ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

3/21 Download Japan at 幕張メッセ その2

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前回に引き続きDownload Japanの感想となります。

 

ANTHRAXを休憩時間にするという英断を下し、フードコートを物色。神の液体マンゴースムージーCOUNTDOWN JAPANで僕を虜にした焦がしクレープアイスは見当たらなかったのは残念ながら、とりあえず美味そうでスタミナもつきそうなガリバタビフテキ丼と目玉焼き入りの焼きそばを胃袋にかっ込む。

 

その後喉が渇いたのでモンスターエナジーの無料配布の列へ並び一本ゲット。一人一本の配布ということで、列に並んだ瞬間に手の甲にスタンプを押されましたが、これって手を念入りに洗えばどうとでもなりそうな気が...

 

腹を満たしトイレも済ませた後はアリーナに直行。ANTHRAXの「Indians」を聴きながら、次のGhostに備えることに。

 

 

Ghost

 

昨年発表の最新作『Prequelle』がグラミー賞のBest Rock Albumにノミネートされ、現在世界各国のチャートをにぎわせている、スウェーデン出身のバンド(というよりもプロジェクトと言った方がしっくりくる気がする)。

 

前々からヘドバンが大プッシュしており、毎号買って読んでいる僕も影響されて『Prequelle』は購入済みです。そういえば感想書いてなかったな...いつか書こうっと。

 

どこかの教会を模したような巨大なバックドロップと、階段を付けたステージセット、バックバンドは皆角の生えたマスクを着用している、そしてヴォーカルのコピア枢機卿ことトビアス・フォージは顔面蒼白・目は真っ黒と、見た目のインパクトはかなりのもの。

 

しかしそんな大仰な見た目と反比例するように、流れ出る音はいたってノーマルなハードロック。僕はアルバムを聴いて「もっとヘヴィでダーク、ドゥーミーな音を出すと思ったら、かなり聴きやすいな」と意外に感じたので、今日までGhostの音に触れてこなかった人も同様のことを考えたかもしれません。

 

コピア枢機卿のパフォーマンスも、コンセプトに合わせた不気味で厳かなものになるかと思っていたのですが、意外にも普通のロックバンドのフロントマンらしく「Are you ready!?」と積極的に声を上げてオーディエンスを鼓舞する。細身の体ながら腕を何度も突き上げ大きくアクションをとっており、意外なほどにエネルギッシュでした。

 

バックバンドは終始演奏に徹していながら、時折前に出て演奏する姿をアピール。特にギタリストのプレイが生き生きしていて良いですね。ヘヴィではないけれどハードロックらしい硬質なリフも聴いてて気持ちがいい。あと右手をクルンと回してタンバリンを叩くパーカッションがなんだか可愛らしい(笑)

 

ただ音楽的にはシンプル極まりなく、テンポチェンジも多くはないため、中盤になると少し刺激が足りなくなってしまうのも事実。いくら見た目のインパクトがあっても慣れちゃいますからね。

 

しかし後半に差し掛かった際のインスト「Miasma」では、以前のパパ・エメリトゥスの姿で登場し(本人だったのか替え玉だったのかはわかりませんが)サックスをプレイ。新たな見せ場を作ってうまく中だるみを回避してくれました。

 

新作の中で最も好きな「Dance Macabre」ではカラフルな照明と紙吹雪で、メンバーのルックスとは不釣り合いなほどのポップな空気に包まれる。"死の舞踏"なんてタイトルとは裏腹に非常にピースフルな瞬間を演出していて、ここがハイライトになった感じですね。

 

 

SUM 41

 

彼らを初めて聴いたのは中学生くらいの頃だったでしょうか。それまでは日本国内のバンドしか知らなかった僕に、洋楽という未知の世界への扉を開けてくれたバンドです。初めて「No Reason」を聴いたときの「カッケエエエエエ!!」の感覚は忘れられませんよ。

 

しかし2019年になってまで彼らのライヴを生で見たことは無い。一昨年のサマソニで来てたんですけど、その時はBABYMETALとFOO FIGHTERSの2連チャンを観るために、マリンスタジアムのアリーナにずっといたため観られませんでした。とうとう彼らのライヴを拝めるときが来た!

 

SUM 41といえば、ガチのメタラーであるギタリスト、デイヴ・バクシュがいるため、パンクでありながらメタルの要素が濃い楽曲で知られています。よってこの会場にいる層にもウケが良いのではないかと思っていましたが、やはり前方はなかなかの盛り上がり......

 

 

 

 

とかなんとか考えている場合じゃねえええ!!

一発目から「The Hell Song」!!そして間髪入れずに「Over My Head (Better Off Dead)」!!

カッチョイイよおおおお!!!!

 

我が青春のパンク・アンセムが生で大音量で目の前で...。SLAYERまで積極的なモッシュは控えようと思っていたのですが、もう我慢ならずにサークルにIN。これで暴れたくならないほど僕は大人になっていないのです。まだまだキッズなのです。

 

しきりにギターを外してハンドマイクとなり、アグレッシヴなパフォーマンスを披露するデリック・ウィブリーはさすがのカッコよさ。一時はアルコールに浸り死の寸前まで追い込まれた彼が、こうしてまたステージ上でパンクロックをかましている。こんな姿になった時もあったというのに、見事に復活を果たした彼が今目の前に...。

 

そんなデリックが「デカいサークルピットを作れ!」を煽ると僕の後ろから「もう無理だよ~~...」と体力が尽きた弱弱しい声が聞こえてきましたが、こんなんでヘコたれるんじゃない!まだまだキラーチューンは来るぞ!!

 

「カウントダウンの後に"Sacrifice"と叫けべ!」と煽られ、特大のサークルが一気にグシャッと潰れた「We're All To Blame」、彼らのメタル魂が炸裂したギターソロと爆走するサビに悶絶必至の「Goddamn I'm Dead Again」はたまらなかったですが、できれば「Underclass Hero」よりかは「Subject To Change」を演ってほしかったな。デイヴも戻ってきたことだし。

 

しかしデリックが"All of us believe!!!"と叫ぶと、僕の中のパンクキッズ魂が一気に爆発する。そう、僕が彼らを知るきっかけになった超名曲「No Reason」。

 

ステージ上から放たれる煙に合わせて"Hey! Hey!"とシンガロングし、劇的なサビで拳を振り上げ声を枯らす!!

ああ...最高だ...!!!

 

後半に差し掛かると、デリックが「うちにもメタル好きなメンバーがいるんだ」と、ギタリストのデイヴを紹介し、本来はヘッドライナーを務めるはずだったオジーの楽曲(厳密にはBLACK SABBATHの)「Paranoid」のフレーズをちょろっと絡め、QUEENの「We Will Rock You」のカバーを披露。少しでもロックに触れている人ならば皆歌えるというくらいの楽曲なので当然場内大合唱。

 

そしてラストスパートは代表曲「In Too Deep」「Fat Lip」、そして「No Reason」と並ぶ超名曲「Still Waiting」でフィニッシュ!この曲の胸かきむしる激情はやっぱ最高だ!!

 

個人的な思い入れという点では本日イチのバンドであったためか、僕のテンションが最高潮になったのは間違いなく彼らのライヴでしたね。ホントはSLAYERを前の方で観るために、後半になったら移動しようと思っていましたが、こんな名曲の乱打をやられちゃ途中抜けなんて無理でした。

 

 

SLAYER

 

SUM 41をガッツリ楽しんだあとは、いよいよ本フェスの真打登場。ファイナルワールドツアーの一環でやってきたスラッシュメタルの帝王SLAYER。

 

日本で彼らのライヴを観れるのは今日が最後かもしれないということで、彼らを一番の目当てにしていたという方は多かったと思われます。彼らのTシャツ着用率が間違いなく一番高かったですし。

 

案の定かなりの人口密度ではありましたが、人の間を通り抜けてそこそこ前の方まで。SLAYERのライヴをNoモッシュ、Noサークルで観るのはイヤですからね。

 

そして暗転しイントロが流れ、垂れ幕にSLAYERのロゴが映し出されると怒号のような歓声が響き渡る。当然ながら後ろからの圧がとんでもなく、周りは将棋倒し寸前にまでなる危険な状態でした。僕の感覚としてはVIVA LA ROCKのBRAHMANの圧縮を10とすると、先ほどのARCH ENEMYは7、SLAYERは8.5くらいあったかもしれません(わかりにくっ)

 

オープニングナンバーは「Repentless」。冷酷無慈悲な邪悪スラッシュチューンでサークルピットにクラウドサーファーがバンバン出現。身動きがなかなかとれない状況ながら、何とかして拳を振り上げヘッドバンギング

 

長髪を派手にバサバサ振り乱すゲイリー・ホルト、それとは対照的に終始落ち着いた小さな動きで高速ピッキングを披露するケリー・キング、超速ナンバーの要であるリズムを担うポール・ボスタフ、そして曲のテンポに負けず劣らずの早口ヴォーカルとヒステリックな叫びを放つトム・アラヤ。このアンサンブルを聴きながらモッシュに興じることができるのも今日で最後なのかな...とセンチな気持ちになりかけるも、まずは普段通りのパフォーマンスを見せる彼らに応えることに。

 

ざっと数曲披露した後で、トム・アラヤのMCタイム。あれだけ邪悪なサウンドを出していたバンドのフロントマンとは思えぬ笑顔でオーディエンスを見渡し、名曲「War Ensemble」へと繰り出す。ここでの"Warrrrrrrr!!"の叫びはやはりすさまじいエクスタシー。

 

しかしそれ以降のライヴ中盤の流れはスピードを殺し、彼らの不穏な部分を強調した楽曲が中心となる。ここが個人的にはちょいと厳しかった。

 

僕がSLAYERに求めているモノ。それは「速さ」です。

 

SLAYERのスピードを落とした楽曲はイマイチ好きになれないんですよね。メロディーなんかハナから存在してないような音楽性ですし、遅い曲が面白いと思ったことがなかったりします。SLAYERは速ければいいのです。SLAYERに遅い曲は求めていないのです。

速い曲プリーズ!!

 

そんな僕の願望に応えてくれるかのように鳴り響いたリフは「Raining Blood」。ここにきてあまり動きの無かった周囲のオーディエンスが蠢き始める。やはりこの瞬間を心待ちにしていた人も多かったようですね。しかし僕はピットに加わりたい気持ちをグッとこらえる。あの曲が待っているからです。

 

そして予想通り「Chemical Warfare」をプレイした後に、スラッシュメタル史に燦然と輝く「Angel Of Death」が投下。「ここしかない!」と特大のサークルピットに飛び込みました。この曲で走りたいがために体力を温存していたのですよ僕は。

 

熾烈な名曲3連打が終了した後、ステージ上をトム・アラヤがゆっくりと練り歩きオーディエンスを見渡していく。そしてあらかじめ用意していた用紙を持ち出し「コレガ私タチノ最後ノショウ。イツカマタネ。」と優しく話しかけてくれました。

 

"ミュージシャンの言う「最後」という言葉は信用できない"というのはもはや常識という感じではありますが、何となくこのバンドに関しては「本当に終わってしまうのではないか」という感情を持ってしまうんですよね。引退を撤回してダラダラ活動を続けていくような姿があまり想像できないというか。

 

まず日本公演に一区切りという感じで、最後の雄姿を我々に見せてくれた帝王。30年以上前から邪悪なスラッシュメタルを貫き通してきた彼らに盛大な拍手とSLAYERコールが巻き起こったのでした。

 

 

 

ドラマチックな幕引きとなったSLAYERの後は、いよいよトリのJudas Priestが登場するのですが......もう彼らに関しては11月の来日公演で観ており(セットリストもメチャメチャ良かったし)、しかも明日は普通に仕事、疲れのたまった状態で充分な睡眠がとれないのはまずいと思い、今回はパスすることに決めました。

 

メタルファンとして神の御姿は見ておかなきゃという使命感のもと、一曲目の「Firepower」を通して聴いた後クロークから荷物を取り出し帰路に就くことにしました。

 

発表当初は「なんか面白みのなさそうなメンツだな~」なんて思ったものですが、いざ観てみればどのバンドも充実のパフォーマンスを見せており、満足度は非常に高かったです。

 

あとやっぱり会場は幕張の方が好きですね。単純に行きやすいというのもありますし、何となく「フェスに来ている」って感じはさいたまスーパーアリーナより幕張メッセの方があるような気がします。音響面はもうしょうがない!

 

公式サイトの方では「See you next year!」の文字もあることですし、来年も何かしらのフェスティバルは期待してもいいのかもしれません。メンツ次第かもしれませんが、今後も多くのバンドのライヴと出会える機会があることを願っています。