ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

JIMMY EAT WORLD 『Surviving』

JIMMY EAT WORLD 『Surviving』

25年以上にも及ぶキャリアを積み、エモというジャンルにおいては押しも押されもせぬ地位を築いたJIMMY EAT WORLDの3年ぶりとなる10thフルアルバム。

 

仮にもロックバンドでありながら荒々しさはほぼ皆無のソフトすぎる曲調、メソメソナヨナヨした青臭さ満点のメロディーと、ヘヴィな音を愛する人からしてみれば「どこが良いんだこんなもん」なジャンルかもしれないエモ。個人的には哀愁にまみれたキャッチーなメロディーは好きなので、こういうバンドもたまにはいいもんだと思いますがどうでしょう?

 

ジャンルの代表格と言われるまでにのし上がった彼らの事、本作においても安心安定の哀愁叙情エモ路線を徹底しており、青臭くも胸に染み渡るメロディアスさに満ち満ちています。

 

weezer辺りに通じるエモ・パワーポップの音作りは非常に軽めながら、多少はハード寄りの歪みを効かせたギターが飛び出し(あくまでも"多少は"レベルですが...)エモも本来はパンク・ハードコアをルーツに持つ音楽であることを何となく認識できる。

 

やや叙情性を抑えたオーソドックスなロックチューンのM1「Surviving」から続くM2「Criminal Energy」は本作中最もロックとしてのダイナミズムを感じさせるアップテンポナンバーで、非常にキャッチーかつクールなサビが良い感じ。この曲が一番のキラーかな個人的には。

 

M3「Delivery」、M5「555」のような美麗さを押し出したヴォーカルパフォーマンスと演奏が味わえる曲、M6「All The Way (Stay)」、M7「Diamond」といった超がつくほどの爽やかさを持つ、解放感バツグンのポップチューン等を取りそろえ、そのどれもに青く煌めく歌メロが息づく。

 

同じく今年に発売されたweezerの新作と比べると、あちらほどの強烈な泣きの要素はなく、どちらかというとポップさの方が強調されているのですが、印象強いメロとそうでないメロの差は小さく、アルバムトータルとしてのまとまりはこちらの方が上に感じましたね。

 

アルバム中盤から後半にかけて似たような楽曲ばかりが続くのはちょいとマイナスではありますが、40分を切る短さと高い即効性を持つ叙情美により、気持ちよく浸ることができる一枚。スカッとした青空の下、景色の良い所を車で走るときのBGMにしたら超気持ちよさそう。まあ僕は免許とってから一度も運転してないドペーパーですが(笑)

 

ちなみに僕は来年のDownload Japanの予習の意味も兼ねて本作を聴いてみたのですが、ハードコアやメタルコアなどと違って観賞用の趣が強く、来たるべきライヴへの期待感を煽る作用はほぼ無かったというのが正直な意見だったりして。そもそもライヴで観たいという欲求を刺激される音楽性ではないから仕方ないけれども。

 

M4「555」 MV

かなり気色の悪い映像ですが曲は素敵。

 

M6「All The Way (Stay)」 MV

後半のサックスと女性ヴォーカルが良い味出してます。