壊音が実に強烈ですが、そこにしっかりと息吹いているメロディーのキャッチーさ。クサみはなくとも彼ららしいクールなメロディーのセンスはしっかりと発揮されています。
アグレッシヴなシンガロングで盛り上がれるM2「Are You Dead Yet?」やM3「If You Want Peace...Prepare For War」、ひと際ヘヴィなリフが目立ちつつ、キラキラシンセと疾走パートがらしさを見せるM5「In Your Face」、高速ギターとキーボードのソロ回しがたまらなくカッコいいM6「Next In Line」など、捨て曲らしい捨て曲はなく、メロディック&ブルータルなナンバーが目白押し。
そしてやはり外せないのがM8「Trashed, Lost & Strungout」というキラーチューンの存在ですね。流麗なキーボードのフレーズがたんまりと含まれつつ、無慈悲で攻撃的な押しの強いリフ、一気にテンションをブチ上げるサビと超絶ギターソロ!モダンメロデスの決定版といえる文句なしの名曲です!!
メタルファンはどうも保守的な人たちが多く、"路線変更=悪"と考える人もいるようですが(トレンドを追っかけて持ち味を失ったバンドをたくさん見てきたからかもしれませんが)、決して本作は失敗作・駄作の類ではないと言いたい!ここには確かにヘヴィでアグレッシヴ、カッコいいヘヴィメタルの音が詰め込まれています。
新作発売を機に過去作も聴き直す人が増え、本作の再評価が進めば良いな......と思っていましたが、もうすでにAmazonのカスタマーレビューは結構な高評価なのね(笑)
M5「In Your Face」 MV
M8「Trashed, Lost & Strungout」 MV