ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

4/6 GASTUNK / DEAD INDIAN'S DREAM IN CITTA' 2019

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数々の国内ロックバンドに多大な影響を与えたとされる伝説的ハードコアバンド・GASTUNKのワンマン公演をCLUB CITTA'で観てきました。

 

この日は高円寺でOMNIUM GATHERUMとSCAR SYMMETRYというメロデスタッグによるライヴがあり、当然ながらそちらにも興味はあったものの、前売り券は完売していて当日券もわずかという状況を考えると、現地に行ったとしても中に入れないという悲劇が起こる可能性もある。

 

また名前自体は何度も耳にしていたけど、生で見たことは一度もない日本の巨匠によるライヴ、そしてヴォーカルのBAKIさんがどれほどカリスマ性あふれるパフォーマンスをするかが気になっていたこともあり、高円寺を切り川崎に行くことを決断。

 

午前中から夕方にかけて原宿にちょっと用があり(駅前が人であふれていて移動するにも一苦労でした)、頃合いを見計らって川崎へGO。

 

CLUB CITTA'前に集まっている人たちは、いかにもハードコアや過激なロックを好みそうな厳ついオジサマが多く、その光景にちょっと慄く(笑) この日の僕の服装はおよそハードコアとは縁遠いノーマルなもので、そんな若造が一人でいるという状況は相当浮いて見られるんじゃ...と思うものの、まあ周りは周り、自分は自分と考えて構わず入場。

 

ワンドリンクのレッドブルを一気飲みし、カバンをコインロッカーに預けてフロアのやや前方付近に位置取り。なんだか人口密度が低いなと思っていましたが、開演直前になるとなかなかの埋まりっぷりになっていたように見えます。

 

そして開演時間を少し過ぎた段階で暗転しSEが流れる。いよいよジャパニーズロックレジェンドのお出ましたぞ!!

 

......と思ったらなかなか来ない。SEが鳴ってから5分くらいたっても一向にメンバーが現れず、歓声と手拍子で一時盛り上がったムードも、徐々に沈静化されていく...

 

アレですね、会場が暗転してSEが流れてメンバーを今か今かと待つあの瞬間は大好きですが、あんまりにも長く焦らされると集中力が途切れて盛り下がってしまうということがわかりましたね(笑)

 

もちろん某大物歌手のようにライヴをドタキャンするということはなく、きちんとメンバーが入場。半分黒、もう半分は白というジャケットに身を包んだTATSUさんのカッコよさに一瞬目が行きましたが、すぐにヴォーカルのBAKIさんへ目移り。やはり真っ白に染まったスキンヘッドに目の部分だけ黒いという姿はインパクトがある。

 

なお僕は終演後まで知らなかったのですが、本日のライヴは二部構成となっており、前半の第一部は1stアルバム『Dead Song』の完全再現を行うというもので、一曲目の「黙示録」からMCをほとんど挟まずノンストップ。

 

観る前はBAKIさんのカリズマティックなパフォーマンスが前面に出てくるのかと思っていたのですが、実際はそれほどでもなく、あくまでバンドの一フロントマンとしてふるまっているような印象でした。小刻みで個性的な動きでステージ上を回るも、他メンバーを喰ってしまうほどではない。

 

むしろ個人的にはギターのTATSUさんのプレイの方が目立っていた感じ。GASTUNKHR/HMの範疇にも入れられるバンドだったというのも納得の速弾きギターソロを頻繁に披露し、時には高速のタッピングまで飛び出す。やや荒さを感じさせるもののテク自体はメタルのそれでしたね。

 

そんな二人とは対照的に、ステージ上であまり目立った動きが見られないリズム隊のBABYさんとPAZZさんの二人ですが、プレイ自体は至極タイトで安定しており、特にPAZZさんのドラミングはなかなか派手に暴れていてカッコよかったです。ただ小さく密集されたドラムセットのせいで、ご本人の姿は全然見えないのですが...。

 

しかしライヴが順調に進んでいく中、途中からあからさまにTATSUさんの機材に不調が見え始める。一曲終わってもノイズのような残響がずっと鳴り響いており、スタッフ数人がステージに上がりちょいちょい作業を挟むことに。

 

そして曲が始まってもノイズが鳴りやむ気配がなく、終始高音の「ザーーーーッ」という音に耳がさらされる羽目になってしまう。幸いなことに僕は耳栓をしていたため、さほど気になるレベルにはならなかったものの、耳栓無しの人たちにとってはかなりきつかったのではないでしょうか。一瞬耳栓を外しただけでかなりの音量で鼓膜に襲い掛かってきたので。

 

結局機材トラブルのため一時中断せざるをえない状況に。僕の後ろのご夫婦らしきお二人が「ねえ、このまま中止ってことになったりしない?」「いや、機材トラブルで中止なんて話は聞いたことないな」みたいな会話が聞こえ、前の方にいた熱心なファンは「休みすぎだぞーーー!」と愛あるヤジを飛ばす。

 

そのまま10分くらい経過したでしょうか。どうにか調整が終わったようで再びメンバーがステージ上へ。長い中断を謝罪するようにBAKIさんが手を合わせ、そのままライヴは続行。

 

しかしこの時点で僕の精神状態は若干厳しいものになっていました。

 

というのも、GASTUNKの曲というのはハードコアパンク扱いをされつつも、純然たるジャパニーズハードコアとはやや趣が異なり、吐き捨てるようなシャウトではなくの要素がある。

 

思い切りアグレッションに振り切ったハードコアであればメロディーやドラマチックさなど皆無でも気にはなりませんが、なまじしっかり歌っている楽曲だと、どうしてもメロディーを追ってしまうのです。

 

そしてお世辞にもGASTUNKの曲というのは僕好みのメロディーが息づいているとは言い難い。あまり歌謡的になっちゃうとダサくなってしまうので仕方がないのかもしれませんが、BAKIさんののっぺりした歌い方と合わせて、起伏の無さが気になってしまいます。

 

そんなキャッチーさ、フックのないメロディーをミドル~アップテンポ中心の楽曲で、さらにMCほとんど無しのライヴでずっと聴いていると、さすがに飽きてくるというか、ダレを覚えてしまう。いかにTATSUさんが前方へ出てきてギタープレイで魅了しようとしてくれても、肝心の楽曲がツボにはまらないことにはどうしても...

 

ちょっと嫌な言い方になってしまい申し訳ないのですが、19時半ごろの時点で次の曲が始まると、「え...まだ続くの...?」という大変失礼な思いが頭をよぎってしまうことに。この辺からはダレとの闘いになってしまいました。何かSLAYERの遅い曲を連続して聴いているときと似た感じ。

 

そしてそこからライヴが続くこと1時間、本編ラストの「Smash The Wall」まで何とか観届けました。その後アンコールもあったようですが、さすがにこれ以上は体力的にもキツくなってきたため離脱。フェスではないワンマンにおいて途中で切り上げたのは初めての経験かもしれません...無念...

 

う~~~む、やはりこの手のバンドのライヴは1j時間前後の長さでモッシュにまみれながら観るのが一番良いですね。後半に「Leather Ship」を始めとした名曲がプレイされたのは救いでしたが、さすがにこの手の音を2時間半というのは僕の音楽的なキャパシティには収まり切りませんでした...なんと情けない!

 

機材トラブルという致し方ない事情があるとはいえ、集中力が途切れるほどの空白の時間があったこともあり、満足とは言えないライヴになってしまった感じです。彼らの楽曲にもっと思い入れがある人など、刺さる人には刺さっていたとは思いますが。