ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

FREEDOM CALL 『M.E.T.A.L.』

FREEDOM CALL 『METAL』

ドイツ出身のみんなのメタルバンド・FREEDOM CALLによる通算10枚目のフルアルバム。タイトルといいジャケットといい、清々しいまでにメタルなのが素晴らしいですね。

 

前作『Master Of Light』の発売以降、どうやらメンバーの脱退があったらしく、何とか代役を立てながら数々のライヴをこなしていく必要があったそうです。とりあえずアルバム発売までに必要なメンバーがそろって良かった良かった。

 

彼らの作品をすべて聴いてきたわけではないのですが、彼らの作り出す音というのは基本的にHELLOWEENが築いてきたポジティヴでハッピーなジャーマンメタルを突っ走るもの。本作のタイトルとジャケットからはやたら硬派な正統派のメタルを想起させますが、そこまでゴリッゴリの鋼鉄感はなく、従来作とほとんど変わらない親しみやすい明るめのメロパワを今回も踏襲しています。

 

こういったジャーマン系のバンドというのはどうしても野暮ったさというか、洗練されていないダサさが前に出てきてしまうのですが、それを含めて愛すべきメタルの姿だと言えましょう。とはいえ演奏やヴォーカル、プロダクションの質は高く安定しています。

 

少しシリアスなムードを持った曲や、どっしりとした重いサウンドで進む曲、サビでの爆発力が目立つ性急で勇壮な曲など、ジャーマンメタルという言葉からイメージされる範疇内でバラエティーは持たせているものの、彼らの持つハッピーオーラ(某アイドルグループではない/笑)は全体を通していかんなく発揮されており、明るいメタル...それこそHELLOWEEN直系の音を愛する人には文句なしで気に入るのではないでしょうか。

 

僕はどちらかというと哀愁寄りのメロディーの方が好きではありますが、この手の明るめのキャッチーさももちろん好きだし、野暮ったさはありつつもしかとメタリックに磨かれた音で疾走しているのだから気に入らない訳はない。捨て曲らしい捨て曲も無く(しいて言うならやたらコミカルなM4「The Ace Of The Unicorn」と、歌メロのフックがやや弱めなM5「Sail Away」の流れで少しダレちゃうくらい?)、安心安定の高品質メロパワが堪能できます。

 

個人的に気に入ったのはタイトル通りの飛翔感が爽快極まりないM6「Fly With Us」、一緒に歌いたくなる図抜けたキャッチーさ、堂々たる風格を誇るサビを持つM9「Wheel Of Time」の2曲ですね。もちろんその他の曲も聴きどころ満載で、特にM8「Days Of Glory」からの後半の楽曲が非常に充実しており、尻切れトンボにならないのが美点です。

 

「メタルとは熱く、硬派でなければならん!」という鋼鉄野郎にとってはややソフトすぎ&明るすぎと感じるかもしれませんが、メロディックパワーメタルファンを自認する人であれば避けては通れない良作だと思います。

 

国内盤ボーナストラックは彼らが過去に発表してきた楽曲「Warriors」「Emerald Skies」アコースティックバージョンで、キャッチーな歌メロを量産してきたバンドだけに、こういったアレンジでも完全に成立することを証明していますが、正直2曲もいらなかったかな?個人的には前者の方が好き。

 

M1「111 - The Number Of The Angels」 MV

 

M3「M.E.T.A.L.」 MV