ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

HER NAME IN BLOOD 『BLOODLINE』

HER NAME IN BLOOD 『BLOODLINE』

"聴くプロテイン"の名を欲しいままにする、マッチョでタフな男のメタルコアをプレイするHER NAME IN BLOODの、キャリアを包括するベストアルバム。

 

基本的に僕はオリジナルアルバム好きのリスナーであり、既発曲ばかりのベストにはあまり食指が動きません。

 

しかし本作は「WE REFUSE」「DECADENCE」「UNSHAKEN FIRE」というインディーズ期の曲は再録され、バンド名の由来になったSTRUNG OUTの「HER NAME IN BLOOD」のカバー、さらに新曲も一曲プラスされているときたら、ファンとしては気にならない訳はない。

 

せっかくならMAKIさん加入前の楽曲は全部彼のドラムで録り直してくれてもいいのに、と思ったりもしましたが、レコーディング費用や時間の問題もあるし、まあこれは仕方ないと割り切りましょう。

 

彼らの代表曲と言えるM5「LAST DAY」、M12「BAKEMONO」、M14「HALO」から、各作品のリードトラックであるM11「SAVIOR」、M15「FROM THE ASHES」、ライヴ定番のM6「GASOLINES」、M8「REDEMPTION」と、抑えるべき曲をしっかりと抑えたバランスの良い選曲になっていると思います。

 

敢えてケチをつけるとしても、「最新作の曲が3曲はちょいと多いのでは」「キメの一曲である「GASOLINES」はもっと後半の位置で良かったんじゃないの」という意見を言えるくらいでしょうか。

 

そして気になるのはもちろん新曲、カバー曲、再録曲ですが、これらも非常に上質な仕上がり。

 

新曲のM3「DARKSIDE」はその名の通り彼らのダークでドロドロとした側面が強く表れた曲。基本的にミドルテンポでズンズン進んでいくのですが、こういった曲においてもリフやメロディーが冴え渡り、聴き応えのある一曲になっています。

 

STRUNG OUTのカバーであるM13「HER NAME IN BLOOD」は哀愁漂うサビが最高にカッコいいシリアスなナンバー。IKEPYさんの太く伸びやかなクリーンヴォーカルが実に魅力的に光ります。原曲が良いのはもちろんのこと、雰囲気を壊さずに自分達の楽曲に染め上げるアレンジセンスの良さも特筆すべき。

 

再録の三曲は良くも悪くも荒削りな部分が見直され(元々演奏のクオリティーは高かったので、そこまで荒い訳でもありませんでしたが)、全体的にヘヴィでどっしりとした、硬質な音作りが施されています。その分ブチキレたテンションの高さは少し控えめになったような印象。

 

これを「一段とたくましくなりサウンドに風格が増した」とポジティヴにとるか、「キレた勢いが減退して物足りない」とネガティヴにとるかは人によって変わるところかもしれません。個人的にはより彼らのマッチョなイメージに合う音になったのは良いことだと思ってますが。

 

しかしこうして彼らの生み出した曲をまとめて聴いてみて、改めてそのクオリティーの高さを思い知りましたね。血湧き肉躍るアグレッションと、バンドイメージに違わぬ剛直なヘヴィさ、耳にしっかりと馴染むキャッチーなメロディーが両立された曲達にはカッコいい以外に言葉がないですよ。

 

彼らのファンやメロディックメタルコア好きはもちろんマストの一枚。本作を機に彼らのオリジナルアルバムにも触れて、さらなる楽曲の魅力にハマっていく人が一人でも増えると嬉しいですね。ジャケットで恥ずかしがらずに堂々とレジに持って行ってください(笑)

 

M1「WE REFUSE」 Official Audio

 

M3「DARKSIDE」 Official Audio