ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

Sabaton 『The Great War』

Sabaton 『The Great War』

スウェーデンの国民的メタルバンドとして、世界各国のフェスで活躍し、ここ日本でもLOUD PARK 15の素晴らしいパフォーマンスによって飛躍的に注目度を高めることに成功したウォーメタルバンド・Sabatonの最新作。つい先日MAJESTICA名義で良質なメロスピアルバムを生み出したトミー・ヨハンソンが正規メンバーになってから初のアルバムでもあります。

 

毎回戦争を題材とした楽曲を高い次元で構築して見せた彼らですが、今作の題材となったのはタイトルが示す通り、第一次世界大戦。初の全世界規模の戦争なだけに、気合の入った充実の作品を作ってくれるだろうと当初から期待を寄せていました。

 

そしてその期待をしっかりと超えてくるアルバムに仕上げてくれるあたり、彼らの実力の高さがうかがい知れるというもの。Sabatonというバンドに求められる要素をこれでもかと濃縮した名盤となっています。

 

彼らの曲というのは男らしさ・勇壮さを前面に押し出した正統派メタルで、そこに北欧出身らしさを感じさせるシンセと、ポップとすら言えそうなキャッチー極まるメロディーを導入しているところがミソ。これにより曲の熱さをくどくないレベルに押しとどめ、ゴリゴリしすぎず、かつ正統派の硬派さは保ちつつの絶妙なバランスをとっているのです。

 

厳かなムードで序曲的な役割を果たすM1「The Future Of Warfare」で期待を高め、そこからM2「Seven Pillars Of Wisdom」、M3「82nd All The Way」というSabatonらしさ100%のアップテンポナンバー二連発で決まったも同然ですね。ここから先、一切緊張感が途切れることがない。

 

ヨアキム・ブロデンによるムサくてアツいヴォーカル、ギターとシンセによるキャッチーなメロディー、幾重にも重なるサビの男声コーラスが全曲に渡ってがっぷり四つに組み、捨て曲は一切無し!40分弱という収録時間の短さはやや物足りないものの、長すぎて聴き疲れを誘発させるよりは遥かにマシ。というか彼らのような濃厚なバンドにとってはむしろこのくらいがちょうど良いのかも。

 

また今回は全体的にギターソロが素晴らしい出来なのがポイントです。前述のM3やM4「The Attack Of The Dead Man」などが特に顕著ですが、下手にテクニカルな速弾きに走らず、徹底してメロディアスさを重視した流麗なソロを弾いており、実に力強くも美しく響く。

 

M8「A Ghost In The Trenches」、M9「Fields Of Verdun」というキャッチーなパワーメタルの畳みかけから、ストリングスとクワイアを大胆に取り入れたドラマチックなM10「The End Of The War To End All Wars」、戦争により倒れた者たちを黄泉の国へと優しく誘っていくかのような美しきエンディングM11「In Flanders Fields」へと流れていくクライマックスは圧巻ですね。ウォーメタルのラストを彩るうえでは完璧な幕切れだと思います。

 

過去作と楽曲のカラーがあまりにも変わらな過ぎて、新曲であっても初めて聴く気がしなかったり(笑)、前作の「Shiroyama」ほど作品内で抜きんでた一曲は無かったという思いはありますが、それはつまり彼らのスタンスが一切ブレず、安定した高クオリティーの曲を量産できていることの証明でしょう。

 

どの曲にも聴きやすさ満点のメロディー、ウォーメタルというスタイルに求められる勇壮さを持ち、コンパクトながらドラマ性を感じさせるアルバムとしての構成の上手さもあって、一切隙の無い作品に仕上がった感がありますね。キャッチーな正統派が好きな人なら絶対聴くべし!な重要作品。

 

M7「Great War」 MV

 

M9「Fields Of Verdun」 MV