ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

4/29 渋谷メタル会フェス at 渋谷CYCLONE & GARRET

20190429_渋谷メタル会

平成最後のメタルライヴに行ってきました。渋谷CYCLONEとGARRET共同で国内メタルバンドがわんさか出てくる渋谷メタル会フェスです。

 

開催発表当初からなかなか豪華なラインナップでしたが、最終発表でHER NAME IN BLOODとIN FOR THE KILLの参加が決定し、ここまで濃ゆいメンツなるのなら是非とも行くべきだとチケットを購入。キャパの小さいライヴハウスでここまで集めたのだから当然ですが、完全ソールドで当日券は出ませんでしたね。

 

ただ今回の会場である渋谷CYCLONEとGARRETというハコ、行ったことある方はわかると思いますが、会場間の階段が喫煙所になっていて通るたんびに煙にまみれなければならず、またCYCLONEのフロアへ入る導線があまりにも狭すぎてギュウギュウになりやすい、GARRETは後ろの方にいるとステージがかなり観にくいという環境で、正直好きな会場とは言い難い。これだけのメンツをそろえてくれるのであれば、もうちょっと良い環境で観たかったというのが本音です。

 

まあそんな不満を行ってもしゃーない。少し早めに渋谷に到着し、オシャレにスタバで一服(バニラクリームフラペチーノ)などしたあと、会場時間ちょうどくらいにCYCLONEの入り口へ。

 

今回25歳以下の人は500円キャッシュバックという若者メタルヘッズ割が存在しており、24歳の僕はもちろんその割引にありつける。ドリンク代が100円でカシオレ一杯飲めてちょっと得しちゃいました。

 

GARRET内へ入ると、まだ最初のアクト前ということもあって客入りはそれほどでもない感じ。とりあえず段差を降りた真ん中あたりに陣取ることに。

 

 

GENIUS

 

オープニングアクトは失礼ながら一切知らなかった若手メロスピバンド。ヴィジュアル系一歩手前なルックスで、これを「カッコいい」ととるか「ダサい」ととるかは人によるかも。

 

ただそんな風貌をしていても、まだアマバンの雰囲気というか、メジャーバンドの華があるとは言えないと感じてしまいましたが、これは場数を踏みまくればどうにでもなることだと思います。

 

音楽的にはシュレッドギターとポジティヴなフックを持つ歌メロを武器とした歌謡系メロスピで好きな感じ。このままバンドの地力やスケール感が成長していけば、さらに良くなりそうな予感がします。

 

リズム隊はサポートメンバーのようですが(ドラムの人だけあからさまに普通のルックスだったので、正規メンバーでないことは一目でわかりました/笑)、早いとこバンドの布陣を安定させて、バンバンライヴできるようになるといいなあ。ヴォーカルの人の誠実さが伝わるMCも好感触でした。

 

 

IN FOR THE KILL

 

一昨年発売した1stアルバムがエクストリームシーンで話題を呼んだデスラッシュバンド。名前は耳にしていたものの、音源にはふれていませんでした。

 

まだステージ前にスクリーンが下りている段階から「渋谷行けんのかああ!?」と煽り立て、オーディエンスの士気も上々。中央にはさぞ恐ろしいモッシュが発生することは想像に難くない。

 

そしてヴォーカルが開口一番「お前らブチ殺してやるからなあ!!!」と叫びライヴが始まると、モッシュ......ではなく観客通しの殴り合いとも呼べる地獄絵図に。

 

ただそんなフロアの様子に対して、演奏自体はグチャグチャしておらずかなりタイトにまとまっていて、リフもしっかり研ぎ澄まされており、非常に頭を振りやすい音になっています。やっぱ上質なエクストリームメタルは技術がないとできないんだなあと、当たり前のことを改めて思いました。

 

個人的な感覚ではもうすこしメロディアスさが欲しいとは思うものの、このカオスなピットを見ながら暴力的なリフに耳をヤラれるのは気持ちが良いもんですね。痛快度・ストレス解消度の高さはすさまじいものがありました。ライヴとはこうでなくちゃ。

 

何でも「近々ワールドワイドなニュースが発表できる」らしく、今後もっとビッグになっていける可能性がありそうです。

 

 

Phantom Excaliver

 

IN FOR THE KILL終演後に下のサイクロン側に降りると、すでにPhantom Excaliverのライヴは始まっている。やはりというか狭すぎる通路はギュウギュウになっており、満足にフロアへ向かえやしない。

 

頑張って人の間を通り抜けて、下手側のスピーカーの前あたりまで来ると、ヴォーカルのKacchangさんとギターのMatsuさんはハッキリ見えるものの、サポートベーシストであるパンチ丸さんとドラムのThomasさんはまったく見えない。

 

スタッフの方が通路を確保することでようやくフロア中央まで潜り込むことに成功。むぅ~~...やっぱりこのハコは好かん。

 

真っ青な長髪に左半分は坊主という奇抜なヘアースタイルのパンチ丸さんは、MCでも言われていた通り顔面が荒川良々にクリソツでした(笑)

 

とにかく全力投球なパフォーマンスはやはり観ていて爽快感すらあり(見た目はあんな暑苦しいのに/笑)、ベースのさいごろうさん脱退後の空白期間で溜まったライヴ欲求を発散するかの如し。「とにかくライヴがしたかった!」という言葉はウソじゃないのでしょう。

 

サビの勇壮なメロディーが心地よい「鋼鉄の誓い」、バンドの代表曲である「Mother Earth」もプレイされ、本日一番青臭くもポジティヴな精神性あふれるステージになったと思います。

 

 

COCOBAT

 

せっかく良い位置に来れたのだから、このまま持ち場を離れずCOCOBATのライヴを観ることに。メタルというよりもハードコアという方がしっくりくるバンドで、本日のオーディエンスにピンと来るのかはちょっと疑問でした。

 

サイクロンの店長でもあるギターのSEIKIさん、超絶ベーシストのTAKE-SHITさんの二人は最初から上裸。本日最もリズム主体な轟音を響かせる。

 

Unitedを別格とすれば本日の出演組の中でもかなりのキャリアを誇るベテランであるからか、演奏のまとまり具合、巧さはトップクラス。単純な出音の強烈さであればIN FOR THE KILLの方が明らかに上であるのに、音の迫力では一切負けていない。

 

そしてなんといってもTAKE-SHITさんのベースの強烈さよ!!音源で聴いても異常なまでの迫力でしたが、ライヴでもその存在感は圧倒的。ネックを逆手に抑えて右手でつまむように弦を引っ張る特殊な奏法もインパクトがあるし、音量も明らかにギターより大きいしで、圧巻のプレイを見せていました。

 

そして代表曲の「Grasshopper」のあのバキバキのイントロが流れた瞬間は思わず沸き立ちましたね。問答無用で頭を降らせ、破壊音に身をゆだねられるキラーチューンには体を動かさずにはいられません。MC一切なしのストイックなステージングも硬派な音楽性と相まってカッコよく映りました。

 

 

HELL FREEZES OVER

 

今度はまたGARRETに戻ってHELL FREEZES OVERのライヴを観る。案の定後ろの方までぎっしりで、天井が低いこともあってメンバーの手元はほとんど見えず......

 

いかにもメタラーってなメンバーのナリもさることながら、出している音も完全なる80年代型スラッシュメタルのそれで、2019年の若者がこんな音を出しているとはちょっとした驚き。初期METALLICAの影響がかなり大きそうです。

 

そしてなんといってもヴォーカルの存在感がスゴイ。MCも歌唱もパフォーマンスも非常に堂々としており、スラッシュっぽい早口歌唱だけでなく、正統派型のハイトーンまでバンバンこなす。強気なMCもイキがあって良い感じです。

 

途中に「ちょっと趣の違う曲だけど、新しいメタルアンセムになるよ」というMCと共に新曲をプレイ。ACCEPTのような仰々しいコーラスが映えるミドルテンポの硬派な正統派メタルでこれまた非常にカッコいい。疾走していない曲でも名曲を書けるソングライティング能力の高さも見られました。

 

モダンなどという言葉とは一切無縁のこのスタイルでは、ぶっちゃけオッサンオバサンのファンしか生まれないんじゃないの?と余計な心配をしてしまいたくなりますが、できればこの80年代メタルのスタイルを継続していってほしいなと思います。今の日本のメタルシーンにここまで正統的なバンドはあまり見受けられないだけに。

 

 

SURVIVE

 

GENIUSと同じく、本日一切予備知識を持っていなかったバンド。ロゴからしブラックメタル系列の音だろうとはわかりましたが、いざステージを見るとちょっとびっくり。

 

白塗りです。白塗りですよ。日本のバンドがコープスペイントしてるんですよ。しかもコテコテなブラックメタルっぽいコスチュームに身を包んで。

 

本場海外のバンドなら特に驚きやしませんが、まさか日本でここまでオーソドックスなブラックメタルのいで立ちをするバンドがいるとは。日本のブラックメタルはSIGHくらいしか知りませんでしたからね~。

 

ただプレイしている曲自体はクリーンヴォーカルをサビで取り入れ存外キャッチーに響いたり、ブラックメタル特有の金切り声やトレモロリフはあまり聴かれないこともあって、あまりブラックメタルっぽく感じませんでした。

 

そして何よりヴォーカルのNEMOさんのMC。あんな恐ろしい姿をしているのに人の好さが端々から伝わってくる。

 

つい最近まで入院していたらしく、再びステージに立てる喜びを素直に表現したり、「フロアメチャクチャにするなりマナー良く観るなり好きにしてくれ。ただ痴漢は絶対するな」と至極まっとうなことを言ってくれたり、言葉からは全く恐ろしさは感じられませんでした(笑)

 

 

HER NAME IN BLOOD

 

そしてここでとうとう個人的メインアクト。マッチョでタフな野郎五人組のお出ましです。もう今年に入って観るのが3回目ですが、こちとらまだまだメタル成分が足りないのだよ。

 

一曲目の「BAKEMONO」で幕を開けると早速中央にモッシュピットが発生。そのままバンドから促されるようにサークルが発生すると、Phantom ExcaliverのKacchangさんも一緒になって走り出している。

 

そのまま叙情的なサビが彩るキラーチューン「CALLING」で共にそのサビを歌う。Ikepyさんのヴォーカルはかなり好調で、デス・クリーンともに申し分のない迫力。バックの音圧もすさまじく、低音が強調されたアンサンブルは破壊力抜群。さらに狭いステージに巨漢が集結しており見た目の圧も半端ない!!

 

「渋谷メタル会!お前たちのPOWERを見せてみろ!」とIkepyさんが雄々しく叫んだあとの「POWER」では、中盤のヘヴィなリズム落ちパートでハーコーとまではいかないものの、押し合いへし合いを超えた狂乱が生まれる。右手でガードしつつも僕もヘドバン欲は抑えられない。

 

今回はメタルヘッズばかりの会場であるためか、選曲も非常にヘヴィなものが多く、終始モッシュの波は止みませんでした。それどころか「LAST DAY」ではクラウドサーファー、ステージダイブもガンガン行われ、本日一の盛り上がりを見せる。Kacchangさんもリフトさせられており、周囲から笑いが巻き起こっていましたが、ステージ前まで運ばれた後ちゃんと戻れたのでしょうか?

 

また外国人女性がTJさんのすぐ横を通り抜けてステージダイブした時に、機材を踏んだのか何なのか、TJさんのギターから音が出なくなるトラブルが発生。しかし演奏を止めることなく、TJさんがギター抱えたままステージダイブするなど、ノンストップで盛り上がりは続きました。

 

 

Ailiph Doepa

 

HER NAME IN BLOODの相変わらずの迫力に満足しつつも、この後すぐにもう一組目の目玉となるアクトが待っています。急いでGARRETの方へ向かう。

 

HER NAME IN BLOODとTHOUSAND EYESという強力な流れがCYCLONE側であるためか、オーディエンスはそれほどギュウギュウではなく、後から入った僕でも割と前方まですんなり行くことができましたね。ありがたいけどちょっと寂しい。

 

基本的に開演前のBGMはIRON MAIDENやらPANTERAやらのメタルだった会場が、なぜかドーパ前では日本語バージョンの「It'a Small World」だったのが何だか異様。

 

そしてメンバーが登場するとそのルックスも輪をかけて異様。ピエロのようなメイクにランドセル、そしてヴォーカルのアイガーゴイルさんはサイケでカラフルなパジャマ姿。見た目のインパクトはある意味Phantom Excaliver以上だ。

 

「俺たちの音楽がメタルか否かであるかは皆さんにお任せします。俺らはポップな曲も多いけど、今回は激しい曲を多めにやるぜ!」と叫ぶと、その言葉通りヘヴィリフを主体としたアグレッシヴな楽曲を連発。しかしそんな中でもド変態メタルの名に恥じぬ奇妙な展開がちりばめられており、急に社交ダンスムードになったり行進が始まったり(文章では何にも伝わりませんね...)

 

こうしてライヴで観ても闇鍋的遊園地的な怪しくファニーな雰囲気は全く損なわれず、シャウトからクリーンまで変幻自在に切り替えるアイガーゴイルさんの異常な歌唱力も際立っていました。

 

「標高3000m!パワースポットへ連れていこう!」と叫び、ラストは去年最大のインパクトをあたえられた名曲「Machu Picchu」。「このサークルから逃げられると思うなよ!」と煽られ、みんなでピチュピチュ言いながらサークルピットを作り出して終演となりました。

 

 

 

 

その後はTHOUSAND EYES、United、そしてトリのSEX MACHINEGUNSと続いていくのですが、CYCLONE側はもう到底フロアに入れそうもないほど激混み。とてもTHOUSAND EYESは満足に観られそうもない。

 

さらに激しい照明の点滅にタバコのにおいによる頭痛、長時間のライヴによる疲労も厳しくなってきたので、いったん外の空気を吸うために外出することにしました。

 

しかしここでのっかってくる問題が、再入場時にはドリンク代600円が追加でかかること。もちろん今後のライヴは人の多さで満足に観られる保証は無い。

 

Unitedは依然Hawaiian6主催のECHOESにて前から二列目という超至近距離で観たことがあり、SEX MACHINEGUNSは6月のPURE ROCK JAPANにて観る予定がある。

 

さらに前述のとおり体調面に不安もあるし、ここ最近は疲れがたまる一方であるため、非常にもったいなくはあるもののここにて切り上げることに決めました。これはきちんとした考えに基づく決断であって、安易な逃げに非ず...。

 

Unitedだけでも観るべきかなとも思いましたけどね。HER NAME IN BLOODとAiliph Doepaでもうすでに大満足ですし、他のバンドのライヴもどれも良かったので、とりあえずチケット代以上のものは得られたと思います。

 

ただ持ち時間が非常に短く、かつバンド間の空き時間も短いため、バンドの魅力が100%すべて伝わったとは言い難いですね。今後また本日の出演組のライヴが観られる機会があれば、その時はもっとじっくりとバンドごとの世界に酔ってみたいものです。とりあえずAiliph Doepaは単独で観たいな。