ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

GALNERYUS 『RESURRECTION』 (2010)

GALNERYUS 『RESURRECTION』

平成最後の晩餐は食パンとフルーツグラノーラだったShowと申します。新元号令和でもよろしくお願いいたします。

 

まあぶっちゃけ元号なんて西暦と突合するのめんどくさいのであまり使わないのですが(汗)、こういった年の切り替わりみたいな機会はなかなか経験できないので、ちょっぴり特別な何かを感じてしまいます(何せ昭和を知らない世代ですから)

 

新たな時代がより一層良いものとなれるように、令和初日は僕のヘヴィメタルの原点とも言える音であり、一発目を飾るに相応しい高揚感・スケール感・完成度を誇るこの名盤が相応しいだろうと思い取り上げてみます。まあ今更僕が何を言うんだって感じではありますけど。

 

バンドの看板であったYAMA-Bさんの脱退に伴い、ミリオンヒット歌手の小野正利さんを新たなヴォーカリストに迎えて発表した、新生GALNERYUSの6thフルアルバム。

 

僕が彼らの存在を知ったのはネットのレビューサイトか何かで彼らが絶賛されていたのを知り、YouTubeでどんな楽曲をやっているのか気になって調べて、本作収録曲の「DESTINY」のMVを見たのがきっかけです。

 

天高くどこまでも伸びていくような驚異的なハイトーン、全楽器の恐ろしい速さでのプレイ、ギターとベースがユニゾンするタッピングソロ......何もかもが当時の僕には衝撃的で「こ...こんな演奏と歌、今まで聴いたことない!!」と戦慄しました。10代のパンクキッズにはあまりに不可解、あまりに未体験の音でしたね。

 

前作・前々作ではややJ-ROCKへの傾倒を見せるなど音楽的な冒険をしてみせていた彼らですが、今作ではGALNERYUSの音楽とはこういうものだということを高らかに宣言するように、プログレッシヴでありながら歌は非常にキャッチーであるメロディックパワーメタルの方向に振り切っています。

 

全編に渡り超絶技巧が炸裂しており、曲の長さも全体的に長めながら、小野さんのクリアな声と超キャッチーなメロディーにより一切小難しい印象は無く、むしろ強烈な爽快感に酔いしれることができる楽曲の作りがとにかく素晴らしい。

 

小野さんのGALNERYUSに懸ける意思が如実に伝わるM2「BURN MY HEART」で魂が震え、そこからノンストップて続くM3「CARRY ON」の冒頭のハイトーンシャウトで脳天を貫かれるような衝撃を受けたら最後、そのままとめどなく流れるメロディーと演奏の波状攻撃に一切気を休めることができない。

 

翳りを見せつつも希望を感じさせる美しいメロディーがこの上なく胸を締め付けるM7「SAVE YOU!」、どこのプログレバンドだと思うほどの濃密な演奏の応酬が披露されつつ、小野さんのハイトーンもガッツリ堪能できるM9「FALL IN THE DARK」といった疾走ナンバーの気持ちよさは尋常ではないレベル!何だか自分の背中から翼が生えて、どこまでも飛び立っていけそうになる!!(?)

 

ミドルチューンであるM4「DESTINATION」、M5「STILL LOVING YOU」は疾走曲ほどの快感は薄まりつつも、どこかクセになるメロディーと高密度な演奏によって非常に聴きごたえのあるナンバーに仕上がっているし、M8「A FAR-OFF DISTANCE」は、J-POP歌手として名をはせた小野さんの表現力が見事に活かされたバラード。どんな曲調にも本作には隙が無いのです。

 

そして本編ラストを飾るのはM10「DESTINY」。泣きの旋律で余韻を残し幕を閉じるアウトロのM11「THE ROAD GOES ON」と共に、アルバムのクライマックスを彩る渾身の大名曲。

 

とにかく本作は疾走感にあふれていて、歌は日本人らしい歌謡性を備えていて聴きやすい、ポップでありつつ哀愁を忍ばせていて、演奏が驚異的にテクニカルでスリリング...

 

僕がヘヴィメタルという音楽に欲しい要素を高度な次元ですべて備えている。それこそが本作の(というかGALNERYUSというバンドの)最大の魅力だと感じています。心が震えるほど、胸が熱くなるほどカッコいい。

 

メロディックパワーメタルが好きな人であればとっくの昔に聴いているはずだとは思いますが......思いますが!

 

もしもメロディアスなメタルが好きで、GALNERYUSを聴いていなくて、そしてこのブログの文章に目を通したという人が天文学的な確率(笑)で現れたとしたら......是が非でも本作を手に取ってこころゆくまで体感してほしいです。僕が体感したものと同様の感動を。

 

M10「DESTINY」 MV