ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

RAMMSTEIN 『Untitled』

RAMMSTEIN 『Untitled』

もはや押しも押されもせぬ、ドイツ出身のインダストリアルメタルの王者・RAMMSTEINの10年ぶりとなる最新作。本作にはタイトルが存在しないため、呼び名は『Untitled』とさせていただきます。

 

RAMMSTEINといえばその知名度は世界規模、大規模なアリーナを何度も埋め尽くすほどの絶大な人気を誇るバンドです。何せ本作収録曲のMVはYouTube上で公開されてまだ2~3ヶ月しか経っていないのにも関わらず、すでに4000万回以上の再生回数なのですから。

 

しかしどうも日本人の好みには合わないのか、日本国内での注目度はあまり高いとは言い難いバンド。Wikipediaに載っている前作『Liebe Ist Für Alle Da』のチャート成績、日本だけおっそろしいほど順位が低いことに...。

 

まあチャートの成績がどうこうなんて、自分が気に入るか気に入らないかとは一切関係なし!個人的にはリアルタイムで彼らのアルバムに触れるのは初めてのため、なかなか高めの期待値を持って迎えました。

 

ドイツ語による、ねちっこ~く耳にへばりつくようなティル・リンデマンのヴォーカル、怪しさと胡散臭さ全開のメロディーは10年の時を置いても不変であり、一発で彼らの音であることがわかる個性は強烈です。

 

しかしこれほどアクの強いサウンドでありながら、アルバム前半の曲はどれもなかなかキャッチーに仕上がっているのが特徴で、とっつきやすい即効性が息づいているのが嬉しい所。不気味でおどろおどろしいのに口ずさめるようなキャッチーさがあるという「怖さと楽しさの両立」という点においては、ジャンルやスタンスは全く異なれど人間椅子に通じると言えるかも。

 

アップテンポで軽快に駆け抜け、曲タイトルを連呼するサビは耳に残りやすく、ギターリフもほどよくヘヴィに磨かれ、時にはクワイアめいたコーラスも導入。M1「Deutschland」~M5「Sex」までの流れが皆こんな感じで、メロディックで正統的なメタルを好む僕ですら、素直に曲の世界に没頭できて楽しめる。

 

特にMVも作られたM2「Radio」は跳ねるような硬質なリフと怪しげなシンセ、そして「ラァ~~ディ~~オ~~~♪」のサビが強烈なインパクトを放つ、病みつきになりそうな魅力に満ちた、らしさ全開の名曲です。

 

そしてM6「Puppe」以降の楽曲は前半ほどメロディーは目立たなくなり、彼らの不気味な側面を強調したような曲や、荘厳な雰囲気を醸し出す落ち着いた曲が続きます。

 

音楽にはメロディアスさ、キャッチーさを求めている僕としては、後半は少しテンションが下がってしまうというのが正直なところですね...。とはいえ薄気味悪さと神秘的な美しさをしっかりと兼ね備えているバラードのM8「Diamant」、非常にシンプルでありながら中毒性を持ったメインリフが延々と続くM10「Tatto」のように、耳を引かれる曲をしっかり用意してくれているのはありがたい。

 

確かに日本のメタルファンに響きやすい音楽性ではないとは思いますが、それでもついつい手が伸びてしまう不可思議な魅力を備えた良作であると思います。前半のメロディーの充実度が最後まで続いていればもっと良かったですが、従来の作品を気に入っている人ならば期待を裏切られることはないかと。

 

M1「Deutschland」 MV

 

M2「Radio」 MV

この不気味で気持ち悪いMVもRAMMSTEINらしさ、なんですかね。