ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

METAL DE FACTO 『Imperium Romanum』

METAL DE FACTO 『Imperium Romanum』

ここ最近のこのブログはBRAHMANTHE BACK HORN9mm Parabellum BulletJIMMY EAT WORLDと、ちょっとヘヴィメタルから距離のある音楽性のバンドが続いていたので、ここで思いっきりメタルメタル以外の何者でもないメタルに関する感想を書かねばなと。

 

2017年にフィンランドヘルシンキで結成された、METAL DE FACTOの1stフルアルバム。本作収録の楽曲を2曲シングルで先行発表した後、満を持してのフルアルバムとなるようです。

 

まずはこのバンド名ですよね。METAL DE FACTO!メタルのデファクトスタンダードを貫こうという気概の表れなのか何なのか。このバンド名で音楽性がメタルじゃなかったらメタル軍法会議をふっかけられ、厳罰に処されても文句は言えません(?)

 

M1「The Conqueror」から早速ピロピロのギターとハイトーンシャウトで疾走!力強いパワーメタルらしいリフでガシガシ進む正統的なヘヴィメタルのフォーマットに則った、お約束ながら熱い疾走ヘヴィメタルが展開される。

 

様々なジャンルが派生し、もはやすべてのジャンルを一人で追うことは不可能なレベルにまで発展したメタルという音楽ですが、やはりこういう音こそがヘヴィメタルの正しき姿だなと、そう思いますね。もちろん音楽のスタイルに正しいも正しくないも存在しないんですけど、個人的にヘヴィメタルらしいと感じるのはこういう正統派のギターリフと熱いヴォーカルによって彩られるものです。

 

ただフィンランドという出自ゆえか、母国の大先輩であるSTRATOVARIUSに通じるようなキラキラした様式美系のキーボードが多用されているのも特徴です。このキーボードの活躍により力押しだけでない、北欧由来の冷たい叙情性を演出することに成功している。やはりこういうセンスは国民性なのかな~。

 

ヘヴィメタルofヘヴィメタルな超正統派のリフで押し進むM2「Legionnaires' Oath」、民族音楽風味の音色とアコギの響きが心地よいスローバラードM6「Echoes In Eternity」、キラキラ感満載のキーボードと攻撃的にブリブリ刻むベースが本領を発揮し、哀愁のリードギターも登場する正統派インストメタルM7「Colosseum」、待たせたなと言わんばかりに爆走、ヴォーカルの堂々たる歌唱とハイトーンもカッコいいM9「The Ascending Of Jupiter」など耳を引く佳曲がそろっていて、新人バンドの1stながら総合的な満足度はなかなか高め。

 

一番気に入ったのはHELLOWEENのような明るいメロディーに満ちたスピードチューンのM5「Bacchanalia」です。今までさんざん「正統派のサウンドが良い」みたいなこと書いといて、ベストチューンが正統派というより完全にメロスピ寄りの曲であるのはいかがなものかとは思いますが(笑)、合唱によるサビのメロディーのフックが抜群でリピートを誘発。メロイックサインを掲げて一緒に歌いたくなるぜ!終わり方があっさりしてるのはちょいとマイナスですが。

 

ACCEPTやPrimal Fearなど、正統派のフィールドにおける一流どころと比べるとさすがにまだA級の輝きは無いとはいえ、メロディーやリフ作りのセンス、キーボードを前面に押し出したアレンジなど、確かなポテンシャルを感じさせる期待の新人の登場ですね。メロディックメタルを好む人であればどこかしら琴線に触れる要素があると思うのでオススメです。

 

M1「The Conqueror」 MV

 

M9「The Ascending Of Jupiter」 Lyric Video