METAL WEEKENDから一週間、またまたライヴに行ってきました。9月はライヴ月間ですね。毎週のようにライヴです。もちろん来週もライヴです(笑)
今週はHER NAME IN BLOODのワンマン公演で、IKEPYさん、DAIKIさん、MAKIさんの共同誕生日企画ライヴ。初めましてとなる会場の渋谷RUBY ROOM。
このRUBY ROOMという会場、ライヴハウスというよりはバーと言った方がよく、そこに付随してバンド演奏やDJができるスペースがあるという趣の場所。地下のライヴハウスやZeppのような大バコに慣れている身としては何だか新鮮です。
バーカウンターで酒を嗜みながら脇で演奏しているバンドの音に耳を傾ける、みたいなシーンを洋画とかでよく見かけますが、日本ではあまりそういう環境無さそうですからね。
ただこのRUBY ROOM、内装はオシャレでイケてるのですが、会場規模としてはものすごく小さく、僕が今まで行ったことのあるライヴスペースとしては札幌のKLUB COUNTER ACTIONを追い抜いて狭さナンバーワンの座に躍り出ました。100人も入ればパンパンになりそうな気がする。フロアのすぐ横に薄布で区切られたアーティストスペースがあり、MAKOTOさんとDAIKIさんが丸見えになってしまっていましたね。
今日は夕方以降は別のライヴ&DJイベントがある関係か、日中帯でのライヴ。フェスやイベントを除けばこれだけ早い時間にライヴを観るのは初めてでした。終電を一切気にすることがないのはいいことだ。
お馴染みのSEは無く、そのまま観客の間をすり抜けるようにメンバーがステージ上に集まりライヴはスタート。オープニングナンバーは普段はキメの1曲である「GASOLINES」。会場の規模が規模だけに、バンドとオーディエンスとの距離がメチャクチャに近く、巨体の男たちが間近で激熱ライヴを繰り広げる様を観るのは圧巻としか言いようがない!
ただヘヴィなリフのカッコよさは文句なしながら、どうもギターソロになると音響の問題か、やや音が聴き取りづらくなってしまったのは残念でしたね。まあハーネームはあまりソロに重きを置いていないので、そこまでダメージが大きくないのは救いですが。
何度もやっている曲にも関わらず、IKEPYさんがオーディエンスにサビのフレーズを叫ばせる直前の3カウントを思いっきりミスるというハプニングが発生し笑いに包まれる場面がありつつ、そのままの熱気でライヴが進んでいく。
僕は前方の下手寄りの方にいたので、フロントのIKEPYさん以外だと積極的にカウンターに足を乗り出してくるTJさんと、クリーンのコーラスを入れるMAKOTOさんの様子がよく見えました。こうも近い位置だといかに彼らがゴツくて、そしてMAKOTOさんの目がキレイかがよくわかるな(笑)
またオーディエンスとの物理的な距離が近いと、コミュニケーションもかなり和気あいあいとしたものになりやすいようで、最前の女性客にTJさんがフツーに話しかけにいっている場面もチラホラ(ひょっとして身内?)
「何回もやってる曲で3カウントを間違えてしまった32歳、IKEPYです!」とにこやかにMCに入ると、DAIKIさんからIKEPYさんとMAKIさんに対し、OUTDOORのパンツ(ニホンザルと子猫のプリント入り)、そしてIKEPYさんからDAIKIさんとMAKIさんに対し、お酒と精力増強ドリンクのプレゼントタイム。「夜のドラムスティックをビンビンにしてくれ!」というネタを言いたいがためのチョイスだったそうです。
その後はバイきんぐの西村さん並みのズレっぷりをみせるTJさんイジリを交えながら、「ライヴではなかなかやらないレアな曲をやる」という流れで「Psychopath」を披露。この時僕の周辺の人たちの視線が一斉にTJさんに向けられ、笑いも起きていたことから、みんな考えることは同じだったようですね(笑)
あの細腕からどうやってこんなパワフルな連打ができるんだと思わずにはいられないMAKIさんのドラミングに、IKEPYさんの高音から低音まで操るビースト咆哮、MAKOTOさんの楽曲を彩るシャウト気味のコーラス、そしてDAIKIさんとTJさんのヘヴィなツインギターの迫力はすさまじく、「LET IT DIE」ではここぞとばかりにハードコアモッシュのスペースが強引に作り出され、ビートダウンで荒れ狂うことに。
僕は小さいながら荷物があり、基本的にビビりでもあるので危なくて怖いハーコーはやらないのですが、やはりこういう危険な空間こそがメタルコアライヴの醍醐味であるのも事実。腕を振り上げて共に盛り上がる。
「ベストアルバム『BLOODLINE』からのカバー曲だ!みんなこの曲はもう覚えてきたか!?」と尋ねたあとの「HER NAME IN BLOOD」は原曲の持つ哀愁のサビと、強靭なヘヴィさを増した演奏に僕のテンションも最高潮に上がる。ハーネームのオリジナルでも成り立ってしまうほどの出来に改めて関心。
終盤では会場の狭さとオーディエンスとの近さを利用し(?)、IKEPYさんがフロアまで降りてきて背後のバーカウンターで酒をもらい、席に座っている女性客に勝手に肩を組んだり、周りのオーディエンスと共に拳を上げて盛り上がったりと好き放題にやらかしながら(ここまでライヴ中のミュージシャンと近づけるのはなかなかない体験でした)ラストに「BAKEMONO」「POWER」「HALO」という反則級の名曲連打で圧巻の締め。こういうラストに相応しい楽曲が複数あるライヴは頼もしい!
昼からのライヴなので2時半ごろには終了。なんだかあっという間に感じましたが、それでも1時間半みっちり楽しませてくれた濃密なライヴでした。楽しい時間はすぐに終わるとはよく言ったものです。
個人的にこのバンドはもっと評価されていいというか、だいたい同期くらいのCROSSFAITHやcoldrainがあれだけ市民権を得ても、彼らの人気はイマイチパッとしない状況であり(たしかに前2バンドの方がウケやすいというか、間口の広さはありますが)、こんな狭い会場でワンマンをやっているのはファンとして恨事ですらあるのですが、大規模会場では決して味わえない激近のライヴはこれはこれで良いものですね。